
おはなしやあいさつが苦手な子、どうする?
先生の子育てインスタライブ
目次
「人見知りで、人との会話やあいさつがうまくできない」
「思っていることをなかなか話してくれない」…
子どもの「話」や「あいさつ」に関するお悩みを、経験豊富な村田稔子先生とお話し、相談するインスタライブを5月9日(金)に開催しました。
参考になる話がいっぱいのライブアーカイブ動画と、お話のポイントをお届けします!
▶あいさつのお悩みあるある
「あいさつ 」のお悩みあるある :5分29秒
小学校の教員時代の話から1
小学校の校門前での子どもたちのあいさつには、いろいろな姿がありました。
・元気にあいさつして校舎に入る子
・緊張して小さい声であいさつする子
・言葉だけ残して通り過ぎていく子
・遠くから大きな声あいさつしながらで駆け寄ってくる子-
そんな子供たちの様子を見ながら、学校の一日がスタートしました。
皆さんのお家のお子さんはどんなあいさつをしていますか?
- 寄せられたお悩み
・あいさつは知っている先生が相手でも恥ずかしくてできない。(年長さんのおうちの方)
・挨拶する場では親の後ろに隠れてしまう。(年少さんのおうちの方)
・あいさつしても声がとても小さい。(小6のおうちの方)
・あいさつを照れてしない。あいさつができた時に褒めたら照れ怒りする。(年長さんのおうちの方)
・挨拶もはできるが相手の目を見ることが出来ないため、失礼に思われる(小6のおうちの方) - とくに小さいお子さんは経験が少なく、あいさつするのが恥ずかしいと感じることが多いです。
- 思春期になると照れもあり、声が小さくなり、目を合わせにくくなる傾向があります。
- 褒めたら照れ怒りしてしまう子も、褒められること自体は嬉しいはず。
- みんなの前で褒めるのではなく、後から「あいさつできて気持ちよかったね」と伝えると良いでしょう。
- あいさつすることで気持ちが良くなることを子どもに伝えることが大切です。
- あいさつは勇気がいることですが、気持ちよくあいさつすることで人間関係が広がります。
これから社会に出ていく中で新しい環境や人との出会いが増えますので、その力をつけてあげたいですね。 - うまくあいさつできない子には、その気持ちを受け止め挨拶しようとしているね、それが大事だよ」と伝えると良いでしょう。
▶ あいさつへの工夫、伝え方
あいさつへの工夫、伝え方:7分19秒
- おうちの方のこんな工夫!
・保護者がはきはきとした声であいさつする場面を積極的に見せて、あいさつの大切さを常に話している。(小6のおうちの方)
・親が挨拶するようにしています。(年長のおうちの方)
・できたら褒める(小6のおうちの方)
- 小学校に勤めている時、子どもたちに「あいさつは目を見て元気に自分から」と伝えていました。
これはあいさつが苦手な子どもたちにとっては、ちょっとハードルが高いようでした。
学年が上がってから、あいさつしようと思っていてもなかなかできないものです。 - 幼児さんから小学校の低学年の間に練習をしておくことで、だんだんと身についていきます。
- あいさつの練習はどんなふうにするの?
