幼児に英語教育は必要? メリットとおすすめの幼児の英語教育とは?

幼児に英語教育は必要? メリットとおすすめの幼児の英語教育とは?

みんなの習いごと事情

幼児期の英語教育のメリットと、おすすめの家庭での関わり方について、専門家にうかがいました。

「幼児期から英語を始めたほうがいいの?」「英語教室には通わせるべき?」
幼児を持つパパ・ママの間で、英語教育は常に関心の高いテーマです。一方で、情報があふれ、何が正しいのかわからないという声も聞かれます。
そこで今回は、バイリンガル教育、英語習得を専門とし、多くの研究や現場支援に携わってきた立命館大学・田浦教授にお話を伺いました。

「幼児期の英語教育は、特別な準備や才能が必要なのではない」と語る田浦教授。むしろ、おうちのかたのちょっとした工夫や環境づくりが、子どもたちの「ことばの豊かさ」につながっていくのだといいます。

英語教育に迷うおうちのかたが一歩前に進めるよう、幼児期の英語教育のメリットから、家庭での関わり方、教室選びのポイントまで、たっぷりと語っていただきました。

田浦秀幸先生(たうらひでゆき)

田浦秀幸先生(たうらひでゆき)

立命館大学大学院 言語教育情報研究科教授
シドニー・マッコーリー大学で博士号(言語学)取得。大阪府立高校及び千里国際学園で英語教諭を務めた後、福井医科大学や大阪府立大学大学院を経て、現職。伝統的な手法に加えて脳イメージング手法も併用することで、バイリンガルや日本人英語学習者対象に言語習得・喪失に関する基礎研究に従事。その研究成果を英語教育現場やバイリンガル教育に還元する応用研究も行っている。

幼児期の英語教育の3つのメリット

言語への柔軟性や、コミュニケーションの土台が育つ

田浦教授:幼児期に英語を始めるメリットとして、まず多くの保護者が想像するのは「発音がよくなる」という点です。確かに、生後間もなくから6歳ごろまでは、音声知識の柔軟性が高く、英語の独特な音韻を自然に受け入れやすいといわれています。しかし、メリットはそれだけではありません。
幼児期に多言語に触れる本質的なよさは、
子どもの言語への柔軟性や、コミュニケーションの土台が育つことです。
子どもは「英語をまなぶ」というよりも、「音やことばのリズムに触れる経験」をたくさん積むことで、言語そのものへの関心や感受性を育てていきます。これは後の日本語力にもつながります。

田浦教授の研究チームでは、英語と母語の両方に触れて育つ子どもたちを長期的に観察してきました。その結果、早い時期から2つの言葉に親しんだ子どもたちは、単語の理解力だけでなく、人の気持ちを読み取る力(心の理論)も育ちやすい傾向があったそうです。

田浦教授:ことばは単なるツールではなく、世界をどう感じ、どう考えるかを広げてくれるものです。つまり、英語に触れることは心の成長にもつながっているのです。異なる音や表現の世界に触れることが、言語だけでなくコミュニケーション全般の成長にも関わっているんですね。

幼児期は、英語の「リスニング」力の基盤となる重要な時期

小学生以降の英語は成績と直結するため、「苦手意識」が芽生えることが少なくありません。その点、幼児期は“評価”が存在しないことが大きなメリットだと田浦教授はおっしゃいます。

田浦教授:幼児期は、英語にポジティブな感情を持ちやすい時期です。英語が「あそびの延長」として楽しい記憶で残ることが、その後の継続に大きく影響します。
また、英語のまなびには「耳で覚える力」と「文字でまなぶ力」の2つの段階があります。
前者はまさに幼児期の特権。英語の歌をマネしたり、絵本のリズムを感じたりするなかで、自然と音の世界に親しめます。一方の「読み書き力」は、小学校に入ってから少しずつ伸びていくものです。
つまり、幼児期は「耳であそぶ英語の時間」。幼児期の英語教育は、
将来の英語学習の「スタートライン」をよい状態で作るという意味でも重要なのです。

脳が育つ時期に、適度な言語刺激がプラスになる

また、田浦教授は早期英語は、脳の発達段階と相性がよいとも話します。

田浦教授:子どもの脳は、乳幼児期に大きく成長します。この時期に、リズム、音、やり取りといった多様な言語刺激があることで、言語に関するネットワークが豊かに作られます。
もちろん、英語をやらなければ脳が育たないという意味ではありません。あくまで「豊かな刺激の一つ」として、英語はよい働きをします。

幼児期の英語との出会いで大切な2つのポイント

特別な教材よりも、「日常の中で」「自然に英語とのふれあう」

では、幼児期に「英語とのよい出会い」をつくるにはどうすればよいのでしょうか。田浦教授は、まず「身構えずに、自然にふれられる環境づくり」を挙げます。

田浦教授:英語は「勉強感」を出さないのが大切です。子どもは、親が思う以上に「雰囲気」を敏感に察知します。親が気負うと、子どもも緊張します。まずは生活の中に自然な英語を少し混ぜるくらいで十分です。例えば“Hello!” と声をかけたら“Hi!” と返す、英語の絵本を一緒に読んで笑う……そんな一瞬一瞬が、立派な英語体験です。

【日常でできる英語体験の例】

  • 英語の歌をかける
  • 短い英語のアニメを一緒に見る
  • “Good morning!”など簡単な声かけをあそび感覚で行う

など、無理のない範囲での導入がおすすめです。私たちの研究では、英語を「楽しんでいる」子どもたちは、語彙力や発音だけでなく、表現力全体が豊かになる傾向があります。
「正しく言えるかどうか」よりも、
「伝えたい」という気持ちを持つことが、ことばの成長を後押しするからです。

