
1000人アンケートから見えた! 一緒の時間が少なくても、親子関係が良くなる関わり方②話の聞き方、笑顔での接し方
「子どもとの関わり時間」が少なくても、大切なのは「関わり方」。
1,000人の保護者に行ったアンケートの結果※と、おうちの方の声・アドバイスから、より良い親子関係を築くための関わり方をお伝えします。
※全家研ポピーと公益財団法人 日本教材文化研究財団が協力し、2歳~小4の保護者1,000人を対象に行ったアンケートです。各章にアンケート結果のグラフデータを掲載しています。

アンケート調査の分析にも加わった山田正樹先生と村松守夫先生(経験豊富なポピー教育対話主事)からのアドバイスもお届けします!
今回は、「子どもとの時間が少なくても、親子関係が良くなる関わり方」を、具体的な方法を交えてお伝えします。

親子の関係は、接し方で変わります!
その方法や工夫の仕方はさまざま。「これならできそう」と思うものを1つ選んで、少しずつ試してみませんか。
時間がなくても…
「子どもの話を聞く」ことで、親子の距離が近くなる!
目の前にやることが多くて、どうしても子どもの会話は後回しになりがち。
でも、わずかな時間でも子どもの話を聞くようにとすると、親と子の距離はぐんと縮まります。

隣のママ&パパの取り組み
どうしても手が離せないときは、いったん「ちょっと待って」。あとで、子どもの目を見ながら、1 分だけ話を聞くようにしています。


子どもの話を聞くことで、親子関係は密に!
ほんの1分でOKです。子どもの目を見て、笑顔で話を聞くことを意識するだけで、子どもは安心し、親子関係が密になります。

隣のママ&パパの取り組み
とりあえず、笑顔で「〇〇が終わったら聞くね!」と言って待たせ、家事がひと段落してから話を聞いています。時間が許す限り、たっぷり話をさせています。


聞くと話しやすくなる!「すぐに」が無理なら時間を約束
子どもは話し始めたら、園や学校であったこと、思ったことなど、いろんな話をするでしょう。普段からどんな些細なことでも興味をもって聞いてあげていると、子どもは話しやすくなります。また、親も一緒にいない間のことがわかって安心です。
手が離せないときは、「〇〇が終わったら聞くよ」というように、具体的に時間を約束し、聞いてあげると良いでしょう。

隣のママ&パパの取り組み
夕食のとき、「今日のハッピー」と題して、その日あった楽しかったことを、家族で順番に話しています。
これがなかなかおもしろくて。会話が弾みます♪

隣のママ&パパの取り組み
私は子どもが寝る前に帰れたとき、なるべく会話するようしています。外で見たことを話したり、逆に子どもが経験したことを聞いたりします。


話を聞いて、気持ちに寄り添ったり共感したりすることで、子どもの悩みや変化に気づきやすくなります。

おうちの方からの「こんなことあったよ!」
園や学校での出来事について、「今日、どうだった?」と尋ねるより、「お母さん、お父さんはこんなことがあったよ!」と話しかけると、子どもも楽しくなって話し始めるでしょう。
そうは言っても…
「話を聞く余裕がない」の
あるあるお悩み

隣のママ&パパのお悩み
切羽詰まったときとか、子どもが話しかけてくるタイミングが悪くて。
「あとじゃダメなの~!?」と思って、ムッとしちゃう。

隣のママ&パパのお悩み
平日は、自分のことや仕事のことで頭がいっぱい。
時間的にも気持ち的にも余裕がなくて…。

隣のママ&パパの取り組み
子どもの話は、「ながら聞き」しています。「手を動かしながら、耳を傾ける!」で。例えば、料理中なら、炒め物をしながら聞くという感じ。
その間、一瞬でも笑顔を向けるようにしています。


「ながら」でも、子どもはうれしい!
子どもは、「ながら」でも、話を聞いてもらえるとうれしいもの。子どものうれしそうな表情は、信頼関係の証です。
また、「ながら」で聞くときにも、ときどき笑顔を向けましょう。子どもは「ちゃんと聞いてくれている!」と安心します。

隣のママ&パパのお悩み
子どもの話が長くて…ダラダラしゃべって要領を得ないことが多い。思わず、「それで!?」って問い詰めそうになってしまう…。

隣のママ&パパの取り組み
あいづちを打ちながら、うまく話を誘導しています。
「へえ、そうなんだ!」「それからどうなったの?」とか。ある程度オチを予想しながら、合いの手を入れています!


「あいづち」も、子どもはうれしい!
「あいづち」を打つことで、子どもは寄り添ってもらえていると感じます。「○○だったんだね」「○○できたんだね」とオウム返しをするだけでも、子どもは安心感を覚え、心が満たされます。

隣のママ&パパのお悩み
最近、子どもが自分から話をしてくれなくて。
学校での出来事や様子を知りたいけれど、なかなか教えてくれない…。

隣のママ&パパの取り組み
「話を聞くよ」という姿勢を見せようと、まずスマホを置くようにしました。あと、テレビを消したり、用事を済ませたりして、子どもが話しやすい環境をつくりました。

