
【小学校の通知表】Q&A 保護者の気になるアレコレを解決!
小学校生活・学習情報
目次

夏休みに入る前、子どもが持って帰ってくる「通知表」。
「今学期の成績は?」「どんなふうに見ればいい?」など、子ども以上にドキドキしてしまいますね。今回は、通知表についての疑問や不安を解決します。
そもそも「通知表」って何をするためのもの?
通知表は、学校での学習や生活の様子を家庭に伝えるための記録です。 以前は、「クラスの中でどれくらいの位置にいるか(相対評価)」を示す意味がありましたが、近年は「その子にどんな力が育っているか(絶対評価)」を見る方向へ変わっています。
!ここをCHECK
最近では、通知表をなくしたり、発行の回数を年1回に減らしたり、内容を簡単にしたりする学校も増えています。なぜなら、子どもの成長は、段階的な評価や数値だけで表すのが難しいことも多いからです。そのため、通知表という紙の記録に頼るのではなく、面談やICTを使った日常的なやり取りを重視する学校も増えてきました。
通知表でどんなことを評価するの?
評価は、次の3つの観点で行われます。
| 観点 | 評価内容の例 | 評価の材料 |
| ① 知識・技能 | 基本的な知識や、計算・漢字などのスキルが身についているか。 | テストの基本問題、小テスト、実技テストなど |
| ② 思考・判断・表現 | 知識を使い、自分で考え、判断し、他者に伝える力があるか。 | テストの応用問題、レポート、発表、制作物など |
| ③ 主体的に学習に取り組む態度 | 自ら学習を調整しようとしているか。粘り強く取り組んでいるか。 | 振り返りシート、ノートの工夫、授業中の発言や活動など |
!「主体的に学習に取り組む態度」とは
単に授業中によく手を挙げたりすることだけではなく、自分の弱点を見つけてどう改善しようとしたかなど、何をするのかを自分で決めて進める姿勢が重視されています。
通知表で注目したい項目は?
まず、通知表のどこに何が書いてあるのかを見てみましょう。

① 成績欄
各教科の目標に対して、観点ごとに、よくできる(◎)・できる(〇)・もう少し(△)などの3段階で評価されています。(A・B・Cなど、評価の仕方は地域によって違いがあります)
また、1年生の間は2段階で評価する場合もあります。
② 行動の記録
学校生活の中で、特に優れていると認められる項目に「〇」が記入されます。全ての項目に〇がつくケースは少なく、いくつかの項目に絞って評価されるのが一般的です。○が少ない=素行が悪いことではないのでご安心ください。
③ 所見欄
成績欄や行動の記録では伝えきれない、子どもの学校での学びや生活の様子がまとめられています。所見欄を読むと、子どものよい面や成長できた面が具体的にわかります。所見欄は最近、簡略化される傾向にあります。

Q:うちの子の成績、よいのか悪いのかイマイチわかりません……
A:通知表でわかるのは「達成度」。他の子と比べてよいか悪いかではない
小学校の通知表の評価の欄は、「学習目標をどれだけ達成できたかどうか」を記録したものです。
「よくできる(◎)」の数が多いのは、その学期の学習目標を十分にクリアできたという印です。しかしそれは、その子が個人として達成できたということで、「クラスの子たちよりもよくできた」ということではないのです。
通知表は、成績が(他の子と比べて)「よい」「悪い」ではなく、子ども個人で見たときに「成長したかどうか」という基準でつけられたものだと考えるとよいでしょう。
Q:とりあえず、◎(よくできる)の数を数えておけばよい?
A:数えておいて悪いことはありません。ですが……
◎(よくできる)の数を数えることは、悪いことではありません。その学期に達成できた項目なので、大いにほめてあげてください。
一方、次の学期に向けて、さらに成長をめざすには、◎以外の評価がついたところをどうやって伸ばしていけばよいかを考えるとよいですね。

