
子どもがおふろを嫌がる問題に専門家がアドバイス!カギは洗顔・洗髪!
必見!ヘルスケア
子どもがおふろで顔に水がかかるのを嫌がる、髪を洗おうとすると逃げる…。そんな入浴時の悩みに専門家がお答えします!
おふろの時間になると、顔に水がかかるのを嫌がったり、シャンプーのたびに泣いてしまったり…。
未就学のお子さんを持つパパ・ママには、よくあるお悩みの一つではないでしょうか。
「どうしてこんなに嫌がるの?」
「ちゃんとできるようになるの?」
そう感じているかたに向けて、日々子どもの発達支援に関わっている作業療法士の小林先生に、洗顔や洗髪を嫌がる子どもとの関わり方のヒントと、洗顔・洗髪をスムーズにする6つの工夫を教えていただきました。

作業療法士 小林 良 先生
発達支援室わお 代表
総合病院勤務を経て、現在は発達が気になる子どもへの個別支援や、保育園・自治体での講演や相談支援などを行う。小児科医院に籍を置き、子どもの心身の健康管理と発達支援をシームレスに対応できる環境整備にも尽力中。
おふろ嫌いの原因=なぜ子どもは洗顔・洗髪を嫌がるの?

洗顔は、顔に水をバシャバシャかけられるのが理想ですが、それが苦手な場合はぬれたタオルで拭き取るなどの方法もありますね。しかし、洗髪はシャンプーを洗い流す必要があるため、どうしても頭から水をかける必要があります。これを嫌がる子は少なくありません。
まず理解していただきたいのは、「嫌がるのには理由がある」ということです。
大きく分けると、2つのパターンがあると考えられます。
子どもがおふろでの洗顔・洗髪を嫌がる理由1:見通しが立たない不安
一つは、「何が起きているかわからない」という不安です。下を向いてシャワーで流す洗髪スタイルの場合、お子さんの頭は不安でいっぱいに。
- いつ終わるんだろう
- 目を開けたらシャンプーがしみて痛いかも
- 口を開けたら水が入ってきて苦しいんじゃない?
どのタイミングで目を閉じるのか、どれくらい息を止めていればいいのか、そのイメージが持てないため、「怖い」と感じてしまうことがあるのです。
子どもがおふろでの洗顔・洗髪を嫌がる理由2:感覚の敏感さ(感覚過敏)
もう一つは、お子さん自身が「水の感覚そのもの」を苦手とするケースです。
水が当たる感覚を
- チクチク痛い
- とても不快
と感じる子もいるのです。
こうした感覚の違いは一定数見られるもので、特に発達に特性のあるお子さんでは珍しくありません。
とはいえ、この感覚は成長するまでずっと同じとは限りません。また、安心できる環境では軽減することもあります。
未就学児は、「やらなきゃいけないことだから頑張る」という力がまだ十分ではありません。
小学生になると「みんながやっているからやってみよう」と行動できる子も一定数増えますが、幼児期にはまだ難しいのです。つまり、「できるはず」と大人が思うことでも、子どもにとっては簡単にできることばかりではないのです。
子どものおふろ問題=洗顔・洗髪をスムーズにする6つの工夫
ここからは、実際に試してみてほしい工夫をお伝えします。
正直なところ、「これをやれば必ずできるようになる」という特効薬のような方法はありません。子どもそれぞれにイヤなこともそれを克服する方法も違います。
ポイントは、「その子に合う方法を見つけてあげること」です。「実験」のような感覚で、いろいろな方法を根気よく試してみてください。
子どものおふろ問題=洗顔・洗髪をスムーズにする方法1:姿勢を変える
下を向くのを嫌がる場合は、美容室スタイルで仰向けで洗うのが有効です。
マットや膝の上に寝かせて、シャワーで後ろに流すようにすると、顔に水がかからないため安心できます。
子どものおふろ問題=洗顔・洗髪をスムーズにする方法2:段階的に慣らす
いきなりシャワーではなく、少しずつ慣らしていきます。
濡れタオル → 手 → コップ → 手桶 → シャワー
また、じょうろや水鉄砲などあそびの延長の「予測しやすい水」から始めるのも効果的です。
子どものおふろ問題=洗顔・洗髪をスムーズにする方法3:見通しをつくる
シャワーなら「あとどれくらいで終わるか」を伝えると、安心してくれることも。
「3秒だけ流すね」
「5つ数えてね」
こうした声かけで、「これならできそう」と思える子は多いです。
子どものおふろ問題=洗顔・洗髪をスムーズにする方法4:子どもに選んでもらう
「どれで流そうか?」と選択肢を出すことも大切です。
- 手桶で流すかシャワーにするか
- シャワーの強さを自分で調節する
自分で選ぶことで、「やらされる」→「自分で決めた」に変わります。
シャンプーハットの使用も選択肢の一つでしょう。最近はゴムやシリコンなどを使用して頭にフィットするものがあり、水が顔にかかりにくいのでおすすめです。
子どものおふろ問題=洗顔・洗髪をスムーズにする方法5:あそびの中で経験を増やす
おふろ以外の水あそびも大切です。
あそびの中だと、水に対する抵抗が弱くなる子も多いです。
「水=楽しい」という経験を積むことで、苦手意識が変わっていきます。
子どものおふろ問題=洗顔・洗髪をスムーズにする方法6:小さな成功を大切にする
「できたかできなかったか」ではなく、「どこまでできたか」を見てあげてください。
「今日は耳の横にも水をかけられたね」
「今日は3まで数えられたね」
こうした声かけが、次のチャレンジにつながります。
ちょっとしたことで構いません。達成感やほめられたことが自信につながり、ある日突然できるようになったりするものです。焦らずあきらめず、気長に取り組んでほしいです。
他の子と比べてしまう…お悩みは専門家に相談を
多くの場合は、成長とともに少しずつできるようになります。
ただ、以下のような場合は専門家に相談するのも一つの方法です。
- 強い拒否やパニックが続く
- 水以外の感覚にも敏感さがある
- おうちのかたが「気になる」と感じている
専門家に相談することで、その子に合った関わり方が見えてきますし、おうちのかたの負担も軽くなるはずです。
一人で抱え込まず、保健センターや発達相談などを活用していただければと思います。
まとめ
子どもが洗顔や洗髪を嫌がるのは、わがままではありません。
不安や感覚の違い、発達段階など、さまざまな理由があります。
大切なのは、「できるようにさせる」ことより、「その子に合ったやり方を見つけること」です。
きょうだいでも苦手なことやその克服方法が違うものです。つい他の子どもと比べたくなると思いますが、子ども自身を傷つけてしまう可能性もあるため、おすすめできません。
完璧を目指す必要はありません。
「今日はここまでできた」
その積み重ねが、自然と次の一歩につながっていきます。
少し肩の力を抜いて、「今日はどれならできるかな?」という気持ちで関わってみてください。
取材・文/那須由枝 編集協力/東京通信社 イラスト/おおたきょうこ
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