子どもの物を捨てたいとき、どうしますか?
親野先生の親力診断
お子さんとどのように関わり、どのような言葉をかけ、
どんなコミュニケーションをとっていますか?
言い方ひとつ、やり方ひとつで子どもは大きく変わります。
ポピーの「親力診断」をよりよい親子の関係づくりにお役立てください。
診断してくださるのは……
親野 智可等(おやの ちから)先生
教育評論家。教師経験をもとに子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育などについてInstagram、Threads、Xなどで発信中。「子育て365日」「反抗期まるごと解決BOOK」などベストセラー多数。「ドラゴン桜」の指南役としても著名。オンライン講演を含む全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。
今回の親力診断
子どもの物を捨てたいとき、
あなたならどうしますか?
【A】もともと親のお金で買った物なのだから、いらない物は捨ててもいい
【B】「片づけてない物は捨ててもいい」という約束を親子でしておけば、捨ててもいい
【C】やはり、子どもに聞いてから捨てたほうがいい
診断結果
結果で一喜一憂する必要はありません。じっくり解説を読んで参考にしてみてください。
子どもの物は子どもの物です。きちんと確認をとりましょう。
【A】を選んだ人は…
これは親の一方的な理屈です。親がこういう理屈を振りかざすと、子どもは「生んでくれと頼んだ覚えはない」という理屈を持ち出すようになります。
【B】を選んだ人は…
理論的には正しいように見えます。でも、実際にこれをやると、間違いなく親子の信頼関係は崩れます。子どもが、親に対していい感情を持てなくなるからです。親の大きな愛情に包まれて安らぐどころか、いつもびくびくして過ごすようになります。
【C】を選んだ人は…
親がいらないと思って捨てた物が子どもにとっては大切なものだった、ということはよくあることです。それに、親子の信頼関係は片づけよりも大切です。
今回のポイント!
子どもにとっても自分の所有物は 自分そのものです。
人間にとって、所有物と自我は深く関係していて、自分の所有物は自我の延長でもあります。
ひとが自分の物を他人に勝手に使われると頭にくるのも、そこに理由があるわけです。場合によっては、自分の物を勝手に触られたり位置を変えられたりしただけで頭にくることもあります。それらはすべて、自分の自我が不当に侵されたと感じるからで、捨てられたとなれば、なおさらです。
ですから、親が子どもの物を勝手に捨てるというのは、ただ単に物を捨てるという行為に留まらないことを覚えておく必要があります。
つまり、親は片づけてきれいにしてあげたつもりでも、子どもは自分の自我(気持ちや意思)が無視されたと受け取ることになります。とくに、思春期においてはそうでしょう。
実際に、私の知り合いで【B】のような強攻策をとった父親がいました。今、子どもは成人しましたが、実家には、年に一度、父親がいないときを見計らって帰って来るそうです。
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