親野智可等先生 子育て相談おはなし会(令和8年2月26日)~動画&レポート

親野智可等先生 子育て相談おはなし会(令和8年2月26日)~動画&レポート

親野智可等先生子育て講演会

目次

全家研ポピー×全家研ポピー×ママノユメキッズアスリート部共催 子育て相談おはなし会

全家研ポピーと全国各地のママコミュニティをつなぐ「ママノユメ」がコラボしての「親野智可等先生の子育て相談おはなし会」、
令和8年2月26日(木)、シティラボ東京にて開催、ライブ配信も
された会の模様をお届けします。

これまでの「親野智可等先生講演」の模様や、親野先生の人気連載記事がこちらからご覧いただけます

親野智可等先生の記事一覧はこちら

第1部 子育て相談おはなし会~前半

子どもがすくすく成長するには、「監督」より「応援」が必要です。
生活、勉強、スポーツ、習い事…、子どもとどう関われば、子どもの最良の応援団になれるのか?
良き応援団になるためのさまざまなお悩みに、親野智可等先生がお答えしました。
1部前半は事前アンケート、そして配信のコメントで寄せられたお悩み、質問にお答えしています。

●「子どもへの応援、なにが正解?」開始にあたって

相談1●子どもの力を奪わない声かけは?

「本気を出せば、もっとできるはず」そんな期待から、結果が出ないと口調が厳しくなり、後から自己嫌悪になることも。 責めたいわけではなく、将来が心配なだけ。 期待を伝えたい時、結果が出ない時、子どもの力を奪わない声かけとは何でしょうか。
~中学1年生、小学4年生のおうちの方から

相談1への親野先生の回答 再生時間:4分45秒

親野先生回答からのひとこと

期待するっていうのは、こっちが勝手に相手にこうなってほしいという要求を押し付けること。

≪親野智可等先生回答のポイント≫

将来のためにと不幸せ体質にならないこと、「今、幸せになる」が大事
〇「本気を出せばもっとできるはず」って期待する気持ちは、ある意味“愛情の表れ”です。でもその期待、空回りしがち。だから基本は人に期待しない方がいい。
〇我が子であっても“別の人間・別の人格”。期待って、こっちの「こうなってほしい」を押し付けることになりやすい。
〇「将来が心配」も愛情から来るけど、将来って実は“水平線みたいなもの”で、あるように見えて実在しません。
〇今のような激動の時代は、将来「これやっとけば役に立つ」って言い切れる根拠がそもそも薄い。AIも含めて、仕事も社会もあっという間に変わります。子どもが大人になる頃、世の中がどうなってるかなんて分からない。だから今心配しても、はっきり言ってしょうがありません。
将来のために今を犠牲にして叱って、親子関係が悪くなると、不幸せ体質になってしまう。だから将来はいったん置いといて、「今日の目の前の今ここ」を親子で最大限に楽しくエンジョイすることが大事です。

相談2●思春期の子どもとどう関わる?

思春期に入り、会話は必要最低限。 声をかけると距離を取られてしまうこともあります。
「応援したいだけなのに、『もっとできるはず』『このままで大丈夫? 』と期待を込めた言葉が増えてしまいます」関わらないと離れてしまいそうで不安。 でも関わるほど関係がぎくしゃくする。 思春期の子どもと、親はどんな距離感で関わればよいのでしょうか。
~高校2年生のおうちの方から

