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夏の感染症 予防とおうちでできる症状別ケア

夏の感染症 予防とおうちでできる症状別ケア

必見!ヘルスケア

家族みんなの健康のために、知っておくと安心なヘルスケア。今回は、夏に気をつけたい感染症について考えます。近年、夏に流行する感染症としては【手足口病・ヘルパンギーナ・RSウィルス・プール熱・流行性結膜炎】あたりが挙げられます。

RSウィルスは、冬の感染症と言われていましたが、この数年で、なぜか夏にも流行が見られるようになってきているそう。反対に、プール熱や流行性結膜炎は、昨年の冬に大流行しました。

一度かかったらこの夏は安心、ということでもなく、家族内での感染や、場合によっては同じ時期に繰り返しかかる場合もあります。

今回は、夏の感染症について小児科医の、宮野孝一先生にうかがいました。


Q.宮野先生 教えて!もっともオススメな夏の感染症の予防策は?


アルコール消毒

手洗い・うがい

太陽を浴びる

たんぱく質を多く摂る

答えは


予防対策には「手洗い・うがい」がもっとも効果的!


夏の感染症へのもっとも効果的な予防対策は、「手洗い・うがい」です。

その他の有効な対策も含めて、順番に紹介します。

  • 手洗い・うがい
  • おもちゃやドアノブの消毒(次亜塩素酸ナトリウム)
  • 部屋の温度を26~27℃程度に保つ
  • 生活リズムを整える(早寝早起き、バランスのとれた食事)

手洗い・うがい

イラスト/おおたきょうこ

手足口病やヘルパンギーナの原因となるコクサッキーウィルスやエンテロウィルス、また、アデノウィルスなどはアルコールに強く、あまり効果がありません。

夏の感染症は、飛沫(くしゃみ・せきなど)、接触、噴口(排泄物の処理など)からの感染のため、定番中の定番ですが、手洗い・うがいをきちんとすることがもっとも大切なのです。

おもちゃやドアノブの消毒

接触感染を防ぐために、子どもがよく触る、おもちゃや、ドアノブなどの消毒も有効です。この時も、やはりアルコール消毒よりも、次亜塩素酸ナトリウムや、薄めたハイターがよいでしょう。

部屋の温度を26~27℃に保つ

外と中の温度差が大きいと、体には負担がかかります。ただ、近年の暑さのなか、冷房を使わずに過ごすのは現実的ではありません。冷やしすぎに気をつけて、26~27℃をキープするのがおすすめです。夜間も熱帯夜が続く期間などは、無理して冷房を切るのではなく、温度を高めに設定してつけているほうが、睡眠の質もよくなります。

生活リズムを整える

暑さに加えて、夏休み中はとくに生活リズムが乱れがちですが、感染症予防対策の観点からは、生活リズムをいつもどおりに整えて過ごしたいもの。早寝早起きと、バランスの取れた三食を心がけましょう。なかでも、ビタミンCを意識して摂るのがおすすめです。


夏の感染症~原因と症状~


《手足口病》原因と症状

◇原因

腸の中にいる、コクサッキーウィルスA16や、エンテロウィルス71が原因です。鼻水やだえき、便などから感染します。

◇症状

主に、手のひらや足の裏・足の甲、口の中に、水疱性の発疹が出ます。とくに口の中やのどにできると、飲食を痛がることも。水疱を痛がゆがってかき、そこからとびひになることも。

《ヘルパンギーナ》原因と症状

◇原因

コクサッキーウィルスA群が主な原因です。鼻水やせきといった飛沫感染の他、便にいるウィルスから経口感染します。

◇症状

39℃前後の高熱が3日ほど続きます。のどの奥に水疱が多くでき、痛みを伴います。2~3日でつぶれますが、その後、一週間程度は痛みが続くので、飲食しにくいことが多いです。

《RSウィルス》原因と症状

◇原因

RSウィルスによって引き起こされる、呼吸器の感染症。手指などの接触感染、せきやくしゃみの飛沫感染が主な経路です。冬に流行しやすい感染症でしたが、ここ数年で、春から初夏にかけて増加し、6・7月ごろにピークを迎えています。

◇症状

熱と鼻水が数日続き、多くは軽症で済みますが、時にせきがひどくなり、肺炎になることも。

《プール熱》原因と症状

◇原因

アデノウィルスによる感染症。感染力が非常に強く、手指や、くしゃみ・せきなどの飛沫感染のほか、感染者の目やにや便から感染します。病名は「咽頭結膜熱」と言いますが、感染者がいるプールの水から感染することが多いため、プール熱ともよばれます。

◇症状

39℃前後の高熱とのどの痛み、結膜炎での目の充血や目やにが強く出ることが多いです。その他、腹痛や吐き気、食欲がない、頭痛、首リンパの腫れといった症状が出ることも。

《流行性結膜炎》原因と症状

◇原因

プール熱と同じく、アデノウィルスによる感染症です。感染力が強いため、「はやり目」とよばれることも。

◇症状

まぶたの腫れ、涙や目やにが出る、白目の充血などの他、目に膜が張る場合もあります。片目に発症したのち、反対の目に症状が出ることもあります。


夏の感染症~家庭での症状別ケア~


症状ケア(1) 熱が高い場合・熱が上がっている途中

熱が高い時は、首、脇、足のつけ根など、太い動脈が通っているところを冷やしましょう。つらそうな時は、解熱剤の活用を。また、熱が上がると皮膚からも水分が出ていくので、OS-1やお茶をこまめに少しずつ飲ませて、脱水を防ぎましょう。

覚えておきたいのが、高熱の時には、まれにウィルスが脳に移行し、髄膜炎・脳炎を起こす場合があることです。高熱が続き、意識状態に違和感があったりけいれんを起こしたりするような時は、ちゅうちょなく、病院を受診してください。

一方で、熱が上がっている途中で、寒がる時には、全身のほか、とくに手足が冷たくなりやすいので、手足を温めるのがおすすめです。

症状ケア(2) 口内の発疹が痛む場合

口の中の水疱には、口内炎のぬり薬を使用する場合も。痛み止めが処方されることもあります。食べられるのであれば、ゼリーやアイスクリームなど、軟らかくて味の薄い、刺激のないものを。無理に絶食したり、食べさせたりする必要はありません。

症状ケア(3) 嘔吐・下痢がある場合

もともと腸に多くいるウィルスのため、胃腸炎のような症状が出る場合も。嘔吐よりは、痛みから食べ物を吐き出してしまうことがあると考えておきましょう。下痢が続く場合、便からもウィルスが排出されるので、おむつの処理や、子どものトイレの対処には十分に気をつけましょう。症状が治まってからも、2~3週間は、便からウィルスが排出されます。

そのほか、家族間での感染を防ぐために、タオルを共有しないことも大切です。


ふだんの生活から予防対策を取り入れて、この夏も元気に過ごしましょう!

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