「英語モード」をつくらない。あそびの中に英語を忍ばせる

さらに、幼児には「あそびの延長」とするのがポイントだそうです。

田浦教授:幼児は「学習モード」を持ちません。「英語の時間」をつくる必要はなく、むしろあそびの途中に英語の言葉を混ぜるなど、自然な文脈で使うほうが効果的です。例えば、積み木あそびの中で、“Red!”“Blue!”と色を言ってみるだけで、子どもの覚え方が変わります。幼児期に英語を押し付けると拒否反応につながります。
そこで私は、選択させてあげることを提案します。「これとこれ、どっちの歌を聞く?」など、子どもが主体的に選べるようにすると、英語が「自分で選んだもの」になります。主体性を尊重した出会いは、好奇心を長く保つ効果があります。

幼児期に英語を楽しませる2つの工夫

幼児 英語教育 メリット おすすめ

「できた!」と感じる小さな成功体験を

子どもが英語とふれあうためには、「楽しい」という感情が重要なのはわかりました。では、子どもが英語を長く楽しみ続ける工夫には、何があるのでしょうか。

田浦教授:「Hello.が言えた!」「歌を覚えた!」という小さな達成感が、英語へのポジティブな気持ちを積み上げます。保護者が過剰にほめる必要はありません。“You did it!” と笑顔で反応するだけで十分です。
また、幼児期の英語学習で大きな環境要因となるのは「親の態度」です。保護者が笑顔で関わると、子どもは
「英語は楽しいもの」だと認識します。英語の上手さより、楽しむ姿勢が影響します。例え、発音が苦手でも問題ありません。親が楽しんでいれば、子どもがもっと自由に英語にふれられます。

「完璧」を求めない

逆に、親がやってはいけないこともあります。

田浦教授:幼児期の英語で親がやってはいけないことは、「正しさにこだわりすぎる」ことです。間違っても気にしない、訂正しすぎない。間違いながらまなんでいくのが幼児期の言語習得です。子どもの発話はまだ未熟で当然です。正しい言い回しをさりげなく返す「リキャスト(言い換え)」が自然なサポートになります。

【リキャスト(言い換え)の例】

1)
子ども:「ドッグ、ラン!」
親:「うん、The dog is running! ワンちゃん走ってるね」
2)
子ども:「みー、ジュース want!」
親:「ジュース欲しいのね。You want juice? じゃあ入れてあげるね」
3)
子ども:「アップル、ビッグ!」
親:「ほんと、大きいね。The apple is big!」

ここだけはチェック! 幼児期の英語教室選びのポイント

幼児 英語教育 メリット おすすめ

先生が子どもを理解しているか

英語との接触は家庭でも十分可能ということですが、英語教室に通うことで出会える経験もあります。教室選びで重要なことを、田浦教授は「先生とお子さんの相性」と考えています。

田浦教授:もっとも重要なのは、先生とお子さんとの相性です。幼児期は「関係性の質」が学びに直結します。先生が子どものペースを尊重し、温かく関われる人かどうかが大事です。
体験レッスンでは、
「子どもが自由に動いても許容してくれるか」「一人ひとりに目を向けてくれるか」「子どもが安心している様子があるか」を観察するとよいでしょう。

言語を道具として使いながら、子どもの好奇心を広げる工夫がされているか

田浦教授:幼児英語教室のあそびのように見える活動の中に、きちんと言語のインプットが仕掛けられているか。それを保護者にも丁寧に説明できる先生かどうか、それも安心材料になります。
最近は、オンラインレッスンも増えていますが、幼児期は体全体を使って表現したり、友達と関わったりすることも大切です。ご家庭の状況に合わせながら、無理なく続けられる形を選べば十分だと私は思います。

また、最近の幼児向け英語教室の傾向についても、先生に伺いました。

田浦教授:英語教室自体も、ここ数年でかなり変わってきました。たとえば、フォニックス*を早い段階から自然に取り入れる教室が増えたこと。音と文字の関係を楽しみながらまなべるような仕掛けは、子どもたちにとっても負担が少ないですね。“英語×運動”“英語×アート”といった、ほかのまなびと掛け合わせるスタイルも人気です。言語を道具として使いながら、子どもの好奇心を広げることに重きを置かれている印象です。

*フォニックス(Phonics)…文字のつづりと音を結びつけて学ぶ英語の学習法。

講師もネイティブにこだわるより、子どもの気持ちに寄り添える日本人バイリンガルの先生が評価されるようになっています。親子で参加するクラスや、家庭でできる簡単な英語あそびを提案してくれるところも増えています。

田浦教授:英語は短期間で成果が出るものではありません。無理なく通い続けられる距離や時間帯であることが、最終的には子どもの英語力の伸びにも影響します。

まとめ 英語は幼児期の「ことばの世界」を広げる

田浦教授のお話を通して見えてきたのは、幼児期の英語教育は決して「早期学習競争」のためのものではないということです。
大切なのは、子どもが「英語って楽しい」と感じる体験を積み重ねること。
英語が「勉強」になる前の幼児期だからこそ、「楽しい経験」「自分で選んだ感覚」「安心できる環境」、この3つが英語とのよい関係をつくります。
英語に自然体でふれる経験が、子どもたちにとって「ことばの世界を広げる大きな一歩」となるはずです。

文・取材・編集/東京通信社


『ポピフル』は、ポピーが運営する子育て情報サイトです。
ポピーの英語教材『ポピー Kids English』は、初めての英語にぴったり!
音声ペンを使って遊ぶように楽しみながら、確かな英語の基礎を身につけませんか?
選択肢のひとつとしてご検討ください。

SHARE!

  • LINE
  • X(旧Twitter)
  • Facebook

TOP