
どう選ぶ?いつ選ぶ?ランドセル
小学校入学に向け、ランドセル選びのポイントやラン活のスケジュールをご紹介!年中さん・年長さん必見です!
目次
「ラン活」という言葉が一般的になるくらい、ランドセル選びに力を入れるご家庭が増えています。
ほぼ赤と黒の2色だった昔と比べ、ネイビーやキャメル、ピンク、パープルなど、カラーバリエーションは多岐に渡り、デザインや機能も多様で、とにかく選択肢が多い現在のランドセル。どう情報収集すればよいか、何を基準に選ぶのか、おうちのかたの悩みは尽きません。
そんなときこそ、プロの意見を参考に。ランドセルナビというWEBサイトを運営し、ランドセルの製造現場からマーケット情報まで知り尽くした槙田さんに「ラン活」の現状やランドセル選びのポイントをうかがいました。

槙田美規(まきた みき)さん
株式会社エデュスタイル代表取締役
大手出版社を退職後、教育プラットフォームのスタートアップとして株式会社エデュスタイルを設立。ランドセルの情報提供と販売を目的とした「ランドセルナビ」を立ち上げ、自らコンテンツの執筆も手がけている。
まず、はじめに。肩の力を抜いて「ラン活」にのぞみましょう。
ランドセル選びは大変、という経験談や競争が激しいイメージが先行しがちですが、冷静に情報収集をすれば何も難しいことはありません。売り切れを心配して早期に活動する人もいますが、特定のブランド、特定のカラーやデザインがどうしてもほしい場合でなければ、入学を控えた年末でも、年明けでも、普通に購入することができます。実はアウトレットも充実しており、機能的にはまったく問題ない商品ばかりなので、価格を抑えたい人にはおすすめです。
どんなタイミングでランドセルを注文・購入するのか、まずは落ちついて見極めましょう。
なぜ1年以上前からラン活? 知っておきたい「ラン活」のスケジュール
お子さんが年中の秋ごろから、翌年の2月くらいまでの間に、多くのメーカーがカタログの受付を行っています。気になるメーカーのカタログを請求し、展示会などで実物をチェックしたのち、夏までに注文を終えるというのが一般的な「ラン活」の流れ。年中のうちから? と驚かれるかもしれませんが、ランドセルは受注販売が主流。製品を入学に間に合わせるため注文時期は必然的に早くなりますし、購入後もすぐに持ち帰れるわけではなく、後日自宅に届くという場合がほとんどです。希望のメーカーがすでにあれば、展示会や試着会などは早めにチェックしましょう。
「まったく見当がつかない」というご家庭にはランドセルメーカーが10社ほど集まる展示会に足を運んでもよいでしょう。開催時期や機会は限られていますので、こちらも早めに確認だけはしておきましょう。

■ 年中の9月~1月【カタログ受付】
■ 2月~4月【発売開始】
■ 1月~5月【展示会&試着会】
■ 4月~8月【注文】
■ 入学前の3月まで【商品到着】
高学年でも違和感のないサイズやデザイン。どんな色でも、入学してしまえば日常になる。
カラーバリエーションが増えているため、色で迷うご家庭も多いことでしょう。女子はパステルカラーの人気が根強く、男子もシルバーがラインナップに加わるなど、選択肢がさらに広がっています。
6年間使うものだからと色選びに慎重になる気持ちはわかりますが、実際に小学校生活が始まった親子を見ると、さほど気にしていないことがほとんどです。どんな色でも、毎日使えばすぐに慣れてしまうものですし、いろいろなカバーや付属品があるので、お子さんの好みが変わったら、カスタマイズすることもできます。気楽な気持ちで、選べる色が多いことを楽しんでください。

