【今月の栄養素は“ビタミンB1”】 豚肉と夏野菜のスープカレー
栄養素から考える健やかレシピ
今月のテーマ
暑さが厳しくなるにつれて、なかなか食が進まない様子。
室内外の激しい寒暖差もあって、疲れも感じてるみたい。
そんなときにオススメの一品を、管理栄養士で料理研究家の牧野直子先生にご紹介いただきました。
エネルギー代謝を円滑にするビタミンB1を豚肉で!
「豚肉と夏野菜のスープカレー」
ビタミンB1は、糖質などを効率よくエネルギーに変換する手助けをしてくれます。
そこで今回は、ビタミンB1を含んだ豚肉と夏野菜を組み合わせた、食欲そそるスープカレーをご紹介!
ご飯も進んで、たっぷり元気をチャージできますよ♪
材料
ー大人2人、子ども2人分ー
・豚こま切れ肉 300g
・植物油 大さじ1
・オクラ 12本(輪切り)
・トマト 2個(ざく切り)
・だし汁 5カップ
・カレールー 2かけ(甘口)
・しょうゆ 大さじ1強
・ご飯 適量
作り方
1.フライパン、または鍋で油を中火で熱し、オクラをさっと炒めたら、だし汁を加える。
2.だし汁が煮立ったら豚肉を加え、色が変わったらトマトを加える。
3.再び煮立ったら、火を止めて、カレールーを溶かす。
4.再度火にかけ、煮立ったらしょうゆで味を調える。
5.ご飯と4.を器に盛って完成。
Point
- 煮込まないので、短時間で作れるのがいいところ!
- ご飯のほかに、そうめんやうどんに合わせるのもおすすめです。
- トマトはミニトマトや赤パプリカなどに変えてもOK。カボチャも相性バツグンです。
- オクラは、輪切りにして星形にし、かわいらしい見た目に♪
- ご飯は丸い器で型抜きをして、くまさんの形にし、海苔で顔のパーツを入れてみました。
◆今月の栄養素:ビタミンB1
わたしたちは、体を動かすために必要なエネルギーを食事から摂りますが、その中でも特に、ご飯やパン、麺などに多く含まれる糖質は、素早くエネルギー源として吸収されます。
その糖質をエネルギーに変換するために必要不可欠なのが、ビタミンB1。車に例えると、ガソリンが入っていても、オイルがなければエンジンはかかりませんね。同じようにわたしたちも、食事でご飯やパン、麺などの糖質だけを摂っても、ビタミンB1がなければ、効率よくエネルギーを作り出すことができないのです。
◇ビタミンB1が不足すると…
気をつけたいのは、このビタミンB1不足から起こりやすくなる夏バテ。ビタミンB1は、水に溶ける性質を持ち、蓄えておくことはできず、尿や汗からも排出されてしまいます。暑さによる発汗で、水分とともに水溶性のビタミンも流れ出てしまう可能性も。加えて、室内外の気温差で自律神経が乱れ、食欲がわかないという悪循環に陥ってしまうことも考えられます。
例えば、
・暑いので、食事はのどごしがよい冷たいそうめんやうどんだけ…
・アイスクリームやジュースで体を冷まそう!
というケースに多くあてはまるかたは要注意です。糖質はたくさんあるのに、ビタミンB1が足りずに、エネルギーを作れないまま、疲れやすい体になっているかもしれません。
◆今月のレシピのポイント
「豚肉」を使ったカレーと「ご飯」の掛け合わせは、エネルギーチャージにもってこい!
豚肉に多く含まれるビタミンB1が、素早くご飯の「糖質」をエネルギーに変換してくれ、体を元気にしてくれます。また、カレー風味が食欲をかきたててくれるので、暑い夏にはとってもおすすめです。
カレーの具材として取り入れた、夏野菜のオクラやトマトも栄養満点。オクラは食物繊維が豊富で、トマトの赤い色素「リコピン」は強い抗酸化作用があり、夏の強い紫外線から肌を守る働きも期待できますよ。
こんなに暑いと、どうしても冷たい食べ物ばかりを欲してしまいますが、それでは胃腸の機能を低下させてしまう危険性も。今回紹介したスープカレーで体内を冷やさず、元気いっぱいに夏を乗り越えていきましょう!
レシピ・監修/牧野直子(管理栄養士)
イラスト/にしだちあき