子育て世代必見!【カナさんちの子育てのハナシ 前編】
元校長先生が聞く ○○のハナシ
対談第7回
第7回 俳優・三倉佳奈さん
× 元京都市立小学校校長 村田稔子先生
この連載では、ポピーで長年子育ての悩みに寄り添ってきた「ポピー教育対話主事」の先生方が、様々な分野で活躍中の方へインタビューします。第7回目の対話主事は、村田稔子先生です。そして、今回お話を伺ったのは、NHKの朝ドラ『ふたりっ子』で双子の姉・茉奈さんと共に一躍、人気者となった三倉佳奈さん。
小学4年生と2年生の2児の母となられた現在、俳優活動とともに育児にも奮闘されている佳奈さんは、そうした様子をYouTube「マナカナんち」で積極的に発信されています。前編では、ご自身の子ども時代のことや、そのときの経験で今の子育てに活きている点などを伺いました。
三倉 佳奈(みくら・かな)さん:俳優
1986年2月23日生まれ、大阪府出身。関西学院大学社会学部社会学科卒業。
1996年、NHK朝の連続テレビ小説『ふたりっ子』で、双子のヒロインの幼少期を演じ、脚光を浴びる。以後、双子の姉、三倉茉奈と共に、“マナカナ”の愛称で親しまれ、テレビ、ラジオ、映画、CM、舞台、イベントなどで、国民的な人気を誇っている。2008年9月〜2009年3月に放送された、NHK朝の連続テレビ小説『だんだん』では、姉・茉奈と共に、朝ドラ史上初となる二度目のヒロインを演じ、舞妓の役に挑戦するなど、女優としての活動の幅を広げる。また、『だんだん』の劇中歌「いのちの歌」がシングルリリースされるなど、歌手デビューも果たした。趣味は、写真・お笑いを見ること・旅行・卓球。特技は、テナーサックス・京舞・朝鮮舞踊。
三倉茉奈 三倉佳奈 Official Website YouTube(マナカナんち)
Instagram オフィシャルブログ「三倉さんちの次女ブログ」
村田 稔子(むらた・としこ)先生 (ポピー教育対話主事)
京都府出身。松阪女子短期大学卒業後、佛教大学通信教育課程教育学科修了。
1976年より京都市立小学校の教諭となり、家庭科教育の研究や、生活科・総合的な学習の時間の研究を通して、子どもの主体的な学びや、創意工夫を生かした学びの姿を目指す。2010年より小学校校長として学校経営を担う。
2015年より、全家研ポピー教育対話主事に就任。
子育て中の保護者に向けたインスタライブでの情報発信や教育講演会に力を注ぐ。
「楽しい!」が育児の原動力
村田稔子先生(以下、村田):佳奈さんは小学生の頃、ポピーのCMに出られていたんですね。
三倉佳奈さん(以下、佳奈):6年生のときに茉奈と出させていただきました。ちょうど『ふたりっ子』が放送されていたくらいの時期だったと思います。
村田:小学校に通いながらドラマにもCMにも出演され、大変ではなかったですか。
佳奈:学校からランドセルを背負ったまま、地下鉄に乗ってNHKに通っていましたね(笑)。
でも、当時の演出家の方が「学校の行事は大切にしたほうがいい」と言ってくださる方で、例えば運動会などの行事に合わせてスケジュールを融通してくださったんです。
ですので、大変ではありましたが、周囲の皆さんのおかげで学校と芸能活動の両立ができていました。
村田:勉強も大変だったと思うのですが、勉強は嫌いじゃなかったとか。
佳奈:そうなんです。勉強がイヤになった時期がないんです。でもそれは、同じように仕事も勉強もがんばっている姉の茉奈の存在があったからだと思います。私も茉奈も負けず嫌いで、お互いに1点でも勝ちたいという気持ちが強かったんです(笑)。それがモチベーションになって、中学や高校でも勉強をがんばれました。
私ひとりだったら「どうして私だけ仕事しながら勉強まで!」ってイヤになっていたかもしれません。
村田:ご両親に「勉強しなさい!」などと言われたことはないんですか。
佳奈:あまりないんです。ただ、前向きに勉強に取り組めたのは、母の影響が強かったと思います。
例えば、一緒にお風呂に入って九九を教えてくれたり、ABCの歌をノリノリで歌ってくれたり、机に向かう勉強とは違う形で、遊びながらいろんなことを教えてくれたんです。
そのおかげで「勉強は楽しいものだ」という意識が幼児期から低学年の間に培われたのだと思います。
村田:1年生に入学したばかりの児童に「何が楽しみ?」と聞くと「お勉強!」と答えてくれるのですが、学年が上がると、いつの間にか勉強嫌いになってしまっている子も多いです。そういう意味でも、茉奈さんやお母様の存在は大きかったのですね。
佳奈:そうですね。自分も母親になったことで視点が変わり、両親の苦労がわかるようになりました。
私たちは双子だった上に芸能活動もしていたので、母はなおさら大変だっただろうな……と。ですので、両親には感謝しかありません。
今では私が、母がしてくれたようにお風呂の中で子どもたちに楽しく九九や漢字などを教えています。
勉強でもしつけでも、子どもとの毎日の中では、そうした「楽しい!」っていう気持ちを原動力にしているんですが、振り返れば母親ゆずりなのかもしれませんね。
子育ての秘訣は、ひとりでがんばりすぎない
村田:姉の茉奈さんからは、何かサポートをしてもらいましたか。
佳奈:私も夫も両親が関西在住なので、今も茉奈には何かと助けてもらっています。
どうしても仕事があるときに世話をしてもらったり、子どもの相手をしてもらっている間に私が自分の時間を持ったり、ほかの人には話しにくいグチを聞いてもらったり(笑)。
そうやって、気を使わずに頼れる存在がいることは心強いですね。
村田:子育てに関して、誰かに頼ることに抵抗がある方も少なくないようです。佳奈さんはいかがですか。
佳奈:私も抵抗がまったくないわけではありません。でも、周りの力を借りないと毎日が回っていかないので(笑)。
周囲に手伝ってもらったことは、自分にも子どもにも結果的に良かったと思っています。
というのも、私の言うことは聞かないのに、茉奈の言うことなら聞くことが時々あって、その様子を見て「あ、子どもって母親の言うことだけで育つわけじゃないんだ」って思えたんです。
その瞬間、それまでは「私の世界の中」だけで解決しようとしていた自分に気付き、視野が広がりましたね。
村田:子役時代と同様に、今も周りの方に支えられながら育児とお仕事を両立されているんですね。頼れる人がいることは、佳奈さんとお子様にとって幸せなことだと思います。
いかがでしたか? 引き続き後編では、佳奈さんに、YouTubeの発信から得た気づきや子育てで心がけていることなどをお聞きします。