【今月の栄養素は“カルシウム”と“鉄”】 牛肉と小松菜の中華炒め
栄養素から考える健やかレシピ
今月のテーマ
運動会やスポーツイベントが多きこの時期にぴったりの、丈夫な体を作る栄養満点のレシピを、管理栄養士で料理研究家の牧野直子先生にご紹介いただきました。
骨を作るカルシウムと赤血球を作る鉄を小松菜で!
「牛肉と小松菜の中華炒め」
体が大きくなるに伴って、骨が成長し、血液量も増加する成長期のお子さんにおすすめ!
カルシウムと鉄が豊富な小松菜に、鉄を含む牛肉を組み合わせたこのレシピは、強い体作りに最適です。
材料
ー大人2人、子ども2人分―
・牛もも肉/焼肉用 300g(細切り)
└しょうゆ 小さじ2
└酒 小さじ2
└おろしにんにく 少々
・片栗粉 大さじ2
・小松菜 1束200g(3㎝に)
・にんじん 3㎝分(縦に細切り⇒ラップで包んでレンジ1分)
・植物油
・【A】
オイスターソース 大さじ1
しょうゆ 小さじ1
酒 小さじ1
砂糖 小さじ1
作り方
1.牛肉にしょうゆ、酒、おろしにんにくをもみこんで、片栗粉をまぶす。
2.フライパンで油を中火で熱し、1.をほぐしながら加えて炒める。
色が変わってきたら、小松菜、にんじんを加えて炒め合わせ、
【A】を回し入れてなじむように炒める。
Point
- 2~3歳くらいまでは、小松菜の軸は1㎝くらい、葉は縦に包丁を入れ、横1㎝くらいに切ったサイズが食べやすいでしょう。
- ごはんにのせてビビンバ風にすると、お子さんも食べやすくなります。ごはんと混ぜながら食べてみましょう。
◆今月の栄養素:カルシウムと鉄
不足しがちなカルシウムと鉄
丈夫な体づくりのためには1日3食、栄養バランスよく食べることは言うまでもありませんが、成長期の子どもは体が大きくなるに伴い、骨も成長し、血液量も増加します。それに合わせて、骨の形成に欠かせないカルシウムや血液中の赤血球の鉄の必要量も多くなります。
ところが、国民健康栄養調査(令和元年)によると、幼児は1日の望ましいカルシウムと鉄の摂取量に届かず。小学生になると、学校給食で牛乳が出ることもあり、カルシウムはクリアできていましたが、鉄は足りていないという結果となりました。
集中力も高めるカルシウム
カルシウムは骨を形成するだけでなく、約1%は血液中に含まれ、精神の安定に働きます。つまり、運動時に欠かせない「集中力」を高める栄養素ともいえるのです。
カルシウムの主な供給源は「牛乳・乳製品」です。幼児なら1日300g、小学生なら400gくらいはとりたいもの(牛乳に置き換えると、幼児はコップ1杯と半分、小学生はコップ2杯分くらい)。それだけでも1日に必要なカルシウムの半分を補うことができます。
次にあげられるのは、「大豆・大豆製品」です。納豆や厚揚げ、がんもどきなどがおすすめです。そして、青菜類もカルシウム源として欠かせません。特に、小松菜はカルシウムも鉄も豊富で、アクがないので、ゆでずにそのまま炒めたり煮たりできます。水菜やチンゲンサイ、かぶの葉、モロヘイヤなども含まれます。これらを意識的に取り入れて、不足しがちなカルシウムを補っていきたいですね。
酸素を体中に運ぶ赤血球を作る鉄
鉄は、レバーや赤身の肉(牛肉)や魚(マグロ、カツオ)、血合いのある魚(ブリ)、貝類や大豆・大豆製品、卵、青菜類に含まれます。血液の赤血球の材料になり、体の隅々に酸素を運ぶので、運動時に多く必要とされます。日ごろから鉄をしっかりとることも、強い体作りには欠かせないといえますね。
◆今月のレシピのポイント
小松菜はアクがないので下茹で不要♪苦手な子は、柔らかくゆでて青臭さをのぞいて少量から
小松菜はアクがないので、下茹でせず、すぐに炒めることができるのがいいところ。しかし、小松菜などの青菜類が苦手なお子さんも多いのではないでしょうか?
その場合は、柔らかくゆで、青臭さやかみにくさをのぞいて少量から使っていくとよいでしょう。苦手なものがたくさん入っていると、見た目から抵抗感を感じてしまうもの。小松菜の割合を少量にして盛りつけ、食べることができたらほめて慣らしていきましょう。代用はゆでたホウレンソウやチンゲンサイも◎。少しずつチャレンジしてくださいね。
体を動かすには、エネルギー源になる主食(ご飯やパン)が欠かせません。また、筋肉をつけるにはたんぱく質源になる肉や魚などで、調子を整えるにはビタミンやミネラルを含む副菜(野菜など)で補います。今回のレシピとご飯の組み合わせは、これら全てがそろった理にかなったラインナップです。強い体を作るこの応援レシピで、きもちよいスポーツの秋を過ごせるとよいですね♪
レシピ・監修/牧野直子(管理栄養士)
イラスト/にしだちあき