カメラマン・矢部ひとみさん 「撮影を人の交流が生まれるような場にしたい!」
キラキラママ・パパ
子育ての経験を生かしてますます輝くママをご紹介!カメラマンの矢部ひとみさんにお話をうかがいました。
カメラマンの仕事を通じて「子どもっておもしろい!」と感じた
学生時代、お気に入りの雑誌にカメラマンのクレジットが載っているのを見つけたことが、この仕事との最初の出会い。友だち同士でインスタントカメラを使って写真を撮ることも多く、撮った写真をプレゼントすることが好きだったという矢部ひとみさん。高校を卒業する頃には、カメラマンを仕事にしたい!と、写真を学ぶ学校に進学しました。
撮影会社に就職したのち、仕事の中でも特に子どもの写真に興味を惹かれ、保育園・幼稚園で子どもを撮るムック本の連載をもつなど、どんどん子ども関連の仕事が増えていきます。
子育てを経て独立。自分がフリー向きだとは思っていなかった
撮影会社には、学生の頃も含めて10年ほど勤めていたそう。当時、女性社員もいましたが、産休・育休を取得するまで在籍したのは矢部さんが初めて。よい塩梅を探りながら時短で復職したものの、子どもが体調を崩しやすい時期なのもあり、職業柄フレックスだったため、会社員として働くことを見直す機会になりました。
「もともとは、自分は会社員の方が合っていると思っていた」と話す矢部さん。でも、会社所属と言っても「矢部さんに」と指名で依頼をいただくことが多かったので、「フリーになってもやっていけるかな?」と、だんだんとポジティブに捉えるように。加えて、周りのフリーの方の後押しもあり、子どもが少し成長したタイミングで、独立に踏み切りました。
Neem Treeで、人と関わる機会がグッと増えた
Neem Tree(ニームツリー)は、ママ雑誌『Neem』という雑誌をきっかけに発足したチームです。主宰は編集長さん。子どもが同学年で、同じタイミングで独立したことや、子育ての悩みなどに共感する部分が多く、お誘いに乗る形で、スタジオとしてのNeem Treeも立ち上げ、一緒に仕事をすることになりました。
写真館の役割も担うNeem Treeは、お客さんにゆったりとリラックスしてもらい、会話をしながら撮影していく雰囲気。
会社員時代は、社外の方と仕事以外の話をすることはそう多くはなかったそうですが、「フリーになってからは、スタッフさんやお客さんとも直接連絡をとります。仕事の他にも色々な話をするなど、親しくする時間が増えたことが独立して良かったことの一つ」とやわらかい笑顔を見せてくれました。
コロナ禍で集まるのが難しい時期にも、周りには起業したり、次のステップに進んだりするママがいたので、Neem Treeのメンバーと協力して、配信やイベント企画などを行っていたそうです。
そんな期間を経て、オンラインが普及して場所を固定せずに働く選択肢ができたこともあり、Neem Treeスタジオは、今年の5月に一度閉めることに。
メンバーとは今後も集まったり活動したりしていく予定だそう。各々の活動の場が異なるので、そこで得た情報などを持ち寄って、新しいことに取り組むのも楽しみなんだとか。
協力して作り上げることの魅力
料理や対談、お店取材や学校案内の学生インタビュー、インテリア、楽器など、幅広いジャンルで撮影をこなす矢部さんですが、その中でも好きなのはやっぱり子どもの撮影!お子さんが生まれてからは、子どもの撮影がより多くを占めるように。
インパクトがあった撮影は、子ども関連の企画で、自分の子と一緒に海外ロケに行かせてもらったことだそう。一般の会社員ではなかなかできない貴重な経験ですね。
独身時代から、子どもの撮影をおもしろく感じていましたが、子どもが生まれてからは、親の視点をもてるようになり、「泣いている表情もかわいいんだよね~」と思ったり「せっかく撮りにきたのだから!」と一生懸命の保護者に声をかけたり、にこやかに待ったりする余裕も増えたような気がする、と矢部さん。
“お母さんカメラマン”として、「ママカメラマンの写真講座」といった連載企画を依頼されたことも。
子育てを経て会社員から独立したことで、仕事の幅が広がるとともに、以前からの仕事でも奥行きが加わっているようです。
今後やりたいのは、またスタジオを持つこと。写真館としても活用しながら、他のスタッフさんと一緒に取材記事を作るなど、だれかと一つのものを作っていくことに、改めて意欲を燃やしています。
それは、会社員を経て、Neem Treeでメンバーとやりとりを重ね、お客さんと会話を通して撮影していく経験をしたことで、チームで作り上げる感覚が良いなと実感したからだそう。スタッフそれぞれの持ち場で、プロの姿を感じられるところも好きなんだとか。
展望としては、矢部さんのお子さんが中学生になったこともあってか、さまざまな職業の人の仕事を記事として発信する、「読める職業体験」を作ることに、今興味があるそうです。
「地域の仕事を受ける機会もあるので、実現に向けて働きかけるなど、仕事を受けるだけはなくて、仕事を生み出す側になれるような流れを作っていきたい」と矢部さん。
誰かの生の声を聞いて、必要とする人に届けられる、そんなあたたかい場を作ろうと、夢は膨らみます。
矢部ひとみさんのSNSはこちら ↓↓ HP:https://yabehitomi2.wixsite.com/friluftsliv Instagram:@hitomiyabe_photo |