ちょっと驚くのは記憶力で、遺伝率は30%程度にまで下がります。記憶力なんて生まれつきと考えがちですが、さにあらず。後天的な工夫や努力で大きく変わりますし、復習のタイミングなど自分に最適な記憶法に気づくことは大切です。
たとえば、同じ30分学習するにしても、10分やって5分休むを三回くり返した方が(分散化した方が)記憶の定着がよく、また分散間隔を長くしていくのが効果的なことが知られています。記憶力がいいといわれる子の多くはそのことをなんとなく感じ取っていて、学習計画に反映させたりしているのです。
その代表格がDWM。DはDay、WはWeek、MはMonth。翌日、1週間後、1カ月後と分散させ、かつその間隔をあけていく学習計画法であったり、残り期間を6で割ったタイミングでの復習だったりするのです。また、何回くらいやれば覚えるのか、覚えにくいものを優先しようなどの工夫が遺伝に勝っていくのです。
認知心理学者のエリクソンは「優れた能力を発揮する人と標準的な大人の差は、遺伝子に決められた才能によるものではない。この差は、生涯にわたって行われる計画的な努力によって生じる」と言い、grit(気骨、意志力)がパフォーマンス向上に大きな役割を果たすことを実証的に示しています。また、心理学者ダックワースらは、綴り字の全国大会(漢字選手権のようなもの)に参加した190人のデータを分析し、才能競争のように見えるこの大会に勝利する者は、やはりgritの強いものであることを示しています。
努力は無駄ではないし、それどころか努力こそ最重要なのです。
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