相談2への親野先生の回答 再生時間:8分31秒

親野先生回答からのひとこと

本当に好きなものに出会えば、やるようになる。まだ本気になってないってことは、本当に好きなものに出会ってない。

≪親野智可等先生回答のポイント≫

否定的な言葉は避けて、先ずは共感
〇期待しないこと。そして、親がいろいろ言いたくなったときほど、思ったことをそのまま言わないように。
イラッとしたら、とりあえず深呼吸。落ち着いてから言葉を出すだけでかける言葉が全然変わる。親の興奮は子どもに感染するので、親が落ち着けば子どもも落ち着きます。
〇できれば立ったまま言わす、しゃがんだりして目線を合わせて話すとよいでしょう。
〇深呼吸は習慣化しましょう。朝起きたら3回、できれば朝昼晩3回ずつ。腹式がベストだけど胸式でもOK。ゆっくり吐くのがポイント。
〇現代のイライラ要因として「呼吸が浅い」「スマホ姿勢で交感神経優位」がある。だから呼吸を整えるだけでも効きます。
〇きつい服・体を締め付ける服は戦闘体制(交感神経優位)になりやすいので、ゆったりした服がおすすめ。
〇否定的な言葉はNG。「なんでしないの」「ダメじゃん」といった言葉は特に逆効果。言えば言うほど反発して親子関係が悪化してしまいます。
家が居心地悪いと、子どもは居心地のいい場所を外に求めやすく、怪しい場に流れたり、トラブルに巻き込まれたりする。家の居心地を良くするのが大事です。
〇声かけは、好きな食べ物の話など「相手が不愉快にならない」明るいものを増やすように。
〇子どもが話してきたら、まず共感してたっぷり聞くこと。言うべきこと(助言・励まし・注意)は、共感のあとに「お母さん(お父さん)はこう思う」「なぜなら…」と理由も添えて伝えるとよいでしょう。
〇やる気のスイッチが入らないのは「本当に好きなもの・やりたいもの」にまだ出会ってないだけかもしれない。出会えば本気でやるようになります。
〇「信じて見守る」ことがとても大事。親ができることをしたら、あとは子どもを信じて待つこと。
出会いは親が完全にセッティングできないけど、「いろいろお試し」はできます。試す中でハマるものが見つかることも。

  

相談3●好き嫌いが多く、食事が進みません

登園を渋ることが増え、食事も好き嫌いが多く、なかなか進まない。 応援したいけれど、声をかけすぎているのか、放っておくべきなのか分かりません。背中を押すことと、見守ることの間で揺れています。
~年中児のおうちの方から

相談3への親野先生の回答 再生時間:5分44秒

親野先生回答からのひとこと

だんだんと経験を積み重ねて、大人になればごく普通に食べられるようになるんです。

≪親野智可等先生回答のポイント≫

ストレスが少ない別の環境を検討してみる。
〇登園しぶりは原因がいろいろ考えられますが、園が合っていないのかもしれません。
似た相談を受けたときよく話すのは、近くに自由保育の園があるなら検討してみてもいい、ということです。
〇実際に転園した方は「自由保育になったら嬉々として行くようになった」って、例外なく言ってました。
〇保育園・幼稚園は、二極化してます。
・自由保育:好きなこと、やりたいことを中心にできる。みんなで一緒にやることもありますが、メインではない。
・学校方式(お稽古型):「次はこれ、はいみんなで同じこと」みたいに進むところがある。
〇学校方式合わない子はストレスを抱えやすいのです。
ストレスが少ない環境のほうがいきいき通え、研究でもそのほうが力がのびることが示されてます。

無理に食べさせるのはNG、調理や声かけの工夫を。
〇食事の好き嫌いは当たり前です。子どもは基本的に好き嫌いが多く、特に酸っぱいもの、苦いものは嫌いになりやすいのです。
〇酸っぱい=腐っている可能性、苦い=毒の可能性…みたいに、経験が少ない子どもが身を守るための本能的なブレーキなんです。ブレーキの強さには個人差が大きくて、平気な子もいれば、強く拒否する子もいます。
〇経験を積むと大人になって普通に食べられることが多いので、無理に食べさせるのはやめたほうがよいです。
「絶対食べなきゃダメ」とやると、その時点でトラウマになって、将来さらに強いブレーキになってしまうことがあります。
〇量の面も同じで、食べる量は個人差がすごく大きいし、その日の体調でも変わります。生まれつき食が細い子もいるし、「みんなと一緒」だと食べられない繊細な子もいます。
〇園や学校で「これだけ食べなきゃダメ」「もう一口」みたいな矯正があると、行きたくなくなるの当然です。
もちろん栄養バランスは大事だけど、家庭ではできる範囲で整えれば十分です。
食材にこだわりすぎなくてOK。同じ栄養素は別の食材で補えます。
〇調理を工夫して食べやすくする、という手もあります。
〇ナスやオクラが苦手な子でも、親子で栽培したら食べられるようになった、調理に参加したら食べられるようになった、というのは結構あります。
〇「オクラにはこういう栄養があって…」みたいな声かけが効果的なことがあります。
〇絵本の力も大きいので、図書館で司書さんに「こういうことで悩んでいて…」と相談すると、すぐ合う本を選んでくれます。性教育、金銭教育、言葉づかい等も同じで、テーマ別に良い絵本がたくさんあります。

