辰巳渚さんの 親だから伝えたい 話しておきたい 子どもへのアドバイス

2017.12.12

勝ち負けにこだわりすぎるとき

負けん気が強い子だと、勝ったときは機嫌がいいけれど、負けたときは周囲が困るような状態になってしまうときがありますね。きょうだいげんかでは、自分が勝つまでやめようとしない。友だちとのトラブルでも、謝れない。ゲームやスポーツでは、勝てばいばり、負ければ怒ったり泣いたりするから周囲から敬遠されてしまう……。だからといって「勝ち負けだけが大事じゃないんだよ」「努力することが大事なんだよ」などと正論を伝えても、子どもが納得できるとは限りませんね。勝ちたい気持ちは誰にでもあるし、成長につながる大切なこと。その点は尊重してあげればいいのではないでしょうか。そして、勝ったときや負けたときの振る舞い方を、ひとつひとつ教えていきましょう。自分のとった態度や言葉が、相手をどんな気持ちにさせるか、具体的に教えてもいいですね。勝ちにこだわる子は認められたい気持ちが強い場合が多いので、その子自身を否定しないように気をつけましょう。

三択シミュレーション こんなときどうする?

日常的なシーンをもとに、親の声かけについて考えてみましょう。

こんなときあなたならどう言いますか?

シーンを思いうかべて答えてください。

ゲームで友だちに勝ったあとに、はしゃぎすぎているとき、親はどう声をかける?

1 〇〇くん(相手)の気持ちも考えなさい

2 自分の勝ちに夢中になるのは恥ずかしいよ

3 今度は〇〇くんが勝つかもしれないよ

辰巳さんからのアドバイス

それぞれの選択肢に対する辰巳さんからのアドバイスを紹介します。

今まで自分では意識していなかった子どもへの接し方や、親として気をつけたいポイントが見えてきます。

「正解」を求めるのではなく、「気づき」の参考にしてください。

1 〇〇くん(相手)の気持ちも考えなさい

親はつい使ってしまいがちな言葉ですね。しかし、相手がかえって負けたことを気にしてしまうかもしれません。また、「相手の気持ちを考えなさい」では、子どもは具体的にどうすればいいのか、わからないかも。親が「〇〇くん、惜しかったよね」などと、声かけのお手本を見せましょう。そして、親子だけになったときに、相手の気持ちを考えるよう、「〇〇くんの気持ちも考えなさい」と静かに促しましょう。

2 自分の勝ちに夢中になるのは恥ずかしいよ

「勝つ」ことが悪いわけではありません。「勝つ」ことにこだわりすぎて周りが見えなくなることが、恥ずかしいことなのです。この違いを、しっかりと教えるために、「勝った勝ったと騒ぐのはみっともないよ」「相手に弱いとか言うのは、恥ずかしいよ」など、子どもの発言をたしなめるのも大事なことです。

3 今度は〇〇くんが勝つかもしれないよ

ゲームなのだから、何度でも楽しみながらやればいいですね。子どもが勝ちに夢中になっているなら、次のゲームに気持ちを切り替えるのはいい方法です。ごくストレートに「もう一回やろうか」「次は何をする?」などと提案するのもよいでしょう。

辰巳さんからの宿題:勝っても負けても上手にふるまえるかな?

勝ちたい気持ちが強い子には、年下の子といっしょに遊ぶ機会を作ってみましょう。親戚や、弟や妹の友だちが集まったときに「相手してあげて」と頼み、そのときに相手の子を思いやった行動がとれるように教えてみましょう。負けた子をはげます、自分が勝っても喜びすぎない、などができていたら、あとで「さすがね」などと褒めてください。
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