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POPY Novels 2
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ソラシ(同志)
第4話同志

作: たかはしみか

絵: 井上恵美

前号までのあらすじ

未来からきた不思議な石の忠告を聞かず、自分の空想の世界に閉じめられそうになった空志そらしは、自分が意外にも現実の世界に未練を持っていたことを知る。

ある放課後。

廊下ろうかを歩いていたら、後ろから呼びとめられた。

進路指導の松崎まつざきだ。
「おまえ、ちょっと進路指導室に来い。おーい、春日部かすかべ、おまえも来い」

なんなんだよ、急に。ぼくの都合はおかまいなしか。

心の中ではさんざん毒づいているくせに、松崎の背中を追うぼくの足は従順だった。そのななめ後ろを、春日部という名の女子が小さい歩幅ほはばでついてきていた。同じクラスになったのが初めてというせいもあるが、あいさつすらろくにしたことがない女子だった。

松崎が進路指導室のドアを勢いよく開けて、中へ入っていく。ドアが、すぐ後ろを歩いていたぼくの鼻先をかすめた。あいつのこういうところがいやだ。思わずしかめ面するぼくを、春日部がちらっと見ていた。

ぼくは無言で部屋へ入った。春日部はのなくような声で
「失礼します」
と言った。ぼくは沈黙ちんもくを守った。
「まあ、そこにすわれ」

すでに手前のイスにこしを下ろしていた松崎が言った。

ぼくは、なるべく春日部からはなれて座った。
「こないだ提出してもらった進路調査票のことで話を聞きたいんだ。悪いが時間がないから、二人いっぺんに聞くぞ」

なんだ、それ。

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