・まずはお母さんにだけ聞こえる声であいさつする。
・あいさつができたら「聞こえたよ」と伝え、小さい声でも認めて、声を出すことへの抵抗を少しずつ取り除いく。
・一緒にあいさつして、あいさつのタイミングを伝えていく。
・あいさつの絵本を読みながら一緒に声に出してあいさつの言い合いっこをする。
・ごっこ遊びの中であいさつする場面を作る。 - 人見知りが発動して後ろに隠れてしまいます。「ほら、挨拶して」と声をかけがちですが、どんな声がけがおすすめですか。
・知らない人や地域の大人、親戚の人へのあいさつは、お母さんに対するあいさつよりハードルはずっと高い。
だから、「お母さんに聞こえるように言ってごらん、お母さんから伝えるから」というような感じで声がけすればよいと思います。
・「ごめんなさい。恥ずかしがり屋で。おはようございますって言ってます」、相手の方にもそう伝えると「頑張ってあいさつ練習してるんだな」と受け止めてくれるでしょう。
・その場でなんとかしようと思わずに、少しずつできるようにしていただきたいと思います。
小学校の教員時代の話から2
校門の前で立っていると、元気がなく、下向き加減で小さな声であいさつしてくる子がいました。
私の方から「〇〇ちゃん、おはよう」と言うと、ぱっと顔を明るくして「先生、おはようございます」って言ったんです。きっと私のことを校長先生知らないんじゃないかなって不安もあったのでしょう。
「~~ちゃんおはよう」「△△さんおはよう」と言うことで、子どもたちのあいさつがとても元気になったのを覚えてます。大規模校でしたから子ども全員の名前を正直覚えきれてはおらず、みんなにそれはできてなかったんですが、お家ではできます。
・お家で朝「おはよう」のあいさつを交わす時、「〇〇ちゃん、おはよう」とってあげてほしいんです。
・学校や園に行く時は、「○○ちゃん、いってらっしゃい」、寝る時は「○○ちゃん、おやすみ」と、名前をつけて言ってあげてほしいんです。
きょうだいがいればそれぞれの名前を言ってあげましょう。そうすることで自分は認められているという安心感が生まれます。その心地よさが、自分もあいさつしようにつながっていくと思うのです。
心地よかった、嬉しかったということをたくさん体験していくと、あいさつをやってみようっていう勇気につながっていくんじゃないかなっていうふうに思います。
▶子ども同士のあいさつ
子ども同士のあいさつ:5分19秒
- 子ども同士であいさつをしあえることも大切です。
- 環境が変わり新しい仲間との出会いの中では、あいさつを交わすことから人間関係が広がります。
- 思い切ってあいさつしたのに返事が返ってこなかった経験は無視された気持ちになり、もうあいさつしたくないと思ってしまいます。
子どもの世界でも色々と不安があり、なかなかあいさつできない場合があります。 - あいさつは人と人とをつなぐ大切な言葉。あいさつしようということを伝えるのではなく、あいさつすると気持ちいいということを伝えていくとよいでしょう。
- あいさつしたのにあいさつが返ってこず、子どもが落ち込んでいました。
お友だちに聞こえてなかっただけだと思うのですが、なんと声をかけてあげたらいいでしょうか?
・あいさつしたのに返事が返ってこないことはよく聞きますが、届いてないことが多いと思います。または、他の話に夢中になっていて聞こえてなかったのかもしれない。
・勇気を出してあいさつしたことはすごかった。返事がなかったのは寂しいけれども、もう一度チャレンジしてみたらと、励ましてあげてください。 - 相手があいさつしても仲いい友達以外はスルーします。どうしたらよいですか。
・あいさつするということは、その人のことを認めている、その人の存在をしっかりと受け止め、大切にしているということにつながっていく。友だちじゃないからスルーするのは、ちょっと寂しい。
・あいさつすることでその人を認めることになるし、自分も相手に認められることになるんだよというような伝え方をすると良いでしょう。
▶はなしのお悩みあるある
はなしのお悩みあるある:5分42秒
- 寄せられたお悩み
・慣れない環境が苦手。クラスが変わるとしばらく人前では喋れなくなる。(年長さんのおうちの方)
・授業中発言するのが苦手。(小6のおうちの方)
・場面緘黙(かんもく)のため、発表が苦手。歌のテストなど、家では歌えるのに声が出ない。(小6のおうちの方) - 授業中は発表したい子もいれば、発表に抵抗を感じる子もいる。
特に高学年になると、自分が発表しなくても誰かがやってくれるだろうと考える子もいる。 - 発表したいけれどできない子どもの2つのタイプ
① 発表したことが間違っていたらどうしようという子。
間違ったことを言った時に笑われた経験がある。間違ったことを言った子が笑われているの見たことがある。
だから間違ったら笑われるんじゃないかの怖さ、不安 があり、発表できません。
