
子どもの話をうまく引き出すには?
親野先生の親力診断

お子さんとどのように関わり、どのような言葉をかけ、
どんなコミュニケーションをとっていますか?
言い方ひとつ、やり方ひとつで子どもは大きく変わります。
ポピーの「親力診断」をよりよい親子の関係づくりにお役立てください。
診断してくださるのは……

親野 智可等(おやの ちから)先生
教育評論家。教師経験をもとに子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育などについてInstagram、Threads、Xなどで発信中。「子育て365日」「反抗期まるごと解決BOOK」などベストセラー多数。「ドラゴン桜」の指南役としても著名。オンライン講演を含む全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。
親力診断:子どもの話をうまく引き出すには?
この頃、元気がない6年生の息子。
以前はよく遊んでいた友だちのF君と、最近は遊んでいない様子です。
その辺りに理由がありそうなのですが、
どのように切り出せば、うまく話を引き出せるのでしょうか?


F君にいじめられているの?

F君とけんかでもしたの?

F君は、この頃どう?
どれが正しいか、ではなく、実際問題自分だったら……と考えて答えてください。
……選びましたか?
それでは親力診断、スタートです!
診断結果:子どもの話をうまく引き出すには?
解説動画でご覧ください
動画の概要は下をチェック!
A:F君にいじめられているの? を選んだ場合
もし、本当にいじめられている場合でも、このように聞くとなかなか本当のことは言わないでしょう。子どもにもプライドがあるので、言いたくないという気持ちもあります。また、親に心配をかけたくないという気持ちも働き、うっかり下手なことは言えないと感じて警戒してしまうのです。
B:F君とけんかでもしたの? を選んだ場合
Aとほとんど同じ聞き方です。話を引き出すためには、とにかく子どもに警戒されないような切り出し方をしたほうがいいでしょう。
C:F君は、この頃どう? を選んだ場合
この切り出し方なら、子どもが自然に話し出す可能性が高いと思います。このごろのF君の様子を聞いているだけだからです。話しているうちにだんだんと、F君と自分の関係に話が及ぶ可能性もあります。F君は自分勝手だとか、たたいてくるなどと話し始めるかもしれません。
今回のポイント!
想像してみてください。
職場や近所の人で悩みがありそうな大人がいるとき、みなさんは直接的な聞き方をしますでしょうか。例えば、「○○さんとうまくいってないの?」などというようにです。多分そういう聞き方はしないはずです。いきなりこのように聞くと、相手は本当のことを言いにくいものですよね。やはり警戒してしまうでしょう。
ですからもう少し遠回りに切り出して、自然にそのような話題になるようにもっていくのが、うまいやり方です。これは親子の場合でも全く同じです。最初の切り出し方が大切です。ですが、親子の場合は遠慮がなくなっていて、親が子どもの気持ちを慮(おもんばか)って声かけをすることができなくなっている例が多いです。
でも、やはり下手な切り出し方をすると子どもに警戒されてしまいます。そうなると、その後子どもの話をうまく聞き出せないということになりかねません。最初の一言を大切にして、警戒されないように、「何気なく・さりげなく」を心がけてください。
今日も明るく楽しく、元気にお過ごしください。
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