「子どもファースト」を見せる!
親がスマホを置いて、話を聞く姿勢を見せることで、子どもは、「わたしファースト」「ぼくファースト」を感じます。
スマホの手を止め、子どもとしっかり目線を合わせると、自然と自分から話し始めてくれますよ。
アンケートデータから見えた!「子どもの話を聞く」ことの価値とポイント
- アンケートデータと解説はこちら
時間がなくても…
「笑顔で接する」ことで、親子の関係はより深まる!
心と時間に余裕がなくて、イライラした顔を子どもに向けていませんか。
少しでも笑顔を見せてあげると、子どもの気持ちはパッと明るくなります。
そして、親を信頼する気持ちを強くもちます。

隣のママ&パパの取り組み
1日1回、軽いスキンシップを心がけています。
例えば、「おはよう」「いってらっしゃい」のときに、肩をポン!とたたいてニコッとするだけ。少しずつ親子の関係がスムーズになっています。


笑顔+スキンシップで、親近感が倍増!
誰でも笑顔で挨拶されると気分が上がりますよね。これにスキンシップが加わると、距離感がぐっと縮まり、子どもの親への信頼感が増します。
大切なのは、親から挨拶すること。
くり返すうち、自然と子どもから挨拶するようになります。
「笑顔の余裕がない」の
あるあるお悩み

隣のママ&パパのお悩み
毎日、時間がない中で、やることがたくさんあって大変!
それをこなすのに必死だから、笑顔を向ける余裕なんてない。

隣のママ&パパの取り組み
「いつも笑顔」「ずっと笑顔」なんてムリ。
私は、「話しかけるときだけ笑顔」を意識するようにしています。自分にプレッシャーをかけず、「場面限定」で♪


一瞬でも、子どもは親の笑顔がうれしい!
仕事や家事で疲れているのに、「笑顔でいなきゃ!」と頑張りすぎて、どーんと疲れてしまうことはありませんか。「笑顔」は、意識するだけでじゅうぶんです。
できそうな場面を決めて、「このときだけ笑顔で」。
そんな心がけだけで親子の関係は変わります。

隣のママ&パパのお悩み
忙しいと、ついイライラが募ってしまいます。また、どんなタイミングで笑顔になればよいかわかりません。
気持ちを切り替えて、笑顔になるコツがあれば…。

隣のママ&パパの取り組み
できるだけ「ありがとう」を増やすようにしています。
小さなことでも、感謝する場面を見つけて「ありがとう」と言うと、みんな自然と笑顔になります。


日常の小さな「ありがとう」を見つけましょう!
「ありがとう」と言われると、うれしいですよね。積み重なると、自分も周りの人もハッピーにしてくれると実感します。
幸福感や満足感が増し、自然とみんな笑顔になります。

隣のママ&パパのお悩み
子どもがゲームばっかりしていてイライラします。
「早く〇〇しなさい!」と怒ってばかりいます。

隣のママ&パパのお悩み
子どもの「できない」「やらない」ばかりに目がいってしまいます。
怒らないまでも、笑顔で接する余裕はありません。

隣のママ&パパの取り組み
子どものいいところや、楽しそうなところを一緒に喜ぶようにしています。ゲームも「夢中になって脳は活性化している」とポジティブシンキングです!

隣のママ&パパの取り組み
「〇〇しなさい」ではなく、「〇〇してくれるとうれしいな」と声がけ。
「〇〇してくれる」ところを想像しながら言うと、笑顔になれます。
本当にしてくれたら、「ありがとう」や「助かるよ」と伝えます。


良いところに目を! 「〇〇してくれるとうれしいな」
子どもが楽しんでいる、集中している。それだけでも幸せなこと、良いことです。
良いところを見つけてポジティブに喜びましょう。
子どもはそんな親に共感、親近感をもちます。
気持を切り替えやすいように「〇〇してくれるとうれしいな」と声をかけておき、してくれた後に「ありがとう」や「助かったよ」を伝えるのも良いですね。
子どものやる気も育ちます。

隣のママ&パパのお悩み
そういえば、最近、笑顔になったことがないかも。
うまく笑顔が作れない…。

隣のママ&パパの取り組み
鏡を見ながら、笑顔の練習をしています!笑顔の練習をするだけでも、脳が活性化して、気持ちが前向きになれます。


笑顔の練習はGOOD!
笑顔をつくるだけで、幸福感が得られたり、リラックス効果が出たり、ストレスも抑えられたりします。
子どもにもポジティブに接するようになれます。意識的に練習することをオススメします!

「一瞬の笑顔」と「一言の感謝」を意識!
子どもとの時間が短くても、「一瞬の笑顔」と「一言の感謝」を意識するだけで大丈夫です。
実際にできなくても、いつも頭に置いていると、少しずつできる日が増え、親子の関係はとても良くなります。
アンケートデータから見えた!「笑顔で接する」ことの価値とポイント
- アンケートデータと解説はこちら

無理せず、できることから!
ここでご紹介したことを「なんとか頑張ろう」と無理してやる必要はありません。頭のどこかに意識しておき、できることからはじめてみる、そうすることで少しずつ良い親子関係が築けていきます。
第3回でも、引き続き「より良い親子関係を築くための関わり方」をお伝えします。
ポピー会員のおうちの方へ、お悩みの際はポピー子育て・教育相談(無料)を気軽にご利用ください。
1,000人の保護者に行ったアンケートの詳細「令和6年度 子育て意識・状況調査分析」は、公益財団法人 日本教材文化研究財団のホームページにて公開しています。
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