【今月の栄養素は“糖質”】 かつおの手こねずし
栄養素から考える健やかレシピ
今月のテーマ
新年度が始まって1か月。新しいクラスに慣れてきたようだけれど、少し疲れが見えてきて、朝も早く起きるのが辛い様子。そんなときにオススメの一品を、栄養管理士で料理研究家の牧野直子先生にご紹介いただきました。
脳と体にエネルギーをチャージする「糖質」を酢飯で!
「かつおの手こねずし」
脳と体のエネルギー源である「糖質」でできた米に、疲労回復を促す酢を加えた酢飯で、効率よくエネルギーチャージ! 旬のカツオといっしょに刻みのりと小ねぎを散らしてさっぱりと味わえる一品です。
材料
ー大人2人、子ども2人分)ー
・米 2合(洗ってざるにあげる)
・【すし酢】
酢 大さじ4
砂糖 大さじ2
塩 小さじ1
・カツオ/刺身用 250g(そぎ切り)
・【A】
しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ1と1/2
・しょうが 小1かけ(千切り)
・しそ 6枚(千切り)
・白いりごま 大さじ2
・小ねぎ 2本(小口切り)
・刻みのり 適量
作り方
1.炊飯器に米と2合の目盛までの水を入れ、後で入れるすし酢の分の大さじ4の水をすくい出してから、炊く。
2.【A】を耐熱ボウルに入れ、ラップをしないで600Wのレンジで30秒~1分、吹きこぼれないように様子を見ながら加熱。
Aを冷ましたらカツオをなじませて、途中、表裏を返しながら10分置き、カツオと漬け汁に分ける。
3.1.が炊き上がったら、すし酢を加えて切るように混ぜたら、
しょうが、しそ、ごま、2.のつけ汁を加えてさっと混ぜる。
4.器に3.を盛り、2.のカツオ、刻みのり、小ねぎを散らして完成。
Point
- 酢は、穀物酢より米酢を使った方がまろやかに。
酸味に慣れていない場合は、酢を大さじ3に減らしてもOK! - 子ども用のカツオは、大人の半分の大きさにすると食べやすいです。
- 漬け時間が長くなると、カツオの身が硬くなるので、浸けすぎには注意!
- カツオは放射状に盛り付けても。すし桶に盛り付けると豪華に見えて特別感がアップ!
- 子ども用は手まり寿司にして、食べやすくしてもいいですね。
◆今月の栄養素:糖質
糖質は、体を動かすエネルギー源で、人間が1日に必要なエネルギーの約6割は「糖質」から補うのが理想的で、欠かせない重要な栄養素です。糖質が足りていないと、疲れやすくなるだけでなく、疲労回復も遅くなります。
また、脳にとっては「唯一の原動力」。不足してしまうと集中力がなくなったり、頭の回転が鈍くなったりします。脳はエネルギーをためておくことができないので、毎回の食事で主食となるごはんやパン、麺などを必ずとることが大切です。成長期のこどもの場合、ごはん茶碗の換算で、「1日に4~5杯」は必要。3食で補えない場合は、補食(間食)でスナック菓子などを食べるのではなく、おにぎりやサンドイッチで補いましょう。
◆今月のレシピのポイント
「カツオ」と「酢飯」は糖質の吸収を助ける最高の組み合わせ
糖質をエネルギーに換える役割をするのが、カツオにも含まれる「ビタミンB1」。そして、糖質からエネルギーを効率よく変換する手助けをするのが酢に含まれる「酢酸」です。ですから、このレシピのカツオと酢飯は、エネルギーをチャージするのにとても効果的な組み合わせだといえますね。
レモンやオレンジなどかんきつ類に含まれる「クエン酸」も、酢酸と同様の働きをします。運動後に100%果汁のオレンジジュースを飲むと、糖質とクエン酸が同時にとれるので、疲労回復にオススメです。
カツオは春と秋に旬があり、春は初カツオ、秋は戻りガツオと呼ばれます。初カツオは脂が少ないのが特徴。良質なたんぱく質源でビタミンB1のほか、B2、B6なども含まれ、赤身なので鉄も期待できます。この時期は、旬なカツオとともに、おいしい手こねずしを食べて、新年度疲れを吹き飛ばしていきたいですね!
レシピ・監修/牧野直子(管理栄養士)
イラスト/にしだちあき