【入学準備】就学時健康診断ってどんなことをするの? 親は何をすればいい?

【入学準備】就学時健康診断ってどんなことをするの? 親は何をすればいい?

就学時健康診断では、何が行われるのか、親は何をすればいいのか、Q&Aと先輩パパ・ママの声で確認。

就学時健康診断では、何が行われるのか、何に気をつけたほうがよいのか、また、親は何をすればいいのか、ご自身も就学時健康診断を担当されることもある総合診療科医の松井 潔先生に、おうかがいしました。

松井 潔(まつい きよし)先生

松井 潔(まつい きよし)先生

総合診療科医。医療法人産育会 堀病院。愛媛大学卒業。
神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科、総合診療科部長等を経て2025年より現職。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。


Q1.就学時健康診断は何のために行われるのですか?

A1.就学予定者の心身の健康を確認するために行われます。健康状態を総合的に把握すると同時に、日常生活では気づきにくい弱視を発見したり、授業を聞き取ることができる聴力を確認したり、発達障害の早期発見・早期治療につなげたりと、就学後の適正な教育と学校生活のための健康診断です。

Q2.就学時健康診断そのものはどのように行われますか?

A2.健診の進め方は学校によりますが、上級生がサポートしながらお子さんひとりで行動する健診か、親子で一緒に回る健診のいずれかが多いようです。

Q3.気になることがあるときは相談した方がいいですか?

A3.面談が設定されている学校もありますので、その際に何でも話したり、相談したりするとよいでしょう。学校の先生は子ども一人ひとりにきめ細やかに対応してくれます。時間をとらせてしまう、面倒をかけてしまうなどと気を遣いすぎることなく、不安や悩みは就学前のこのタイミングで相談しておきましょう。

Q4.就学時健康診断で何か問題があった場合はどうなるのでしょうか?

A4.就学時健康診断の段階で、大きな病気が見つかるということはまずありません。治療や再検査が必要なものとしては、むし歯や視力の低下が発見されることが多いです。病院の受診や再検査をすすめられたら、その指示に従いましょう。何か見つかったら、できる範囲で就学前に治しておけるといいですね。
また、軽い発達の遅れなどは、ご両親が気づいていなくても先生たちが発見する、ということがあります。その場合は、支援クラスの選択や就学後のサポートについて学校側と相談していきます。

Q5.就学時健康診断、親は何をすればいいですか?

●事前にお子さんに内容や目的を伝えておきましょう

何も知らずに行くと、初めてのことに緊張してしまったり、知らないお友だちが多く不安になってしまったり。「小学校に楽しく通うための大切な準備だよ」と話し、具体的にどんなことが行われるのかを親子で共有しておくと気持ちが落ち着きます。

●当日の持ち物は予めチェックしておきましょう

受付票や筆記用具、上履き、母子手帳など、必要な持ちものは早めに準備を。予防接種記録などを事前記入する場合もあるため、案内が届いたらすぐに確認するのがおすすめです。そして、忘れがちなのがお子さんの上履き。幼稚園や保育園に置きっぱなしで当日持っていけない、とならないよう気をつけましょう。

●お子さんの服装は脱ぎ着しやすいものに

就学時健康診断には内科健診も含まれているため、ボタンのシャツやワンピースなどは避け、お子さんが自分で脱ぎ着できる服にしましょう。また大勢が同時に健診を受けますので、服や持ち物をなくさないよう、記名しておくことを忘れずに。

●念のため寒さ対策も

10月中旬から11月中の実施が一般的ですが、体育館で行われたり、保護者だけ待たされることもあったりと、思ったよりも寒い場合があります。上着を持参するなど、寒さ対策もしておくと安心です。

●学校の中を見学するのも大事な目的

初めて小学校を訪れる、というかたも多いでしょう。教室や廊下の広さ、空調などの設備、実際に子どもたちがどんな道具や袋類を使っているのかなど、チェックしておくとよいでしょう。特にトイレは和式が残っている学校もあり、なじみがないお子さんが入学後にびっくりしないよう、事前に練習が必要かもしれません。


就学時健康診断 先輩パパ・ママ体験談

受付した順に健診を受けるので、早めに帰りたい場合は、早めに受付をした方がよいみたいです。(A.Sさん)

娘が通う予定の小学校は、まれにみるマンモス校。体育館で実施されたのですが、順番待ちの行列……。一つの健診に30分以上の待ち時間で、途中「おしっこ」……と。さすがに割り込みもできず、トイレ後にまた長い列に並びました。受付の前にトイレは済ませておくことをおすすめします。(Jさん)

教室にかけてある上ばき入れや体操着袋、防災頭巾やお道具箱を見ておくと、これくらいの大きさのものがいいとわかります。(K.Sさん)

6年生が、手を引いてくれ、一つひとつ健診のお世話をしてくれました。お姉さんと楽しい時間を過ごしたことで、ますます小学校への期待が膨らんだようです。(いのさん)

保育園で一緒の友だちが何人か同じ小学校なので、ちょうど健診でも会い、楽しそうにやっていました。本人も少しホッとしたようです。家に帰ると急にあいうえおドリルもやり始めて、やる気もアップ!(くまママさん)

同じ幼稚園のお友だちと一緒に行ったので、終始楽しそうにしていました。面接のようなものが最後にあり「〇〇です」などと語尾をしっかり答えられず、少し残念でした。練習しておけばよかったなと思いました。(A.Tさん)


就学時健康診断のイメージが持てたでしょうか? 心配や不安をしすぎることなく、学校生活を楽しく送るための準備であることを意識して、落ち着いた気持ちでのぞみましょう。

イラスト/タカタカヲリ 文/池田恵子 編集協力/KANADEL

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