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POPY Novels ちび恐竜と絵留の日々
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ちび恐竜と絵留の日々(はじめてのお留守番)
第3話はじめてのお留守番

作: たかはしみか

絵: 井上恵美

前号までのあらすじ

言葉を話す恐竜のダイくんと暮らすことになった絵留。幼なじみの直也なおやがやってきて、ダイくんを見られてしまった。ところが、直也はダイくんについて何か知っているようで…。

「おじいちゃんから何か聞いてたの?」

わたしはダイくんをかくすのも忘れて、直也に聞いた。ダイくんは、わたしの手の中から首をのばして、わたしと直也の顔を交互こうごに見ている。
「そのうち、オレと絵留に恐竜の友達を紹介しょうかいしたいって。おどろかせたいから、絵留には内緒ないしょって言われてたんだ」
「それって、いつの話?」
「じいちゃんが亡くなる一か月くらい前かなあ。オレ、時々、じいちゃんとメールのやりとりしてたんだよ」
「そうだったんだ……」

うちにこなくなった直也は、わたしからも、わたしの家族からも、すっかりはなれてしまったのだと思っていた。おじいちゃんとはそんなふうにつながっていたんだ。
「まさか、本物だとは思わなかったな。おもちゃとか、ロボットとかのことだと思ってた。これ、本物だよな?」
「うん。ちゃんと生きてる。ね、ダイくん」

わたしは手を広げて、ダイくんを直也の目の前に差し出した。
「へえ、ダイくんっていうんだ。おい、元気か?」

ダイくんは、しばらく直也の顔を見たり、差し出された指に鼻先でれたりした後、
「よろしく」
とだけ言った。なぜか、直也にはちょっと警戒けいかいしているらしい。
「なんだよ、おまえ、かわいくないなあ」
「おまえ、じゃないよ。ダイくん!」

ダイくんはそう言うと、わたしにゆかに下ろすようにたのみ、自力でちょこちょこと仏間へもどっていった。
「なんか、感じ悪いなあ」

直也は不満そうだったけど、わたしはなんだかうれしかった。直也がダイくんのことを、うちの家族と同じように当たり前に受け入れているのが、うれしかったんだ。

秘密はもれてしまったけど、おじいちゃんが会わせるつもりだったなら、直也に知られてしまったことは、それほど問題ではないはずだ。家族以外で、この秘密の話をできる人がいるのも、なんとなくうれしかった。

それにしても、結局のところ、ダイくんの出生についてはなぞのままだ。

インターネットがつながってすぐに、お父さんとお母さんから連絡れんらくがあった。パソコンの画面上に二人の元気そうな笑顔えがおが見える。もちろん会話もできる。いわゆるテレビ電話だ。

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