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POPY Novels 2
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ソラシ(未知なる世界)
第6話未知なる世界

作: たかはしみか

絵: 井上恵美

前号までのあらすじ

未来からきた石に空想を搾取さくしゅされている空志そらし。ひょんなことから春日部かすかべのノートを見ているうちに、空志は春日部の空想の世界へ入りんでしまった。

ぼくは、ふらふらした足どりで門の中へと入っていった。

これが、春日部の世界。

なんだか見てはいけないものを見るような気がして、最初はびくびくしていたが、そのうち興味のほうが勝ってきた。何しろ、おもしろそうなものであふれている。気になってしかたがない。

遠くに城が見えるから、ここは城下町のようだ。さまざまな店がのきを連ねているが、看板をよく見るとなんだか変わった店ばかりだ。
「歌屋」「意味屋」「しっぽ屋」「なぞ屋」などなど……。

中へ入ってみたい。でも、ぼくはお金を持っていない。何か買わなければ出てこられないような店だったらどうしよう。

勇気を出して、道を歩く人に声をかけた。
「すみません」

ぼくの声にり向いた紳士しんしの顔を見て、ぎょっとした。人間の顔ではなかった。ちゃんと服を着て二本足で歩いているのに、犬のような、ねこのような顔をしていた。しかし、この世界ではこれが常識なのかもしれない。ぼくはなるべく顔をじろじろ見ないようにしてたずねた。
「このあたりのお店は、買い物をしないで、中を見るだけでもいいのでしょうか?」
「そりゃ、構わないとは思いますが、あなた、たいていは買ってしまいますよ」

紳士は上品に笑って答えた。
「でも、ぼくはお金を持っていないんです」
「そうでしたか。この世界は初めてで? じゃあ、この商店街のはじにある、とんがり屋根の小さな建物にいってごらんなさい。あなたがいらないものを買い取ってくれますから」

ぼくは戸惑とまどいながらも、紳士の言うとおりにすることにした。

商店街のはじには、たしかにとんがり屋根の小さな建物があった。小さいだけでなく細長くて、まるで鉛筆えんぴつみたいだ。ほかの店とちがい、特に看板も出ていない。小さなとびらを、ぼくはおそるおそるした。

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