前号までのあらすじ
ダイくんを盗もうとしたサムさんだったが、おじいちゃんの遺影の前で反省したようだった。その夜、おじいちゃんにもらった懐中時計を見ていた絵留は偶然あるものを発見し…。
懐中時計のふたの裏に、写真で隠すようにして貼ってあったもの。それは、人差し指の爪ほどの大きさで、厚さ一ミリ程度の黒いカードのようなものだった。
あわてて、おばあちゃんに見せる。
「おじいちゃんの懐中時計から出てきたの! 何だと思う?」
わたしが差し出したそれをまじまじと見ながら、おばあちゃんはこう言った。
「ああ、あれに似ているね。デジカメに入れる……」
「メモリーカード?」
「そうそう!」
家にあったデジカメから、メモリーカードを取り出す。比べてみると、デジカメのカードのほうが大きいけど、形状はよく似ている。
「もしかして、これって……」
この中に、ダイくんに関するデータが入っているんじゃないか。
おじいちゃんは、研究所に出入りする人からダイくんを守るために、ここへデータをかくしたのかもしれない。
おばあちゃんは、すぐにお父さんへ連絡した。テレビ電話モードにして、例の小さなカードを見せる。
「おそらく、データの入ったカードだ。専用のアダプターを使って接続すれば、内容が確認できると思う」
ついに、ダイくんの謎が解けるかもしれない。ゲージを見ると、サムさんとたくさん話して疲れたのか、ダイくんはすやすやと眠っていた。
「内容を確認しないとなんとも言えないけど、そのカードにダイくんに関するデータが入っていることは、間違いないんじゃないかな。絵留のところに預けたら大丈夫だっていう発想が、とてもおじいちゃんらしい気がするんだ」
と、お父さんは言った。
おじいちゃんが、わたしに……。
わたしは、おじいちゃんが懐中時計をくれたときのことを思い出した。
「絵留、これはおじいちゃんの一番の宝物なんだ。ずっとずっと大事にしてほしい」
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