プロが教える秋の自然あそび!「バタフライガーデン」を作ろう

プロが教える秋の自然あそび!「バタフライガーデン」を作ろう

プロが教える自然あそび

秋に植えて翌春まで楽しめる自然あそび、バタフライガーデンの作り方を、各地の園でも活動中の自然観察指導員が紹介します。

秋は、虫たちが冬を迎える準備を始める季節。花の周りを飛ぶチョウたちも、次の命へとバトンをつないでいます。そんなチョウたちが思わず立ち寄りたくなるような“おうち”を親子で作ってみませんか?
今回は、「自然と共に生きる知恵を伝えることで、人を育み、自然を紡ぎ、サステナブルな社会の構築に貢献する」をモットーに活動されているsatosatoさんに、お庭はもちろんベランダでも楽しめる、チョウが集まる「バタフライガーデン」の作り方を教えていただきました。
バタフライガーデンは、花を植えて終わりではなく、植物のお世話をしながら、チョウが訪れ、卵を産み、育っていく様子まで観察できるのが魅力。小さな庭から、命のつながりを感じられるかもしれません。

satosato代表 米本桂子さん

satosato代表 米本桂子さん

ESD・環境教育団体satosato代表
自然観察指導員、農学修士。幼稚園や保育園等で自然の楽しさ、命の大切さを伝える教育活動を22年間、年間120回以上行う。自然を楽しむ絵本「どんぐりかぞくのおうちづくり」、「どんぐりかぞくのはるとあそぼう」を自費出版。

チョウのおうち「バタフライガーデン」とは?

「バタフライガーデン」とは、チョウが蜜を吸いに来る花や卵を産みやすい植物(食草)を植えて、チョウたちが暮らせる環境にした小さなお庭のことです。
一般的なガーデニングでは「花を楽しむ」ことが中心ですが、バタフライガーデンのおもしろいところは、花を育てるだけでなく、チョウたちの暮らしを観察できること。
実は、チョウは種類によって、卵を産む植物が違います。好きな植物を見つけると、卵を産みにやって来ることも。そのため、呼び込みたいチョウに合わせて植物を選び、寄せ植えにするのがポイントです。
植木鉢ひとつから始められるので、ベランダや玄関先でも気軽に楽しめます。お気に入りの植物を選びながら、チョウたちが集まる小さなお庭を作ってみてください。

自然あそび バタフライガーデン さとさと

どんなチョウが来るかな? おすすめの植物と観察の楽しみ

自然あそび バタフライガーデン サトサト
パンジー(黄・紫)、スイートアリッサム(白・紫)、オキザリスの寄せ植え

こちらは、チョウたちが集まりやすい植物を組み合わせた寄せ植えの例です。
パンジーはツマグロヒョウモン、スイートアリッサムにはモンシロチョウなどが好む食草です。
花の色や形を楽しみながら、「どんなチョウが来るかな?」と親子で観察してみましょう。
毎日の水やりが、楽しい“自然観察の時間”に変わっていきます。
チョウは種類によって異なりますが、年に2~3回ほど卵を産みます。そのため、秋から春にかけて花が咲く植物を組み合わせて、今の時期にバタフライガーデンを作るのがおすすめです。訪れたチョウが蜜を吸える花と、卵からかえった幼虫の食草になる植物をバランスよく植えておくと、葉っぱの裏の小さな卵を見つけられることも。幼虫が葉っぱを食べ、さなぎになり、やがてチョウへと羽化していくーー。そんな命のつながりを、身近な場所で観察できるのがバタフライガーデンの魅力です。

自然あそび バタフライガーデン サトサト

多くのチョウが好む花(吸蜜植物)

チョウは、卵を産む植物(食草)は種類ごとに決まっていますが、蜜を吸う花は必ずしも決まっているわけではありません。
一般的には、蜜がたっぷりある花や、口を伸ばして蜜を吸いやすい形の花、色鮮やかでたくさん咲いている花を好んで訪れます。
ただ、チョウの種類によってはお気に入りの花を持つものもいます。たとえば、アオスジアゲハはヤブガラシ、アサギマダラはヒヨドリバナ、黒いアゲハチョウの仲間はツツジ類によく集まります。「このチョウに来てほしい!」というお気に入りがいる場合は、卵を産む植物に加えて、こうした蜜を吸う花も一緒に植えてみると、出会えるチャンスが広がるかもしれません。

チョウごとの食草(チョウが卵を産み、幼虫が葉を食べる植物)

