うちの子ちゃんと眠れてる? よりよい眠りのためのQ&A
「毎晩なかなか寝ついてくれない」「朝はぐずって準備が大変…」。
そんなお悩みをもつママ&パパは多いのではないでしょうか?
「ほほえみお母さん&お父さん6月号」では、睡眠の大切さを解説してきましたが、ここではよりよい眠りのためQ&Aをご紹介していきます。
お子さんにとってよりよい眠りについて、さらに考えていきましょう。
Q1 寝つきがよくなる、おすすめの入浴時間は?
A1 入浴は夕食前がおすすめ! 食後はゆったりと静かに過ごす時間に。
寝る前には、体温が下がって副交感神経(リラックスしているときに活発化する神経)が優位となる状態=睡眠の準備を進めている状態を作っておくことが大切です。寝る前に体を温めすぎることは、逆に体を目覚めさせてしまうため、就寝前の入浴はあまり望ましくありません。また、副交感神経が優位な状態は、食べ物の消化も促進します。ですから、なおのこと、夕食前の入浴をおすすめしています。
ちなみに、寝起きがよくないというお子さんには、逆に朝の入浴がおすすめです。体温が上昇し、交感神経(心身の状態が活発なときに優位となる神経)が働きますので、目覚めがよくなります。できれば、シャワーよりも少し熱めの湯舟につかるのがよいでしょう。しかし、寒い日には心臓に負荷をかけてしまうので、浴室をあらかじめあたためておくなどの工夫をしましょう。
Q2 夕食はいつ、どんなものを食べるのがいい?
A2 夕食は就寝時刻の2時間前に終えているのが理想! できるだけ消化のよいメニューがおすすめ。
食べ物が消化されてから、胃⇒十二指腸へと移動するまでには、約40分~1時間くらいかかります。特にこの間に横になると、胃に圧迫感が生じ、寝つきにくくなる原因にも…。
とは言っても、仕事に、習い事に、忙しい現代人にとって、食後に2時間の休憩をとることはなかなか難しいもの。そこで、夕食はできるだけ消化のよいものを選びましょう。例えば、鶏と野菜のあっさりしたスープにそうめんを入れたものや、雑炊などがおすすめです。油分の多い食事や大量の肉類や糖質は、消化に時間がかかるので、夕食にはおすすめしません。
また、寝る前に少量の砂糖を入れたホットミルクを飲むのも、リラックス効果を生みます。ゆったりとした気持ちで飲むことで、スムーズな寝つきを促してくれるでしょう。
Q3 子どもとはいっしょに寝た方がいいの?
A3 寝つくまでは大人が体を密着してあげると、子どもは安心して入眠できます。
大人が傍にいることで、子どもは安心して寝つくことができ、よりよい眠りにつながります。しかし、寝ついてからも添い寝をしていると、大人が身動きしたり、電気をつけて横で読書などをしたりすることで、子どもの睡眠の質を落としてしまう可能性も。寝ついたあとは、子どもが一人で、静かに真っ暗なところで眠れる空間を提供することが理想といえるでしょう。
ただし、それぞれの家庭によって生活空間や子どもの人数など、環境はさまざま。お子さんの様子を見ながら、ご家庭に合った方法を見つけてくださいね。
家事や仕事、習いごとと、親も子どももやることはたくさんですが、どんなに願っても1日は24時間しかありません。その時間の中で何を優先し、何は手を抜き、何を捨てるかということが重要です。睡眠で「脳」が育つということを心に留め、睡眠時間を確保したうえで、余った時間でそのほかのことをやりくりする発想に変えていけたらいいですね。
寝不足の子どもは、その親も寝不足であることが多いともいわれています。親子でいっしょに、よりよい睡眠ライフを目指していきましょう!
監修/小児科医・医学博士 成田奈緒子
イラスト/sayasans