Q:テストの点数に比べて、何だか評価が低い!?
A:テストの点数と通知表の評価は一緒ではない
小学校のテストは、平均で80点程度が取れるように作られています。ですから、ふだんの得点が90点以上でも、感覚的には「合格」というレベルであることが多いのです。
また、「思考・判断・表現」や「主体的に学習に取り組む態度」は、「授業中の学習の様子」「提出物の内容」など、テストの得点以外のさまざまな要素で評価されます。
おうちでは見えない学校での姿が評価に加わっているのです。
Q:行動の記録に○が一つしかない。これって大丈夫?
A:「○」は特にすぐれていたことだけにつきます
「行動の記録」は、その学期の間、特に素晴らしかった行動や生活の様子を伝えるものです。○がついていない=ダメだった、という意味ではなく、○がついているところを大いに評価していますよ、という意味だと受け止めましょう。

Q:所見欄に書いてあることって本当?(「活発だ」とあるけど家では大人しい。ほんと?)
A:家庭では見えない子どもの様子を伝えてくれている
おうちでは大人しくても、学校に行けば活発に活動したり、おしゃべりをしたり。内と外での子どもの姿は違うことも少なくありません。
しかし、どちらも子どものありのままの姿。「もしかしたら、学校では精一杯がんばっているのかもしれない」と、否定しないとらえ方をしたいですね。
Q:通知表をもらってきた子どもに、どう声をかけたらいい?
A:通知表は、子どもを査定するものではありません。子どものやる気がアップする声かけを
まずは、子どもに今回の感想を聞いてみることが大事です。たとえば、次のような流れで会話ができるとよいでしょう。
子どものやる気がアップする会話の流れ

○○をがんばったよ。

なるほど、ここをがんばったんだね。

だけどね、▲▲のところは、もっとがんばりたかった。

そうか、じゃあ次は▲▲をがんばろうね。
このように、子どもに寄り添って話を聞くと、自然に次の学期の目標ができます。
NGな声かけ例

あら、Aのところには、あんまり○がついてないね?
→まずは学期中にできたことや良い面を取り上げましょう。

お兄ちゃん(お姉ちゃん)はできたのにな……。
→きょうだいで比較するのは最もダメージを与えます。

今回は残念だったね。
→上から批評する言い方になっています。残念だと感じているのは親自身です。親の感想は、子どもには関係のないことです。
Q:△(もう少し)がついている部分は、どう受け止めたらいい?
A:どの観点に△がついたかに注目。学校で困り事がないか確認しよう
通知表の△(もう少し)は、子どもの苦手な部分や困り事に気づくためのサインです。まずは、どの観点に△がついているのかを確認します。
それぞれの観点でCHECK
- 「知識・技能」の場合は、学習内容の理解や基礎的な力の定着が十分でない可能性があります。
- 「思考・判断・表現」なら、自分の考えを整理したり、説明したりすることに苦手さがあるのかもしれません。
- 「主体的に学習に取り組む態度」では、授業への参加のしかたや学習習慣に課題が見られる場合があります。
大切なのは、評価そのものに一喜一憂することではなく、その背景を知ることです。子どもに学校で困っていることはないか聞いたり、必要に応じて先生に様子を尋ねたりしながら、家庭でできるサポートを考えるきっかけにしましょう。
Q:保護者のコメント、何を書けばいいの?
A:学期の感想と、次の学期への目標を書こう
保護者のコメント欄に何を書けばよいか、悩む方もいます。ここは、おうちの方が通知表を見たことを伝え、それに対してどう感じたかを返信するスペースです。たとえば、次のようなことを書くとよいでしょう。
コメント例
- 通知表を見ての感想(子どもの成長を感じるところ、その学期にがんばったと思うところ)
- 親子で何を話し合ったか(通知表を見て、どんなことを話したか)
- 次の学期への目標(どんなところをがんばりたいと思ったか)

Q:通知表のおすすめの活用法は?
A:次の学期が始まる1週間前に見返そう
通知表を次の学期が始まる直前に見ると、もらってすぐのときよりも冷静に見ることができます。子どもがなぜここができたのか、あるいはできなかったのか、よりクリアに分析できるでしょう。
その後で、子どもと次の学期のことを話し合ってみましょう。教科書も一緒に見ながらだと、次の学期の予習にもなります。
通知表は、親が子どものがんばりやよいところを発見できる力を養うための、絶好のツール。子どもを評価するのではなく、「ほめるところ発見センサー」を磨くチャンスだととらえましょう。
(構成・文:サード・アイ/イラスト:松井晴美)
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