
習い事を休んででも、遊びに行かせるべき?
親野先生の親力診断

お子さんとどのように関わり、どのような言葉をかけ、
どんなコミュニケーションをとっていますか?
言い方ひとつ、やり方ひとつで子どもは大きく変わります。
ポピーの「親力診断」をよりよい親子の関係づくりにお役立てください。
診断してくださるのは……

親野 智可等(おやの ちから)先生
教育評論家。教師経験をもとに子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育などについてInstagram、Threads、Xなどで発信中。「子育て365日」「反抗期まるごと解決BOOK」などベストセラー多数。「ドラゴン桜」の指南役としても著名。オンライン講演を含む全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。
親力診断:習い事を休んででも、遊びに行かせるべき?
4年生のA君は、いつも土曜日の午後2時から近くのピアノ教室に通っています。
がんばっているので、ぜひ続けさせたいと思っています。
ところが今日は突然、近所に住む叔父から、いとこと一緒にプラネタリウムに行こうと誘われました。
そういえば、もうすぐ理科で星の勉強をするとも聞いています。
がんばっている習い事に行かせるべきか、
勉強の興味につながるプラネタリウムに行かせるべきか。
あなたならどうしますか?


自分で行きたいほうを選ばせる

叔父たちとプラネタリウムに行かせる

ピアノ教室に行かせる
どれが正しいか、ではなく、実際問題自分だったら……と考えて答えてください。
……選びましたか?
それでは親力診断、スタートです!
診断結果:習い事を休んででも、遊びに行かせるべき?
解説動画でご覧ください
動画の概要は下をチェック!
A:自分で行きたいほうを選ばせる を選んだ場合
こういうことってありますよね。がんばっている習い事に休まず行かせたい。でもせっかく叔父さんが誘ってくれているし、プラネタリウムに行けば、天文学や理科に興味が湧いて、勉強にもいい影響が出るかもしれない……。
こういうときに大事なのは、親が決めるのではなく、子どもにまかせて、子どもが自分で決めるということだと思います。もちろん、親には親の考えがあるので、それを伝えてもいいです。子どもの考えも共感的に聞いて、その上で、親子で話し合う、これがとても大切です。最終的に決めるのは、子どもでいいと思います。なぜなら、子どもの人生は子どものものだからです。
B:叔父たちとプラネタリウムに行かせる を選んだ場合
C:ピアノ教室に行かせる を選んだ場合
Bの叔父さんたちとプラネタリウムに行かせるというのと、Cのピアノ教室に行かせるについて、これはどちらを選んでも違いはありません。どちらに行くかが大事なのではなく、親子で民主的に話し合って、その上で子どもの自己決定を大事にしてあげる。このこと自体がいちばん大切だと思います。
今回のポイント!
昭和や平成の時代では、子どものことを親が決めることが多かったです。習い事にしても進学先や就職先のことまで、親の意思が強く反映されました。そして、子どもはこれに従う「素直に言うことを聞く子」が良い子でした。それは大人になってからも同じで、例えば会社員なら社長や上司の言うことを聞いて、言われたことをちゃんとやる、そういう人が優秀な人でした。歯車のような人ですね。
でも、これからの時代は、これでは仕事でもプライベートでも埋没していくだけです。これからの時代は、もっと自分の意思を持つことが大事です。自分がやりたいことを自分で見つけて自己決定していく。そういう時代です。職場でも「部長、~~なので、○○がこれから伸びると思います。ぜひやらせてください!」というふうに、自分から企画立案してプレゼンして実行していく人が、優秀な人材と言われます。
しかし、こういうことは大人になって急にできるわけではありません。やはり子どもの頃から自分の意思を大事にしてもらえて、自己決定の機会をたくさん持てた、そういう経験によってできるようになるのです。ですから、小さなことでも、子どもの自己決定を尊重してあげることが大事だと思います。
今日も明るく楽しく、元気にお過ごしください。
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