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【第3回】高校教員をしながら、漫画家としても活躍! パパ頭さん

【第3回】高校教員をしながら、漫画家としても活躍! パパ頭さん

キラキラママ・パパ

高校教員も漫画家の仕事も「好き」が始まり


写真・画像提供/パパ頭さん(以降、すべて)

現役の高校教員をしながら、育児や奥さんとのエピソードを漫画にして、SNSで発信しているパパ頭さん。「パパ頭」は、漫画家としてのペンネームです。

大学時代は漫画研究会に所属していたほど、もともと絵を描くことが好きだったそうで、そこで出会った奥さんとの間に、長男・ににくん(7歳)が誕生します。

ににくんの育児を通して、夫婦の関係性がそれまでよりも一段、質が深まったように感じたことがきっかけとなり、X(旧 Twitter)に育児漫画の第一作目を投稿したのが始まりでした。

「いざ子どもという存在を前にして、妻と育児体験を共有・苦楽をともにした時に、今までなかった目線や感情、やりとりが日々のなかで行われるようになり、おもしろさや新鮮みを感じて、この時の気持ちを記録にしておこうかなと思ったんです」と語ります。

更新頻度は基本的に週1回以上がめやす。ほぼ毎日、何かを描いているそうです。

SNSの総フォロワー数16万人以上を擁するパパ頭さんですが、現役高校教員でもあります。

担当科目は「倫理」。

教師歴10年以上のベテランですが、いつも計画や意図した通りに進むわけではありません。生徒が楽しめるようにと授業を組み立てますが、いざ蓋を開けると「聞いていない…」「寝ているな~…」と肩を落とす日も。

教員としての仕事は授業のみに留まりません。生徒から帰宅間際の時間に「先生、ちょっといいですか?」と声をかけられ、「そろそろ子どものお風呂や寝かしつけの時間になるな」などと思いながらも、生徒の様子から「今」を逃してはいけないと直感、そこから相談が始まったことも。

そんな対人仕事ならではの大変さもある一方で、生徒が関心をもって授業を聞いてくれたり、卒業後に「あの時は話を聞いてくれてありがとうございました」と言われたりするのが嬉しく、やりがいを感じているそうです。

高校教員と漫画家の二足のわらじを履き、育児も奥さんと二人三脚体制。

仕事の繁忙期は時間との闘いになることも。それでも「どれも自分が好きでやっているので贅沢な話です」とほほえむパパ頭さん。

そんな目まぐるしい日々の一番の息抜きは、奥さんと遊ぶことだとか。

お互いにゲームが大好きなので、一緒にしたり、絵を描きながら、隣で奥さんのゲームを時折ながめたりするそうです。

漫画内からも仲良し具合が伝わるお二人(左が奥さん、右がパパ頭さん)

漫画家として、教員や親として心がけていること


お話から「人が好きで、向きあうことを大切にする」姿が見えるようですが、そんなパパ頭さんに、心がけていることをお聞きしてみました。

漫画を描く時に気をつけているのは、言葉や表現を、読み手がどのように受け取るか?と想像する視点を常にもつこと。SNSで発信するということもあり、どのような状況で漫画が読み手の目に触れるか、知る機会は多くはありません。それに、育児は人によって見え方や感じ方が異なり、どちらかと言えばストレスを抱えがちな側面があります。そこを、よりしんどい気持ちにしてしまうかもしれない表現は、できるだけ避けているそうです。

漫画も好きで始めたものなので、見返りを求めているわけではありませんが、DMやコメントで読者から感想をもらうと、やはり嬉しいもの。ともすると共感を得られることによって、問題そのものの解決には至らなくてもちょっと心強く励まされるような想いになる気がする、とパパ頭さん。

読者からのコメントで「自分だけじゃないんだな」と思う場面もあるそうで、漫画を読んだ方も、きっと同じ思いなのではないでしょうか。

また、学校や家庭で子どもたちと関わる時には、「相手の成長を手助けし、より良きように導くこと」と、「指導する時に自分の価値観や思想を期待しすぎないようにすること」を大切にしているそうです。

生徒たちはもちろんのこと、家族であっても当たり前に性格が違って、同じことをしていても見えている景色が違うところがおもしろいと、パパ頭さんは話します。最近は、長男・ににくんが地球儀や、海外が舞台の絵本を読んで興味をもっている姿を見て、いつか一緒に計画を立てて、行ってみたいそうです。

忙しい日々でも、人を大切に向き合う姿勢や、新しい地に実際に足を運ぶおもしろさを共有したいという思いを感じます。

仕事を通して人とめぐり逢うチャンスが増えた


仕事を通してたくさんの出会いがあり、高校教員の仕事はもちろん、漫画家としての仕事でも色々な人との縁ができたり、講演会で講演する新たな仕事につながったりするなど、活躍の場が広がっています。

地方での講演会では、子どもが楽しめる施設を見つけて、後日、あらためて家族で体験や遊びに行くことも。そこで話したり聞いたりして、知らなかった景色を見られるのは、新鮮で楽しいもの。

時には、その新しい知識や経験が、高校の授業で役立つ場面も…。文字情報だけでなく、実体験を伴った説得力のある話を生徒にできることが多くなったとのことです。

育児はメガネのレンズによって変わる


最後に、仕事とプライベートのバランスを上手に取るための考え方を聞きました―。

こと育児では、起こっている事実が同じでも、自分のコンディションによって捉え方が左右されます。例えるなら、メガネのレンズがきれいな時は良いけれど、曇っている(疲れている)時は美しく見えなかったり、イライラしたり悲しくなったりすることがあるのかな?と思っています。

だからこそ、子どもやパートナーとの関わりでうまくいかない時には、景色が悪いせいではなく、自分のレンズ(コンディション)をきれいに保つことに目を向けて、自分を大事にするようにしています。

教育とは他人を大事にする仕事とも言えますが、他人を大事にするには、まずは自分を大事にすることから。相手に割くリソースが残っている方が、他者にも優しくできる傾向にあるように思います。

子どものことで気を揉むことも多いでしょうけれど、少し自分の優先順位を高めても良いのかなと、自分にも言い聞かせつつ…読者の方もそんな時間をもてますように。


「関わる人と丁寧に向き合いたい」という思いが、どのエピソードからもにじみ出ているパパ頭さん。今後のご活躍も楽しみですね!

パパ頭
妻と7歳、4歳の男の子の4人家族。現役の高校教員かつ、SNSで妻子との日常を漫画で紹介中。著書『パパが育休とってみたら妻子への愛が深まった話』(KADOKAWA)好評発売中!
X:@nonnyakonyako
Instagram:@papaatama

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