チョウの種類食草
ナミアゲハ
ミカン科の樹木(ミカン・キンカン・レモンなど)
ミカン
キアゲハ
セリ科の植物(セリ・ミツバなど)
セリ
モンシロチョウ
アブラナ科の植物(スイートアリッサム・キャベツなど)
ハボタン
ツマグロヒョウモン
スミレ科の植物(パンジー・ビオラ・スミレなど)
スミレ
ヤマトシジミ
カタバミ科の植物(オキザリス・カタバミなど)
カタバミ
モンキチョウ
マメ科の植物(ハギ・ネムノキ・シロツメクサなど)
シロツメクサ

※表で紹介した幼虫は、人に害はありません。
※チョウがたくさん卵を産むと、幼虫が葉っぱをたくさん食べることがあります。ただし、幼虫がチョウになった後、新しい葉が育ち、植物が元気を取り出すことも多いです。

上で写真で紹介したチョウは、さなぎや幼虫の姿で冬を越します。秋にバタフライガーデンをつくると、春になって再びチョウが現れる様子を観察できるかもしれません。
ただし、サナギになる場所は種類によって異なり、植木近くの壁やフェンス、低木などに移動することもあります。一方で、キタキチョウのように、成虫のまま冬を越すチョウもいます。

自然あそび バタフライガーデン さとさと
キタキチョウ

「バタフライガーデン」を実際に作ってみよう!

それでは、実際に「バタフライガーデン」を作ってみましょう!

用意するもの

  • 植木鉢
  • 培養土
  • スコップ
  • 植物(チョウが卵を産む食草)
  • 小石(植木鉢の底穴が大きい場合)
自然あそび バタフライガーデン さとさと
自然あそび バタフライガーデン さとさと

バタフライガーデンの作り方

1.植木鉢の底に小石を置く

植木鉢の底穴から土が漏れ出ないよう、小石を置きます。

Point!
底穴が小さい植木鉢の場合は、入れなくても大丈夫です。


2.植木鉢に土を入れる

植木鉢の8割くらいまで培養土を入れます。

自然あそび バタフライガーデン さとさと

3.植物を並べて配置を決める

ポットに入ったまま植物を並べ、全体のバランスを見ます。

自然あそび バタフライガーデン さとさと

Point!
草丈の高い植物は奥、低い植物は手前に置くと、きれいに見えます。


4.植物を植える

植物をポットから取り出して植えます。

自然あそび バタフライガーデン さとさと

Point!
根は崩さず、そのまま植えるのがコツです。
寒い地域では、冬の霜対策として、ヤシの繊維などのマルチング素材を土の上に敷くのもおすすめです。

自然あそび バタフライガーデン さとさと

\できあがり!/

自然あそび バタフライガーデン さとさと

\アレンジ版も紹介/

水やりのポイント

【9月〜10月】
1〜2日おきに水やりします。土が乾いていたら、たっぷり与えましょう。

Point!
水やりは午前中〜お昼ごろまでがおすすめです。


【11月〜翌年3月】
気温が下がってきたら、1週間に1〜2回程度でOK。土が乾いていたら水を与えます。

Point!
朝に水やりをすると、凍結予防になります。


【3月以降】
暖かくなると植物がぐんぐん成長します。1〜2日おきに、たっぷり水を与えましょう。

寄せ植えの変化を見てみよう

植え付け直後の様子/

自然あそび バタフライガーデン さとさと
パンジー(黄・紫)、スイートアリッサム(白・紫)

植え付けたばかりの頃は、まだコンパクトな印象。ここから植物が育ち、季節とともに表情が変わっていくのも、バタフライガーデンの楽しみです。

\5カ月後の様子/

自然あそび バタフライガーデン さとさと
パンジー(黄・紫)、スイートアリッサム(白・紫)、オキザリス(ピンク)

こちらは植え付けから約5カ月後の様子。植物が大きく育ち、花もこんもりと広がっています。季節をまたぎながら、自然の変化を長く楽しめるのも魅力です。

satosatoさん作の絵本『どんぐりかぞくのおうちづくり』を抽選で3名にプレゼント!

どんぐりかぞくが、家を修理するための材料を集めに、アケビ車に乗って出発します。秋の森に住むメジロやコゲラをはじめとするたくさんの生き物たちに出会いながら、みんなで楽しくお家づくりを行う物語です。
こちらの絵本を、抽選で3名さまにプレゼント! ふるってご応募ください。

まとめ

チョウが花に集まり、卵を産み、幼虫が育っていくーー。バタフライガーデンは、小さな植木鉢の中で、自然な営みが感じられるあそびです。
毎日の水やりや観察を通して、「命がつながっていく様子」を親子で見守れるのも魅力の一つ。
まずはお気に入りの花を一つ植えるところから、秋の自然あそびを始めてみませんか?

プラン・制作/satosato インスタはこちら>

文・取材・編集/東京通信社

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