リュックと迷っている方に、お伝えしたいこと。
ランドセルを実際に持ってみるとわかりますが、ナイロンのリュックとそれほど重さに差はありません。むしろ、教科書などを入れたときに型崩れせず重心が安定するほうが体への負担が少ないため、そういった機能を考慮してリュックを選ぶと、ランドセルよりも重くなる場合もあります。さらに、ランドセルは転倒した際にクッション代わりになり、横のフックにも極端な負荷がかかると外れるなど、安全面での配慮もされています。
多くの小学校でランドセルは必ず使わなければいけないものではなく、リュックタイプも年々進化しており、選択肢にも入ってくるでしょう。その際はデザイン性や目新しさで選ぶのではなく、ランドセルの機能も十分理解したうえで、ランドセルにするのかリュックにするのか、じっくり比較検討できるとよいですね。
ランドセル選びにこだわるよりも、大事なのは入学後のベルト調節!
実は、何よりお伝えしたいのが、入学後のベルト調節の大切さです。今の小学生たちは、大きな教科書に重いタブレット、水筒なども毎日持ち運ばなければなりません。荷物を背負う際は、重心が上にくるほうが軽く感じるので、子どもの背中にランドセルがぴったり密着するよう、ベルトの長さをあわせる必要があります。これだけで、かなり体への負担は少なくなります。
ところが、入学すると日々の忙しさに追われて、ランドセルのベルトの調節は多くのご家庭でおろそかになりがちです。もし、展示会や店舗で試着する機会があったら、ぜひおうちのかたもランドセルを背負ってみてください。軽さや機能性に驚くでしょうし、何より重い荷物が入ったときの背負った感覚を大人も知っておくことは、入学後に必ず役立ちます。ベルトの長さがあっているフィット感と軽さを、ぜひ体感してください。

ランドセルは、お子さん自身が選ぶのがおすすめ。
子どもはまだ小さいし、高い買い物だからと、ランドセル選びはどうしてもおうちのかたの好みや希望が優先されがちです。でも、可能であればお子さん自身に選ばせてあげてください。
ランドセルナビで行った大学生対象のアンケートでは、「自分がほしい色を買ってもらえなかった」といまだに悔しかった気持ちを覚えているかたもいました。祖父母も含め、大人のこだわりや意見がある場合は先に統一しておくことをおすすめします。
小学校生活に向けたわくわく感とともに、お子さんと楽しく選ぶ。そしてラン活を通してお子さん自身が好きなものを選べたことを、たくさんほめてあげられるとよいですね。
もっと槙田さんに聞きたい!ランドセル選びQ&A
Q.何を基準にランドセルを選べばいいですか?
国産メーカーで6年間保証があれば、品質はまず問題ありません。メーカーによって細かな機能面での違いはありますが、使い始めたら慣れるものです。
おうちのかたがどうしても「これは選んでほしくない」というものがあれば、あらかじめお子さんの目に入らないようにしてください。お子さんが欲しがったランドセルを否定したり、購入しなかったりと、ランドセル選びが嫌な思い出にならないようにしましょう。
Q.実物を見たり試着したほうがよいですか?
今は、ランドセルもネットで販売する時代です。近くにお店がないというかたは、ネットで購入しても問題ないと思います。ただ、他と比べてあまりにも安い場合は品質に注意が必要ですし、会社名や購入方法に不安を感じる点がないかを十分に調べてから決めましょう。
また、色や質感にこだわりのあるかたや、お子さんが小柄だったり、華奢だったりする場合は、一度お店で実物を見たり、背負ってみたりすることをおすすめします。
Q.人工皮革と本革。丈夫さや耐久性に違いはありますか?
| 人工皮革 | ・軽く、傷や雨にも強く、6年間の耐久性であればまったく問題ないくらいの品質。 ※昔に比べて技術が進歩しています。 |
| 本革 | ・風合いがよく耐久性にも優れているが、少し重い。 ・強度の高い表面コーティングで、お手入れはほとんど必要ない。 |
出回っているランドセルの70~80%が人工皮革だといわれています。極端な違いはないため、色や好みで選んでみてはいかがでしょうか。
Q.ランドセルはいつ頃手元に届くのですか?
即納商品もありますが、受注生産の場合はすぐに受け取れるわけではありません。春に注文しても受け取りは年が明けてから、商品によっては入学ぎりぎりの3月に届くという場合もあります。注文する際に、ランドセルがいつ頃届くのかをしっかり確認して、あせらず待ちましょう。届いたら、すぐに箱を開けて商品をチェックすることを忘れずに。
Q.付属品の購入について
ランドセルにはさまざまな付属品があり、便利そうに思えますが、あせってはじめに買わなくて大丈夫です。学校ごとにルールや習慣がありますし、実際に小学校生活が始まってからわかることがたくさんあります。しばらく様子を見てから、「これは必要かな」と感じたものを買いましょう。
まとめ
「ラン活」のイメージはつかめたでしょうか? 国産メーカーの高い品質を実感しながら、ネットで見て購入するか、メーカーを決めて店舗にいくか、合同展示会で吟味するか……ご家庭ごとの計画を立ててみましょう。何よりお子さんの選択を大切に、楽しい気持ちで選ぶようにしてください。そして小学生になったあとのベルト調節もお忘れなく!
イラスト/坂本直子 文/池田恵子 編集協力/KANADEL
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