② 考えはあるけれどうまく自分の言葉でまとめられない、どう話していいかわからない子。
否定されたり認めてもらえなかったりするのはとても辛いことです。 - 子どもが言ったことを否定しないことが大事。まず受け止る。「そうか、そう考えるのね、なるほどね」
- 子どもが話さなければならない時に親が代わりに話していないか振り返る。
例えば、病院に行った時、お医者さんから「どうしたのどこが痛いの」って聞かれて子どもがもじもじしていると、お母さんが全部答えてしまうようなことがあります。
小学校の教員時代の話から3
高学年の女の子のお母さんから、わかっているのに発表しない子どもについてて相談を受けたことがあります。
その子はしっかりと話を聞き、自分の考えを深めているので、無理に発表させることでプレッシャーをかける必要はないと説明しました。
発表だけが大切なんではなくて、大事なことは聞いてどう考えているかということです。そのうえで一歩進んでその思いをみんなの前で発表できたら素晴らしいと思います。
▶場面緘黙(かんもく)のお悩み
場面緘黙(かんもく)のお悩み:2分48秒
- 場面緘黙とは家庭では問題なく話せるけれど、特定の場面、場所で話せなくなること。例えば学校では一言もしゃべらない。でも、家ではもう元気はつらつとして喋っています。
・原因はなかなかわからないし、子どもも「あの時からしゃべれなくなった」とは言えません。
・状況を受け止めて、無理に話をさせようとしないことが大切。
・筆談などで対応することもあります。
・学校や園に行き来にくくなることもあります。そういった場合は、お家だけで何とかしようと思わず、学校や園、専門機関に相談していくことが大切です。 - 場面緘黙でお話できないです。他の人から誤解されます。どうしたら良いでしょう?
- 学校などに相談しながら受け止めていくという形を作らないといけないのですが、クラスの子どもたちにもその子の事情を正しく伝えて周りに理解を求めていくことが大切です。
安心できる人間関係がつくれると活動も広がるのではないでしょうか。 - 正直、誰もが理解することは難しいと思いますが、まずはお家の方が一番の理解者であることが大事だと思います。
「あんなこと言われるから頑張ってお話ししなさい」ということはやめないといけないです。
▶ 「はなし」への工夫、伝え方
「はなし」への工夫、声掛け 再生時間4分51秒
- おうちの方のこんな工夫!
・(保育園の当番活動など)次の日にやるべきことが分かっている時は、事前に家で練習する。
「どんな感じでやるのー?ママも聞いてみたい」と声がけ。(年長さんのおうちの方)
・最初の一声ができるように、子どもが自ら話すきっかけを何気なくつくる。(年少さんのおうちの方)
・「わかった?返事は?」って聞くようにしているんですが、区切り(話と話の間やタイミング、内容)がわかっているのか不安。(小1のおうちの方) - 事前に練習しておくことは大切。
言葉だけの練習ではなく、実際に役割分担をして、ロールプレイで練習しておくと大きな自信になります。 - 家庭で話すきっかけを作っていくこともとてもいいこと。
どう具体的に話しかけるかがポイント。例えば「今日学校どうだった」ではなく「今日の給食のおかずは何だった」と具体的に聞くと答えやすい。そこから自然と話が広がるように進めていけると良い。 - 子どもに確認するときのポイント。
「わかった?」と聞くと、子どもはわかっていなくても「わかった」と答えるものです。
「お母さん今何て言ったかな」という風に内容を聞いてあげてほしい。 - 声の大きさについて。
あいさつやはなしの声が小さいことが気になる場合、例えば音読の練習をするとき、最初は隣で聞いて聞こえたことを認め、次にだんだんと離れたところで聞きましょう。 - 「大きな声を出しなさい」ではなくて、大きな声を出す環境を作っていく工夫が必要。
うまく声が出せない子には「もっと大きな声を出して」ではなく「口を大きく開けてごらん」という。
声掛けでプレッシャーが小さくなります。
▶ まとめ
まとめ:2分56秒
- 励ましているつもり、できるようにさせたいという思いが、実は追い詰めているかもしれない。
子どものプレッシャーにならないように。 - これから社会に出ていく子どもたちにとって、コミュニケーション力はとても大切な力で、
その第一歩は挨拶から始まります。 - 生活のいろいろな場面で自信をつけてあげて自己肯定感を高めることが大切。
- 積極的にあいさつやはなしをするため、家でできる3つのポイント
・笑顔であいさつ~名前を呼んであげましょう
・楽しい会話~否定せず、いったん受け止め最後まで聞いてあげましょう
・声を出す場作り~音読など相手との距離感で声の大きさを考えるような工夫を
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