  

相談4●習い事、やる気にさせるには?

習い事のピアノは気分がのっている時、やる気がない時のムラが大きいです。 毎日短時間でも練習する積み重ねが上達し自信につながります。 練習をやらないままレッスンに行くと先生にもわかります。 辞めるのはもったいないし、どのような声がけしたらよいでしょう?
~お子さまの学齢は不明のおうちの方から

子どもが興味を持ったことを応援してあげたいのですが、とにかく飽きっぽくて困ってしまいます。自分で「やりたい!」と言った習い事(体操、剣道、英語…)も、半年たつと「やめたい」と言い出します。この性格では、将来「青い鳥症候群」で仕事を転々としたりしないと思ってしまいます。どうしたらよいでしょう?
~小学4年生のおうちの方から

相談4への親野先生の回答 再生時間:5分45秒

親野先生回答からのひとこと

今までの時間がもったいないって言うけど、これから無駄にする時間の方がもったいない。

≪親野智可等先生回答のポイント≫

気持ちを受けとめてから話をする。続けさせることにこだわらない
〇「やりたい!」って言って始めても、やってみたら合わないことって普通にあります。最初から“1年は続けなきゃ”みたいに縛りすぎないこと。
嫌な習い事を嫌々続けると、元気や明るさがしぼんだり、自己肯定感が下がったり、親への不信感が出たり、大きなリスクが生まれます。
まずは子どもの話を共感的に聞きましょう。「そうなんだ、嫌だよね」と気持ちを受けとめてから話をすると、理由(練習が嫌、先生が合わない、その時間帯に行きたくない等)が見えてきます。
〇対策はいろいろあります。家での練習をなしにする、先生のところだけで弾く、1〜2か月休んでみる、先生や曜日・時間帯を変えるなどです。
〇「始めたらやり通すべき。ころころ変えると青い鳥症候群のようになる」は思い込み。終身雇用制の時代から変わっている今、その価値観は変えなければいけません。
〇「今までの時間がもったいない」より、「これから無駄にする時間の方がもったいない」。
〇習い事を転々としてもOKです。10やめても、11個目でハマれば続くことだってあります。
大事なのは“今ここ”を楽しく過ごせる状態にすること。ワクワクが増えると、前向きさも親子関係もエネルギーも上がってきます。

  

相談5●子どもとお金のはなし、どうする?

小学生高学年の子どもがいます。推し(好きなこと)ができたのは良いですが、それに伴い、物を買うようになりました。最近のここ2ヶ月で、お小遣いをはたいて計1万7千円の買い物をしていました。小学生にしては高額で衝動的に感じます。お金の使い方や考え方について話しても衝突してしまいます。お金についてどのように話をしたらよいのでしょう?
~配信視聴のおうちの方から

