
習ったはずの漢字を使わない子どもに、どのように対応しますか?
親野先生の親力診断

お子さんとどのように関わり、どのような言葉をかけ、
どんなコミュニケーションをとっていますか?
言い方ひとつ、やり方ひとつで子どもは大きく変わります。
ポピーの「親力診断」をよりよい親子の関係づくりにお役立てください。
診断してくださるのは……

親野 智可等(おやの ちから)先生
教育評論家。教師経験をもとに子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育などについてInstagram、Threads、Xなどで発信中。「子育て365日」「反抗期まるごと解決BOOK」などベストセラー多数。「ドラゴン桜」の指南役としても著名。オンライン講演を含む全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。
今回の親力診断
子どもの毎日の宿題として日記が出ます。
わが子が書いたものを読むと、いつも平仮名が多くて、
習ったはずの漢字もあまり使われていません。
さて、このような場合、
あなたならどのように対応しますか?


まず、習った字は漢字に直させる。
その後で、中身に大いに共感してほめる

まず、中身に大いに共感してほめる。
その後で、習った漢字に直させる

とにかく中身を大いに共感してほめる。
あまり漢字のことにはふれない

正しい表記を身につけられるように、
習った漢字を使って書くことを重点的に指導する
どれが正しいか、ではなく、実際問題自分……と考えて答えてください。
……選びましたか?
それでは親力診断、スタートです!
診断結果
解説動画でご覧ください
動画の概要は下をチェック!
Aを選んだ場合
まず、指導。その後にほめる
子どもは日記を書き終えたことに喜びを感じています。まず、きちんと宿題をやったことをほめてあげましょう。
さらに、日記の内容に共感したり、表現をほめたりしてあげてください。
すると、素直に直そうという気持ちになれます。
Bを選んだ場合
まず、大いに共感してほめる。その後に指導する
この順番のほうが、いいでしょう。
日記や作文の指導で大事なのは2つ。1つは、文章の中身への共感、もう1つは、表現をほめることです。その後でなら、習った漢字へ素直に直そうという気持ちになれると思います。
ただし、指摘は1個か2個ぐらいにしておきましょう。あまり無理をすると、書くことが嫌いになってしまう可能性があります。
Cを選んだ場合
とにかく大いにほめる。漢字のことにはあまりふれない
この方法で毎日やれば、子どもは書くことが大好きになります。
楽しんで書くうちに、文章表現力もついてきます。文章を書く力は、考える力、思考力とリンクしていますので、教育的効果が上がると思います。
Dを選んだ場合
習った漢字を使うように、指導する
この方法では、文章を書くことに喜びを感じることはできません。あまり言い過ぎると書くことが苦痛になってしまいます。まずは、グイグイ書くその楽しさを味わわせてあげることが大切です。そうすれば、書くことが好きになります。
今回のポイント!
私の実感を正直に言いますと、個性的で面白い文章を書く子どもは、ほとんどの場合、あまり漢字を使いません。
子どもはなかなか、両方に気が回らないのです。どうせなら、文章の中身のほうに気をまわせたほうがいいと思います。そのほうが書くことの楽しさを味わえると思います。私は子どもの日記や作文の指導は、とにかく書くことが好きというふうにしてあげることが最優先だと思います。
今日も明るく楽しく、元気にお過ごしください。
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