食物繊維でおなかの調子を整える! えのき入り鶏団子とにんじん鍋
栄養素から考える健やかレシピ
おなかの調子を整えて腸内環境をよくする食物繊維たっぷりのお鍋のレシピをご紹介! 小さい子も食べやすい工夫がつまっています
今月のテーマ
年末年始は、クリスマス会や年越し、お正月などのイベントが盛りだくさん。集まって会食したり、外食したり、ケーキなどのスイーツを食べる頻度も増え、大人も子どもも食べ過ぎになりがちです。そんな時期には、食物繊維がたっぷりのお鍋で、疲れたおなかを労わってあげましょう。管理栄養士で料理研究家の牧野直子先生にレシピをご紹介いただきました。
腸内環境をよくする食物繊維をお鍋で摂りましょう!
「えのき入り鶏団子とにんじん鍋」
食物繊維は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境をよくしたり、腸内の有害物質などに吸着して便として排泄したりする働きがあります。クリスマスや年越しなどで食生活が乱れ、便秘気味なおなかの調子を整えていきましょう。
材料
—大人2人、子ども2人分―
・鶏ひき肉 400g
・【A】
卵 小1個
しょうが汁 小さじ1
酒 小さじ1
片栗粉 大さじ2
えのきたけ 小1パック(みじん切り)
・にんじん 100g(ピーラーでリボン状にむく)
※これとは別に柔らかくゆでて型抜きしたにんじんを加えてもOK
・白菜 4枚
・だし汁 4カップ
・無調整豆乳 2カップ
・ポン酢しょうゆ 適量
※大人は、柚子胡椒や七味唐辛子を適量
・小ねぎ 適量(小口切り)
・ごはんorうどん 適量
作り方
1.鶏ひき肉に【A】を入れてよく混ぜ、団子状に丸める。
子ども用は、年齢に応じて大きさを加減する。
2.鍋にだし汁を入れ、煮立ったら1.を加えて中火で煮る。
3.火が通ったら、豆乳を加えて煮立たせ、にんじんと白菜を加える。
白菜は、軸と葉に分け、軸はそぎ切り、葉は柔らかくゆでて軸の方からくるくると巻き、
食べやすい大きさに切って具材の隙間に詰める。
4.野菜に火が通ったら、完成。
Point
- お子さんはポン酢しょうゆ、大人は柚子胡椒や七味唐辛子で味変しても!
- シメには、ごはんまたはうどんを加えて召し上がってください。
- 豆乳が固まってくると湯葉ができるので、すくって食べるのも楽しみのひとつになります♪
◆今月の栄養素:食物繊維
腸内環境が乱れがちな年末年始
年明けにお子さんが腹痛を訴え、救急に駆け込んだら「お正月はたくさんおいしいものを食べたのかな?」と、食べ過ぎによる腸内環境の乱れが原因だったというエピソードをよく耳にします。
1月7日に食べる七草がゆは、江戸時代ごろから1年の無病息災を祈って食べられてきましたが、おせち料理が続き、正月疲れが出始めた胃腸を労わり、回復させるにはちょうどよい食べ物です。
現代では、おせち料理だけでなく、肉や乳製品などの動物性食品、揚げ物や炒め物などの油脂の多い料理を口にする機会も多く、野菜不足になりやすいといえます。そうなると、腸内環境も悪くなり、おなかの調子が優れなくなることも…。
おなかの調子を整える食物繊維
腸内環境を整えるには、ヨーグルトや納豆などの発酵食品もおすすめですが、食物繊維を摂ることも大切。食物繊維は善玉菌を増やして腸内環境をよくしたり、腸内の有害物質などに吸着して便として排泄させたりする働きがあります。また、腸内で水分を吸って便のかさを増やし、腸を刺激して排便を促すような役目も果たします。
下痢の場合でも、食物繊維が腸内で水分を調節して便通を整えてくれます。ただし、同時に食物繊維の多いものは消化しにくい側面もあるため、下痢になった際は、食物繊維や脂質の多い食材はできるだけ控え、水分をしっかりとって消化のよいものを選びましょう。(野菜は、白菜やかぶ。たんぱく質は、豆腐や半熟卵、鶏ささみ、白身魚などがおすすめ)。
◆今月のレシピのポイント
食物繊維は、切り方を工夫して食べやすく!
食物繊維は、野菜、きのこ、海藻類などに豊富ですが、お子さんには食べにくい場合があります。
・きのこは細かく刻む
・にんじんや大根、ごぼうなどの根菜はピーラーで薄くリボン状にする
などの工夫をすることで繊維が断たれて柔らかくなり、火も通りやすくなります。
また、白菜や水菜などの葉物は、煮るとかさが減って量も食べやすくなるため、鍋にはもってこいなのです。
ほかの具材も、消化に負担をかけないタンパク質源を選ぶのもポイントです。鶏ひき肉や豆腐、豆乳、半熟の卵、白身魚などは脂質が少ないので、おなかに負担がかかりにくくおすすめです♪
鍋は、いろいろな食材を取り入れやすく、シメにごはんやうどんを入れることで炭水化物も補うことができ、栄養バランスが整うのもうれしいですね。体をぽかぽかとあたためながら、年末年始でがんばったおなかを休ませてあげましょう!
レシピ・監修/牧野直子(管理栄養士)
イラスト/にしだちあき