相談5への親野先生の回答 再生時間:3分36秒

親野先生回答からのひとこと

自己評価は必ずする。そうすると、無駄なお金の使い方がなくなる。

≪親野智可等先生回答のポイント≫

自己評価と家庭内アルバイトで無駄づかいを減らしましょう
〇「週にいくら」と決める「おこづかい定額制」が基本よいと思います。また、もらった金額や使った金額、残りを書く「おこづかい帳」は絶対につけた方がよいです。
次のおこづかいをもらう前、「何を買ったか」を振り返り、「良かった=○、悪かった=×、微妙=△」というように自己評価するようにしましょう。
自己評価を続けると「これは買ってよい」「これはいらない」が自分で分かってきて、「無駄づかいが減る」方向に持っていけます。
〇おこづかい、最初はおやつ程度に使う少額・短いスパンで慣らす。慣れてきたら、1か月単位にしたり、文房具やおもちゃも含めたりして、期間も金額も少しずつ増やしていくとよいでしょう。
〇推し活などでどうしても欲しいものができて臨時収入が必要なときは、「家庭内アルバイト」をしてもらって渡すのをおすすめします。
〇家族の一員としてやるのが当然なので、「日常のお手伝いにお金を払う」ことは賛成しません。
〇家庭内アルバイトは「目標(例:2万円の○○を買う)」を決めて、「期間(例:1か月)」と「内容(例:毎日皿洗い)」をお手伝いとは別枠で設定しましょう。
〇推し活のお金を「自分で稼ぐ」形になれば、むやみに買えなくなります。ブレーキがかかります。
〇子どもとお金の話をするときは、まず話を共感して聞きましょう。いきなり「こうしなさい」は逆効果になりがちです。
〇「それ楽しいよね」と受け止めて、できれば親も趣味に少し付き合えば子どもはとても嬉しいはず。そのうえで「ちょっと高すぎるかも」「使いすぎが心配」みたいな懸念を、押しつけにならによう伝えましょう。

  

相談6●園、学校への行き渋り、どうする?

現在年長ですが、年少の頃から行き渋りが続いています。大きくなるにつれて、気を紛らわして登園させることも難しくなりました。行きたくない理由も、気持ちもわかりますが、行ってみたら出会う楽しい経験などもあると思い、可能な限り本人のペースで通わせています。しかし、小学校ともなると、環境や対人関係も難しくなり、 様々な問題が生まれそうで不安です。行き渋りがある場合の親の適切な対応や心持ちを教えてください。
~年長児のおうちの方から

相談6への親野先生の回答 再生時間:6分59秒

親野先生回答からのひとこと

自分に合った環境で、自分らしいペースで、自分の進みたい方向へ進んでいく、これをやった方が伸びる。

≪親野智可等先生回答のポイント≫

学校は目標でなく手段。他の手段を選ぶこと、そして人とつながることが大事
〇今、不登校が35万人もいるのは「子どもや家庭が悪い」というのではなく、学校側の仕組みが時代に追いつけてない面が大きいです。
日本の学校は、一斉授業で大量に育てる設計、同じ場所・同じ時間・同じ内容・同じペースで授業が行われています。でも、子どもたちは性格も気質も学力も本当にバラバラ。だから「みんな一緒」は無理が出やすいのです。
〇欧米の教育先進国は、20年くらい前から少人数化や個別最適化に舵を切っている。日本は35人学級になったけど、まだ人数は多めです。
〇学校に合う子は学校に行けばいい。でも合わない子まで「学校に行くこと」をゴール(目標)にしなくていい。学校は目標じゃなくて手段。目標は、子どもが幸せになって、持ってる力を開花させること。
手段の選択肢はいろいろあります。ホームスクーリング、フリースクール(リアル/オンライン)、合う環境・合うペースで進んだ方が伸びるケースが多い。アメリカではあえて学校に行かせずホームスクーリングを選ぶ人も増えていて、「その方が伸びる」という研究成果も出てきています。エジソンも学校に行かず、母親に応援されて自分の好きな科学の実験をとことんやりました。
〇好きなことをする時、脳のシナプスはどんどん増える。ドーパミンが増えて、脳に酸素が大供給。こうして地頭が良くなります。地頭が良くなったところで勉強すればスイスイ入ります。
〇落合陽一さん(筑波大学准教授)は、子どもがやりたいことに夢中になってる時は一切止めないそうです。好きなことに夢中になってる時間は脳が育つチャンス。だから「今のってるところ」をむやみに止めないのが大事です。
〇とはいえ生活もあるから、止める時は叱ってブツ切りするのではなく、何をしてたか聞いて褒めてから、「夕飯になったね。ご飯の後もう一回やろう」というようにゆるく切り替えるのがおすすめ。
〇そして大事なのは「孤立しない」こと。園・学校に行きづらい悩みは一人で抱えがち。でも、同じ悩みの人とリアルやオンラインでつながると、情報ももらえるし気持ちも楽になります。

  

相談7●きょうだいへのいじわる、どうする?

