俳句コンテスト2022

入賞作品の発表!

選者からひとこと

秋ならではの景色や行事、できごとなどから、ポピーっ子が感じた「秋」の俳句が日本各地から届きました。一句一句に、スポーツの秋や読書の秋、実りの秋を楽しんでいる様子や小さな秋を見つけた感動が表現されています。 みなさんのするどい感性におどろくとともに、ほっこりと心があたたかくなりました。季節の移り変わりを感じ、俳句にすることで心が豊かになります。これからも身近な自然や人々に心を寄せて、俳句を楽しんでくださいね。

■ 最優秀句(1年~6年部門)

秋空の下、流れるあせもいとわず一生けん命ボールを追いかけていると、その向こうに点々と、いわしぐも。青空高く、すみ切った美しい風景が目にうかびます。きらりとかがやいたのはあせだけでなく、がんばっている桃次郎さんですね。

秋空高く勢いよく飛んだホームラン。「そういえば今朝、新米食べた、やったぞ」と胸おどらせてホームへ。そんな場面があざやかによみがえります。新米にまでも素直に感謝し、大喜びの冬威さん。晴れ晴れとした感動が伝わります。

■ 優秀句(1年~3年部門)

どんぐりこまで楽しく遊んだ時を思い出して、また遊びたいと強く願っていますね。しかも、遊ぶ相手がだれでもいいのではなく、「りくにい」としたところに実感がこめられていて、この句をきわ立たせています。お兄さんが大好きなのですね。

赤とんぼがすいすいとすみ切った秋空の下を飛び回っています。友だちとかけっこ遊びをしていると、空でも赤とんぼが仲間たちとかけっこを始めました。思わず、「がんばれ」と応えんです。そんな様子が目にうかんでくる句です。

「ひらひらぱらり」という表現がこの句を引き立てます。ゆれながらまっていた葉が一しゅん止まったかのようにして、さらにまい落ちていく情景がありありとうかびます。自然に目を向け、細かなことにも心を動かす由梨奈さんですね。

秋の味覚のさつまいも。給食のこん立、それともお母さんの手料理かな。大好きなさつまいもを食べられて幸せだけど、「え!今日もさつまいも」とつい言ってしまう。「見ない日ないよ」に複雑な揺れ動く心境がこめられてさすがです。

「待ちに待ったあなたが生まれたのは、コスモスがさいているころ。うれしかったわ」という話を聞いて育ちましたね。たんじょう日が待ち遠しい幸来さんとそれを祝う家族の思いまで入った句ができました。読む私の心もほっこりです。

■ 優秀句(4年~6年部門)

赤とんぼがすいすいと飛び回っています。新型コロナウイルスの流行で生活が変わり、どこへ行くのも大変。赤とんぼの世界も同じかな。ながめていたら「たびを」とつい思いました。「ことしは」に自分と重ねて読んでいるのを感じます。どこへでも自由に行きたいですね。

ひがん花も赤や白や黄色などの色があり、そのさきほこる様子を「秋の花火」としたところがすてきです。確かに花火が夜空にぱっと開いた様子によく似ていて、「なるほど」と読む人の心にも伝わってきます。秋の一日を楽しんでいますね。

秋になると、毎年山に入り真葛探し。秋の日暮れは早いですね。あきらめようとした矢先でしょうか。「やっぱりあった」に苦労も吹き飛ばす実感がこもっていて、思わず拍手です。体験を素直に表現して、読み手にも同じ感動が伝わってきます。

紅葉の季節が始まると、どこからともなくやってくる赤とんぼ。それを「告げる」と表し、さらに「紅」と「緋色の」と重ねることで、秋の色を深く感じ取っている感動も表現しています。すばらしい秋の一句になりました。

家族で弁当を囲みながら談笑し、楽しいひとときを過ごす様子が表れたあったかい句です。道ばたを「紅い小径で」と表現したことでその場が際立ち、引きしまった句にしています。紅葉をながめながらの食事は、家族との楽しい思い出ですね。