
ヨガインストラクター・渚さん ヨガでつながる身体と心。親子で楽しめるヨガ教室を運営!
キラキラママ・パパ
親子でいっしょに楽しめるヨガを指導するヨガインストラクターの渚さんにお話をうかがいました。
おもちゃの営業職からヨガインストラクターへ

大学を卒業後、おもちゃ業界に就職して営業として活躍していた渚さんは、結婚を転機に新たなキャリアを模索し始めます。そして選んだのはヨガの世界。小中高では新体操、大学ではジャズダンス、と身体を動かすことが大好きだった渚さんがこの道に進んだのは自然な流れだったのかもしれません。
ヨガインストラクターとしてスタートを切った2000 年初頭は、美容をコンセプトとするヨガが隆盛の時代。ポーズやカリキュラムの進め方を勉強すれば、渚さんのようにヨガに触れたことのない人でも指導者になることができたそう。
渚さんも大手ヨガスタジオのスタッフとして経験を積み、その後フリーランスとなり、複数のヨガスタジオで指導にあたるようになります。その後も師と仰ぐヨガの先生との出会いを通じ、ますますヨガへの関心が深まっていきました。
気軽な気持ちで始めたヨガでしたが、子育て中のママさんの笑顔を、そして自身の人生を導くものになるとは思いもしなかったと渚さんは笑います。
「ママによる、ママのための、ヨガクラス」を立ち上げる

2006年に「ヨガ愛好会Beyond」としてご自身の教室を開講。
毎回の生徒は3人ほどのパーソナルなレッスンクラスで、公民館の一室を借りたアットホームな教室でした。これまでに指導してきた「汗をかくことを目的とするアクティブなヨガ」から一転、「心や自分の身体と丁寧に向き合う、本当に目指したかったヨガ」に夢中になって取り組みました。
開講から4年後、渚さんに再び転機が訪れます。それは自身の妊娠と出産でした。
その頃、ちょうど教室にも出産を控えたママがいて、“妊娠してもヨガを続けたい”という思いを受けて、マタニティクラスや親子クラスを新設することに。指導内容を考えるにあたっては、過去に受けた講習が役立ったとか。
「妊娠前に親子向けヨガのクラスを訪問したことがありました。みんなで楽しくレッスンをやっているかと思ったら、泣いている赤ちゃんをよそに、一生懸命ポーズをとるママさんの姿が。“これは本当にみんなが楽しいヨガなのか?”と疑問を感じてしまいました」
その記憶をヒントに作り上げたのが、単なる子ども連れOKではなく、子どももちゃんと楽しめるような工夫を凝らしたレッスンクラスでした。その際、子どもの年齢の壁をどうやって乗り越えるか、ずいぶんと知恵を絞ったそう。
「例えば、お母さんがコントロールしやすい乳幼児なら、抱っこを交えたポーズをメインにしながら全体を構成できます。また、子どもたちが3歳くらいを超えてくると、“ライオンのポーズだよ”とか“お星さまのマネをしようね”といった呼びかけにも反応してくれるのでレッスンもやりやすくなります。子どもの成長段階に合わせて、親子で一緒に身体あそびを楽しみながら絆が深まるヨガレッスンを考えています」
さらに親子クラスではママも安心してヨガと向き合える時間を作れるように、子どもたちを見るアシスタントスタッフを入れる、という工夫も。子どもたちも一緒に楽しく、ママもリラックスして解放されてほしいという渚さんの願いが込められています。
目指すのは親子の身体と心をつなげるヨガ

ポーズをとることよりも、まずは身体を動かすことの爽快感を得ることを重視した親子クラスでは、子どもたちが楽しくあそべるおもちゃや、赤ちゃんがご機嫌でいられるバウンサーやプレイマットなどがたくさん並べられています。
「子どもと体操教室に通ったり、身体を使って一緒にあそんだりしながら、子どもがどんなことに目をキラキラさせるのかを知る。自分の子育ての経験も活きたと思いますね」と話す渚さん。
「歌で気持ちを惹きつけたり、シーンの切り替えをスピーディにしてワクワクさせたり、”なにそれ?”と興味を示すような小道具を使ったり、動いてエネルギーを発散させてから座らせたり。身体と心をひとつにする・繋げるというのがヨガの魅力でもあります。そういう意味では、ママと子どもが一緒に身体を動かすことで、笑顔がどんどん増えて、心の絆も深めてくれることが1番大切だと思っています」

親子クラスの発足から数年、渚さんのヨガ教室は、ヨガという枠を飛び越え、子育てに笑顔をもたらす不思議な空間になっているようでした。現在、渚さんのヨガへの向き合い方に賛同し、専門的な指導ができる優秀なインストラクター13名が在籍しており、多くのクラスが開講。親子クラスは渚さんの想いを継ぐ他のインストラクターが担当しており、多くの生徒さんが楽しく通われています。
「ここでママ友ができました」「天気やおむつ替えを気にせずに子連れで来られる場所があるだけでもありがたい」「“渚先生と一緒にヨガやるよ”って子どもに言うと、素直に動いてくれます」という生徒さんの声を聴くたびに、渚さんは、この道に進んでよかったと思うそうです。
親子クラスやキッズクラスを作っていく中で、自分自身も息子さんとのヨガを楽しみ、貴重な時間を過ごすことができた渚さん。息子さんは現在高校1年生。勉強や部活が忙しく、小学6年生まで続けていたヨガから少し離れてしまっていますが、時折「ちょっとマッサージしてほしいな」と声をかけてきてくれるそう。思春期で難しい年頃ではあるものの、「ここが凝ってるね。部活はどうなの?」といった会話をすることで身体も心もほぐれて、親子のコミュニケーションを安定させているのかもしれない、と話します。
子どもが1番うれしいのは“ママが笑顔でいること”

渚さんは、親子で過ごすヨガの時間を通じて、ママにこそ幸せになって欲しいと付け加えます。
「私自身もそうでしたが、子育てが暮らしの中心になっている時期は、家事や仕事に追われる日々でイライラもしがち。だからこそ自分と向き合う時間を持って心を空っぽにして、深呼吸をすることが必要だと思います。自分自身が満たされないと、家族や周囲に優しくなんてできませんから。色々あってもとにかく、子どもはママが大好き。子どもにとって1番うれしいのは、“ママがいつもニコニコ笑顔でいてくれること”なんですね。子どもや家族を思うがゆえに、自分のことを後回しにしがちなママほど、自分を好きになれる時間をぜひ持ってほしいです」
身体と心をつなぎ、親子を笑顔へと導いていく。そんなスタジオとなるための夢はどんどん広がります。
「今、通ってくださる生徒さんの年代は、子育て世帯からシニアまでさまざま。マタニティクラスや親子クラスが、生徒さんのご要望から生まれたように、今後も生徒さんがしてみたいことを優先していきたいです。ヨガがメインではあるものの、ケガの予防となる運動の指導や、睡眠・栄養にかかわるアドバイスなど、よりいっそう健康や笑顔の暮らしにつながることに取り組みたいです。『ヨガBeyond』にくれば、ヨガで笑顔になって、健康についても知ることができる。そうなるためにも、私自身が元気に笑っていなきゃ、ですよね」

渚さん運営の『ヨガBeyond』はこちら
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HP:https://yoga-beyond.jp/
文/遠藤祥子 編集協力/東京通信社