
読書感想文にぴったり! 専門家が選ぶ 小学生の夏休みにおすすめの本
おすすめ本
目次
今年も夏休みがやってきました。読書感想文の本選びや、どこに出かけずとも、物語の世界を存分に楽しめる本選びの参考になるよう、年間約1,600冊を読み、おすすめの本をYouTubeで定期的に発信している、大阪国際児童文学振興財団 土居安子さんに、小学生の夏休みの読書におすすめの本を選んでいただきました。低・中・高学年別に、あわせて6冊ご紹介します。

土居 安子(どい・やすこ)さん/大阪国際児童文学振興財団理事・総括専門員
読書活動や日本児童文学史に関する研究を行うと同時に教員・司書・ボランティア等に対し読書活動にかかわる研修や、国内外の児童文学作家の講演会やシンポジウムの企画等を行っている。共編著書に『子どもの本100問100答』(創元社 2013年刊)『ひとりでよめたよ! 幼年文学おすすめブックガイド 200』(評論社 2019年刊) 等がある。
小学1年生〜2年生の読書感想文におすすめの本①
なんだか ちがう いぬうえくん
いぬうえくん と くまざわくんシリーズの新刊。ある朝、散歩に出かけた二人。ところが、くまざわくんは転んで動けなくなってしまいます。「ぼくが もどるまで、ここで まってたほうが いい。」と言って、いぬうえくんはいなくなり、そして、戻ってきたのは「なんだか ちがう いぬうえくん」でした。

*作/きたやま ようこ *あかね書房 *1,430円(税込)

自分のルールに従って「◯◯したほうがいい」とくまざわくんに助言し続けるいぬうえくんと、いぬうえくんの助言をいつも真剣に受け止め、悩み、感情をストレートに表現するくまざわくん。二人のちぐはぐな関係に笑わずにはいられません。それぞれの個性にあふれたイラストも魅力的です。くまざわくんの考え方が、小学1・2年生の子どもが必死になって物事を理解しようとする思考過程とぴったり合っているので、くまざわくんに寄り添いながら読むことができます。
小学1年生〜2年生の読書感想文におすすめの本②
バルレッタの ふしぎな 大おとこ
11世紀のある日、イタリアのバルレッタという町に千人の軍隊が押し寄せ、兵隊がいない町は大混乱。しかし、町に住むコンチェッタおばさんが教会の前にたつ大きな若者の像に何やら耳打ちしたことで、町は戦わずに平和が戻ります。町に伝わる不思議なお話です。

*再話・絵/トミー・デ・パオラ *訳/福本友美子 *光村教育図書 *1,760円(税込)

町の人たちから集めた玉ねぎを使って一芝居をうつ大おとこ。武力を使わず弱く見せることで数や暴力に打ち勝つというストーリーが小学1・2年生に面白く読んでもらえると思いました。平和や町を愛する人々の心に深く共感することができ、描かれる風景や服装から、11世紀のイタリア バルレッタの様子も楽しめます。
小学3年生〜4年生の読書感想文におすすめの本①
ミルドレッドの魔女学校6 ドジ魔女ミルがまたやった!
全8巻「ミルドレッドの魔女学校シリーズ」の第6弾。3年生の落ちこぼれ魔女ミルドレッドが起死回生のすばらしい自由研究を完成させ、あとは発表を待つばかりに。しかし、意地悪な優等生エセルに邪魔をされ、無実の罪まで着せられてしまいます。

*作・絵/ジル・マーフィ *訳/おぐら あゆみ *評論社 *1,540円(税込)

厳しいハードブルーム先生になかなか認めてもらえないミルドレッドが奮闘する姿が印象的です。ミルドレッドがクラスメイトに意地悪をされ、悔しい思いをしながらも何とか身の潔白を証明する第6巻がドラマチックで面白いと思って選びました。魔女学校を舞台に、中学年ぐらいの子どもの気持ちが生き生きと描かれています。
小学3年生〜4年生の読書感想文におすすめの本②
山の神の使い
大河(たいが)は、山形のじいちゃんの田んぼの田植えをお父さんと手伝いに行き、夏休みには一人でじいちゃん、ばあちゃんに会いに行き、秋にはまた、お父さんとともに稲刈りを手伝います。病気で目が見えなくなったじいちゃんは、自然の魅力を大河にたっぷり伝えます。

*作/最上一平 *絵/マメイケダ *童心社 *1,870円(税込)

自然に生かされているという気持ち、家族のつながり、隣近所とのつながり。仕事、命、目が見えないじいちゃんの尊厳を大事にすること、大河の成長など大切なテーマがたくさん描かれています。中学年でぜひ読んで、じいちゃんが大河に教えてくれることを感じ取ってほしいです。
小学5年生〜6年生の読書感想文におすすめの本①
白い虹を投げる
引っ越しのために別の野球チームになってしまった葉央(はお)とヤヤ。葉央は、キャプテンになった悩みや障害のある弟についての悩みをヤヤにメールし、ヤヤは新しい学校やチームで居場所が見つけられない悩みを葉央にメールします。二人は、キャッチボールクラシックの試合で再会します。

*作/吉野万理子 *絵/黒須高嶺 *Gakken *1,760円(税込)

小学6年生の二人の男女の友情がメールのやり取りで描かれ、さわやかな読後感があります。最後には、キャッチボールクラシックの試合があって、ドラマチックに終わります。キャッチボールを通して、体でコミュニケーションを取るスポーツの楽しさも伝わってきます。ゆったりとした行間や文字が読みやすさにつながっている点が魅力的です。
小学5年生〜6年生の読書感想文におすすめの本②
ハヤ号セイ川をいく
セイ川を流れてきたカヌーを見つけたデイヴィッドは、その持ち主のアダムと友だちになり、カヌーにハヤ号と名前をつけました。二人は、アダムの家に伝わるなぞの詩から、かくされた宝をさがし出そうとします。カヌーで結ばれた二人の少年の、夏休みの手に汗握る冒険と友情を描いたイギリス児童文学の名作。

*作/フィリパ・ピアス *絵/エドワード・アーディゾーニ *訳/原田 勝 *岩波少年文庫
*1,430円(税込)

70年以上も前に出版されていながら面白いのです。二人の少年の謎の詩を読み解く推理物語であり、宝さがしの物語であり、友情の物語であり、川をカヌーで行き来する冒険物語であり、それぞれの家族の物語であり、宝を盗もうとする人物をつきとめる物語でもあります。読めば読むほど、作品に引き込まれていきます。謎が解けたときの伏線のはられ方も「うまい!」のひと言に尽きます。
土居 安子さんがYouTubeで定期的に絵本を紹介しています。
イラスト:あんみ
編集協力:ホープ編集室
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