学習机はいつ買う? どんなものを選ぶ?
入学に向けた環境づくりメソッド
学習机はいつ買う?どんなものを選ぶ?整理収納アドバイザーの水谷妙子さんに子どもの学習環境の整え方をうかがいました。
Q.学習机は入学前に買ったほうがいいですか?
A.慌てて買わなくてOK。買うのは必要な時期がきてからでも。
ランドセルをはじめとしたさまざまな学用品を準備する小学校入学前。でも、学習机に関してはちょっと待って! 整理収納アドバイザーの水谷妙子さんが、子どもの学習習慣や自分でかたづけられるようになる時期を見極めた、学習机の買い方についてじっくりアドバイスします。
水谷妙子さん
整理収納アドバイザー
無印良品の商品企画を13年務めたのち、2018年に独立。「ものとかぞく」主宰、著書多数。
学習机が本当に必要になる時期を見極めましょう。
学習机があれば日々の学習習慣につながる場合もありますし、何よりも学習机がお子さんの勉強のモチベーションになれば、おうちのかたとしてもうれしいですよね。でも、入学したばかりの1年生に、あの大きな学習机が本当に使いこなせるのだろうか、という疑問もわいてきます。毎日の宿題はどんなものが出るのか、お子さんがどんなスタイルで学習するのか、まだよくわからないうちに学習環境を整えるのは、難しいものです。入学前だからと焦らず、一度気持ちをフラットにして、学習机が本当に必要になる時期を見極めましょう。
大切なのは、お子さんが学習しやすい環境かどうか。
入学後、実際に家庭学習に取り組んでみて、初めてわかることはたくさんあります。宿題の量やスタイルは学校によってさまざまですし、お子さん自身がどのように取り組みたいかも一人ひとり異なります。
兄弟姉妹と一緒だと集中できない、床に座って書くほうが落ち着くからちゃぶ台などの低めの机がいい、おうちのかたが隣りにいないとできないからリビングで、などなど。特に低学年のうちはおうちのかたの見守りや手助けが必要な場合も多く、親子でどうするのがベストかを探していくことになります。
まずはお子さんの様子をよく観察しましょう。そしてシミュレーションをして、必要があれば変えてみてください。学習机にこだわることなく、運用しながらゆっくりと、お子さんと相性のよいアイテムや学習環境を見つけていけばいいと思います。
まずは、家にあるもので学習環境を整えてみましょう。
学習机で、という思い込みを捨てれば、ダイニングテーブルも立派な学習環境になりえます。さらに教科書やランドセルを収納する場所もほしい、となってきたら、家にある簡易な棚やカラーボックスなどで代用するのもオススメ。何をしまう場所が必要なのか、どのくらい量があるのか、さらにはお子さんが自分でしまえるかどうかなど、検証することがたくさんあるので、収納はオープンで、仕切りや機能が後から追加できるものがいいですね。
学校から持って帰ってくるのは、さまざまなおたよりに、親のサインが必要な書類、まだ使うプリントに、あまり使わないプリント……書類や学用品を整理整頓するのはなかなか大変です。ファイルボックスやわかりやすい目印などで工夫しながら、お子さんでも難しくないかを目安に、一緒に整理整頓できる環境が作れるといいですね。
水谷さんのお子さんたちの収納スペース。小さな座卓も収納されています。棚の上には工作の作品入れがあり、いっぱいになったら中身を見直します。キャンバス生地のボックスには、物の名前を書いた養生テープが貼ってあり、かたづけやすくなっています。
購入するのは、求める条件が出揃ってから。
わが家は何かを購入するときに、「こんなものがあったらいいのにな」という求める条件が出揃うまで様子を見ます。
例えば、うちの長女の場合、子ども部屋を作ったときに学習机の購入を検討したのですが、まずは自宅にあった大人用のミニデスクを使ってみることにしました。この机は、コロナ禍で在宅ワークが増えた際、家の中で移動がしやすいようにと軽くてコンパクトなものを選んでおり、奥行も幅も狭く、いわゆる学習机ではありません。でも、今のところ、彼女にはこのコンパクトな空間が合っているようです。やがて、大きさや機能などに不具合が出てきたら、それを学習机に求める条件として、新たに探したいと考えています。
水谷さんの長女は、奥行も幅も狭いコンパクトなミニデスクで現在お試し中。
水谷さんからのワンポイントアドバイス
●学習机を買うときは、処分するときのことも考えてみる
質量の大きな物を買うときは、捨てやすさに目を向けることも大切です。使わなくなったとき、いらなくなったときの大変さをイメージして、慎重に検討しましょう。
●専用品よりも汎用性の高いものが便利
オープンで仕切りのない棚を使うと、お子さんが成長したときに使い方が変わってもアレンジがしやすく便利です。「○○専用」という家具よりも、何にでも使えそうな汎用性が高いもののほうがオススメです。
就学お役立ちアイテム
水谷さんから、就学にあたって便利なお役立ちアイテムをご紹介いただきました!
電動鉛筆削り
小学校に上がると毎日のように鉛筆を削るので、自動で削れるタイプが便利です。特にこれは削り終わると鉛筆が自動で上がってくるのが楽しく、子どもたちも鉛筆の管理を面倒くさがらずにやってくれます。
SASITEMI(サシテミ) https://bungu.plus.co.jp/product/
文/池田恵子 編集協力/KANADEL