「高校入試」って?

「高校入試」のこと、
実はよくわからない人もいるのでは?
高校入試のしくみを知って、
早めの対策を始めよう!

高校入試は大きく分けて2つ

 高校に行くためには、中3の3学期に高校がおこなう「入学試験(入試)」を受けて、合格することが必要だ。
 そして、高校入試は大きく分けて「一般入試」「推薦入試」の2つの種類がある。ここからは、その2つの違いと、高校入試に関する基本的な用語を確認していこう。

※以下、主に公立高校の入試について解説しています。

一般入試

 受験当日の学力検査(筆記試験)の結果が合否に大きく関わるのが、「一般入試」だ。
 一般入試の合否判定には、学力検査の他に調査書(内申書)が用いられることが多く、また、高校によっては面接があるところもあるよ。


学力検査 (筆記試験)

 中学校の定期テストと同じように、決められた時間の中でおこなわれるのがコレ。中学3年間で学んだことがどれだけ身に付いているか、テストによって判断されるんだ。
 問題は、中間テストや期末テストのように限られた範囲から出題されるのではなく、中学1~3年で学んだすべての範囲の中から出題されるので、しっかりと対策することが必要だ。
 教科は、普通科の一般入試では、国語・社会・数学・理科・英語の5教科のところが多く、それぞれの時間はだいたい40~50分くらいのところが一般的。
 試験は、ほとんどがその高校の校舎でおこなわれる。キミの中学校だけでなく、他の中学校からも、その高校に行きたい人がたくさん集まってきて、一斉に試験を受けるんだ。

調査書 (内申書) 

 キミが中学校の3年間をどんなふうに過ごしたかが記録されている書類がコレだ。そして、「調査書点(内申点)」とは、調査書に記載される成績のこと。調査書点の算出方法は、都道府県によって違うから注意が必要だ。ポピー高校入試情報サイトの「県別選抜方法」に、各都道府県の調査書点の算出方法なども載っているから、参考にしてね。
 調査書に載る情報はさまざま。5教科だけでなく、技術・家庭や美術、保健体育、音楽などの副教科の成績や、中学1・2年のころの成績、学校への出席の様子など、いろいろな情報が書かれているんだ。高校入試では、調査書も合否に関わる大事な資料なんだよ。

調査書に記載される項目の例
・各教科の成績
・学級や生徒会委員の担当経験
・学校行事の活動状況
・部活動や学校内外での活動実績
・出席日数
・欠席日数
・特別活動

推薦入試

※地域によっては、「前期選抜」や「特色化選抜」などの名前で、特別な入試としておこなわれる場合があります。また、推薦入試をおこなわないところもあります。

 学校長や自分での「推薦書」が必要な「推薦入試」は、調査書の評価が合否に大きく関わる。そもそも調査書点が低いと推薦入試を受けられない恐れもあるので、推薦入試では特に調査書点対策が重要だ。
 試験内容は高校によってさまざまだけど、筆記試験による学力検査がないことが多い。その代わりに、作文・小論文面接」「集団討論実技検査などの試験があって、それらの結果と調査書点を合わせた総合評価で合否が決まる。一部では学力検査がある学校もあるので、「知らなかった!」なんてことのないように気を付けよう。また、推薦入試は、一般入試よりも1か月ほど前におこなわれることが多いんだ。


作文・小論文

 似ているようで違うこの2つ。「作文」は、自分の意見や感じたことを主観的に書くのに対し、「小論文」は、客観的な事実や根拠を示しながら自分の意見を述べるもの。原稿用紙の使い方はもちろん、作文と小論文それぞれの書き方のポイントや、よく出題されるテーマを知って対策することが必要だ。

面接

 一般入試でもおこなわれることがある面接。筆記試験では判断しにくい、コミュニケーション能力や熱意、また、その高校の求める人物像に合っているかどうか、入学後に伸びる力がありそうかなどを判断するんだ。面接の形式はさまざまで、受験生1名に対して面接官1~3名が面接をする「個人面接」や、受験生2~6名ほどがグループになって、面接官と面接する「集団面接」などがある。
 よく聞かれる質問は「志望理由」「高校で頑張りたいこと」「将来の夢」「自分の長所や短所」など。しっかりシミュレーションをして臨もう。

集団討論

 一部の高校でおこなわれる集団討論。与えられたテーマについて、受験生5人ほどで30分程度話し合う中で、コミュニケーション能力や協調性、思考力・判断力・表現力などが評価されるんだ。自分の考えを押し通すことや、相手を論破することが目的ではなく、相手の考えを理解しながら自分の意見をしっかり述べること、グループ全員の意見を共有・尊重・整理しながら、議論をよりよい方向へ進めることがポイントだ。

実技検査

 体育系、美術・デザイン系、音楽系などの学科の推薦入試でおこなわれることが多いのがコレ。運動能力の高さや、技術の高さ・正確性、表現力などを見るためにおこなわれるよ。

気になるギモン①
学力検査と調査書、どっちが大事?

結論から言うと、学力検査も調査書も、どちらもとても大事。
高校入試では、どちらも合否を判断するための重要な資料になるので、たとえば「受験当日の学力検査が満点なら、調査書は関係ない」なんてことはない。ただ、受験する地域や高校によって、学力検査と調査書のどちらを重視するかという比重は違うので、事前にしっかり調べよう。

気になるギモン②
調査書点対策は、入試の直前だけで大丈夫?

これは間違い!調査書点は、どの学年のものが掲載されるか、また、どの学年が重視されるかは、都道府県によって違うんだ。中1の調査書点から利用されるところもあるので、自分の住んでいる地域の情報をよく調べること、また、早いうちから対策をすることが大切だよ。

気になるギモン③
入試問題は、どこの高校も同じなの?

まず、高校には、国や都道府県立などの「公立高校」と、それ以外の「私立高校」の2種類がある。公立高校の場合、同じ都道府県内では、学力検査に出される問題はほとんどの高校で同じで、入試がおこなわれる日も同じなんだ。一方で私立高校の場合は、それぞれの学校ごとに違う問題が出されるし、入試がおこなわれる日も異なることが多いよ。

 高校入試を制するには、まずは高校入試についてよく知ることが第一歩!
 早めに情報を集めて、対策をすることで、志望校の選択の幅も広がるんだ。

 中3になったら、どの高校を受験したいか、一般入試と推薦入試のどちらで受けるのか、また、両方を選ぶのか、よく考える必要があるよ。
 高校、そしてその先の将来に向けて、早めのスタートダッシュを切ろう!