祖父母に子育ての強い味方になってもらう10の心得とコツ

祖父母に子育ての強い味方になってもらう10の心得とコツ

じぃじ・ばぁばとのよい関係

育児の方針を共有しながら、じぃじ・ばぁばにも子育ての味方になってもらうには?ママもばぁばも経験したプロがコツをお伝え!

子育てには、時間のやりくりを求められることや予想外のハプニングがつきもの。そんなとき、大いに頼りになる存在が“じぃじ・ばぁば”です。育児の方針を共有しながら、じぃじ・ばぁばにも、育児の味方になってもらう方法とは? 2人のお子さんを育てあげ、今では2人のお孫さんのばぁばでもあるNPO法人 孫育て・ニッポンの棒田明子さんに、祖父母世代との関係をスムーズにするための考え方やコツを教えていただきました。

棒田 明子(ぼうだ あきこ)さん

棒田 明子(ぼうだ あきこ)さん

NPO法人孫育て・ニッポン 理事長、「3・3産後サポートプロジェクト」リーダー、防災士。「母親が一人で子育てを担うのではなく、家族、地域、社会で子どもを育てよう」をミッションに「子育て、孫育て、他孫(たまご)育て」の講演、プロジェクトを行う。

祖父母 つきあい コツ

祖父母世代との関係をスムーズにする「おつきあい10か条」

子育て中にじぃじ・ばぁばのサポートがあると、パパ・ママに心の余裕が生まれます。特に、子どもの“やりたい”や“自分で”が始まるイヤイヤ期には、じぃじ・ばぁば祖父母の見守りが大きな支えになるでしょう。「一緒に公園に行ってもらっただけで助かった」「少しの時間でも預かってもらえてホッとした」という声も少なくありません。
ただし、関係がこじれないようにするためには「ちょっとした気遣い」がとても大切です。

長年育児情報誌やサイトの編集に携わってきた棒田さんが、多くの子育て世代の声・祖父母世代の声をもとに考えられた「じぃじ・ばぁばとのおつきあい10か条」を紹介します。

~じぃじ・ばぁばとのおつきあい10か条~

1.頼りすぎない

「お願いする」と「任せきる」は違います。 “協力してもらっている”ということを忘れないようにしましょう。

2.じぃじ・ばぁばの生活や体力を気にかける

「親はいつまでも元気」と思いたいけれど、年を重ねると衰えも出てくるもの。まずは、無理がないかの確認を。ちょっとした気遣いが、お互いの安心につながります。

3.気持ちはきちんと言葉で伝える

感謝の気持ちを言葉で伝えていますか? 家族なのだから当たり前と思わずに、丁寧な言葉をかけ合うことが重要です。「ありがとう」「忙しい中、ごめんね」を口にすることで、互いの気持ちもぐっと和らぎます。

4.今と昔の子育ての違いを予め知っておく

育児の常識は時代と共に常に変化しているので、じぃじ・ばぁばの言うことがお医者さんや保健師さんの指導と違うなどというのは、よくあります。例えば、以前は「離乳食を始める前に果汁を与えるように」といわれていましたが、現在では必要ないとされています。「抱きぐせ」「うつぶせ寝」「日光浴の推奨」などもそうですね。予めこういったことを知っておくと、やりとりがスムーズになります。「(保健師さんによると)今はこうなっているんだって」などと、丁寧に伝えてあげられるといいですね。

5.育児方針やしてほしくないことは、早めに伝える

してほしくないことがある場合は、早めにきちんと伝えることが大切です。「私たちはこういう育児方針にしたいと思っているから、できればこうしてもらえるとありがたい」「お医者さんや保健師さんにこのように指導されたので、理解してもらえたら助かる」と“お願い”の形で伝えるのがコツです。理由も添えてお願いすれば、じぃじ・ばぁばも受け入れやすいでしょう。

6.子どもを預けている時の過ごし方は任せる

「ジュースを飲ませた」「テレビの見すぎ」など、預けている間の子どもの過ごし方について、つい文句を言ってしまっていることはありませんか? これは「パパ・ママと離れた孫が寂しがらないように」とのじぃじ・ばぁばの優しさの現れかも。少し寛容になってみて。

7.子どものじぃじ・ばぁばを敬う気持ちを育む

子どもはパパ・ママの姿をよく見ています。パパ・ママがじぃじ・ばぁばをいたわる態度を見せたり、「じぃじがゆっくり歩いているのは、何十年も頑張ってきたからだよ」と伝えたりすることで、思いやりの心が芽生えます。

8.それぞれのスタンスに応じた関わりを

「かわいい孫とたくさん関わりたい!」というじぃじ・ばぁばもいれば、「仕事や趣味など、自分の時間を大切にしたい」という人もいます。無理に子育てに巻き込まず、それぞれのスタンスを尊重しましょう。

9.「孫はみんな平等」を前提にしない

きょうだいやいとこ同士でじぃじ・ばぁばの対応に差があることも。でも、「初孫のときは働いていたけど、今は年金生活で…」など事情がある場合がほとんど。「してあげたくてもできない」背景にも思いを馳せてみて。

10.サポートには意見がついてくることも

じぃじ・ばぁばからサポートしてもらった場合は、何かしらの意見や助言がついてくることも。サポートをお願いするかわりに意見にも耳を傾けるのか、「お世話になります」と予めお礼をお渡したりして、パパ・ママがお願いしたことをやってもらうという形にするのか考え、心づもりをしておきましょう。

家族みんなで充実した子育て期を過ごそう!

「じぃじ・ばぁばとのおつきあい10か条」はいかがだったでしょうか?
子育てをはじめとして、じぃじ・ばぁばとの関係には少なからずギャップがあります。でもそのギャップは、お互いを理解すること、気遣いを忘れないことで埋めることが可能です。

「祖父母とのおつきあい10か条」を参考に、距離感を調整してみましょう

意見が違っても、まずは伝え方を工夫してみましょう

感謝の気持ちを、ことばや形にして伝えていきましょう

棒田さんは「祖父母と接することは、育児を通して多様な価値観を育む大切な機会」と語ります。違う価値観を持った人たちが、子どもという存在を軸に、思いやりや信頼を育んでいけるのは、とても尊いことです。
子どもが育つ環境をよりよいものにするために、世代を越えて手を取り合える関係を目指していきましょう。

子育てに正解はありません。でも、“じぃじ・ばぁば”という味方がそばにいてくれること。それ自体が、子どもにとって大きな安心とまなびになるのです。

文/那須由枝 イラスト/シュクヤフミコ 編集協力/東京通信社

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