「音楽」って何だろう?
わたしはいつも疑問に思う。
もちろん、国語とか数学みたいな、教科としての音楽なら知っている。でも、それとは違う意味を持つ「音楽」が、あちこちにあふれている。
テレビから流れてきたり、カラオケで歌われていたり。ああいうのも「音楽」?
クリスマスに、そこかしこで流れるジングルベル。あれだって「音楽」?
アイドルグループが歌う歌。
海外のロックバンドの演奏。
クラシックのコンサート。こういうのこそが「音楽」?
「音楽を趣味としている」とか、「音楽がないと生きていけない」とかって、いったいどういうことなんだろう。
きっと、「音楽」の定義は人によって違うのだと思う。そうなると、わたしにとっての「音楽」って、やっぱり教科の音楽でしかなかった。
去年の十二月までは。
クリスマス間近のあの日、わたしはおじさんとおばさんと、地域の小さなホールへ出かけた。いとこで高校生のサナちゃんが、軽音部の仲間と、クリスマスソングを演奏するというのだった。
そもそも、そういうことには一切興味がない。正直、めんどくさいなあって思ったけど、サナちゃんがどうしてもって言うから、行くことにした。
サナちゃんは、ほかの三人の女の子と一緒にバンドを組んでいた。四人とも、この時期にあちこちでよく売っている、サンタの服をワンピースにアレンジした衣装を着て、はじけるような笑顔で演奏していた。曲は、去年とか一昨年流行したクリスマスソングだった。楽器のことはよくわからないけど、ボーカルの女の子は結構うまいのかなと思った。
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