6歳の子の下の子への意地悪が止まりません。とにかく一番こだわって押しのけて靴を脱いだり、人の靴を遠くに置いたりなど、どうしたらいいでしょうか?
~配信視聴のおうちの方から

6歳の兄が、4歳の妹に対して からかったり、手を出してしまったりすることがあります。過去には怪我をさせてしまいました。手を出してはいけないことは何度も伝えていますが、治りません。どう向き合っていけばよいのでしょうか?
~配信視聴のおうちの方から

相談7への親野先生の回答 再生時間:2分08秒

親野先生回答からのひとこと

上の子を「一人っ子タイム」で十分満たしてあげる。

≪親野智可等先生回答のポイント≫

叱るのではなく、甘えさせて心を満たしてあげることが大事
〇上の子が下の子にヤキモチを焼いている可能性が高いです。
〇親が気をつけていても、下の子が生まれるとどうしても下の子に手がかかって、下の子へのハグやスキンシップ、世話の機会が増えがちです。そうすると上の子に、「赤ちゃん返り」ほどでなくても、幼児期に戻るような反応(“幼児期帰り”は起こり得ます。
叱ると逆効果で、「また怒られた」「嫌われてる」と受け取り、ストレスが増えて、さらに下の子にきつく当たることにつながりやすくなります。
ポイントは、逆に上の子をたっぷり甘えさせて、心を満たしてあげることです。忙しくても、これはとても大事。具体的には、ハグ・話を聞く・おんぶや抱っこなど、スキンシップを増やします。親子でじゃれつき遊び(くすぐりっこ等)で、思いきり関わるのも有効です。
〇下の子をパパ・祖父母・ママ友などに預けて、上の子だけと半日〜1日たっぷり遊び、ママを独り占めさせる「一人っ子タイム」を作るのもおすすめです。満たされ、しばらく穏やかになるようです。

  

相談8●YouTubeやゲーム、スマホとの向き合い方は?

コロナ禍で家時間が多くなり、小さい時にスマホを見せてしまいした。今もダラダラとスマホを見ているので、改めて子どもと一緒に約束をしたのですが、全く守れず、YouTubeにどっぷりつかって います。どうすれば、自分から切り替えて、勉強を始めることができるでしょうか?
~小学3年生のおうちの方から

小1の上の子はスマホやゲームに夢中です。 やめさせようと、つい強い口調になります。 下の子の育児も重なり、余裕がなくなる自分に戸惑っています。本当は責めたいわけじゃない。ただ、ちゃんと育ってほしい。スマホ・ゲームとの向き合い方や、忙しい中での声かけの工夫を教えてほしいです。
~小学1年生のおうちの方から

相談8への親野先生の回答 再生時間:7分55秒

親野先生回答からのひとこと

人間同士として子どもをリスペクトしながら、親友をおもんぱかる雰囲気で、横目線で心配を伝える。その方が子どもも聞いてくれます。

≪親野智可等先生回答のポイント≫

先ずはコミュニケーションで親子関係を温める。
〇ゲームも、YouTubeも、スマホも、親としてはできれば時間を減らしたいけれど、現実は悩ましい。
〇子ども側はとにかく楽しい。ゲームは、目標立てて工夫して、クリアして「できた!」を積み上げて、自己肯定感が上がったりもします。
〇そこを理解ゼロで一方的に叱ると、「分かってもらえない」と孤独になりやすい。孤独とコミュにケーション不足は、依存のリスクを上げやくなります。アルコールや、薬物、ギャンブルコールといったものへの依存症にもつながります。
〇対立するより、まず歩み寄りが大事です。「どんなゲームやってるの?」と、落ち着いてるタイミングで聞くことです。夢中のときに言っても通じません。
〇回答に専門用語が出てきて分からなくても、「そうなんだ」と受け止めて、純粋に褒めましょう。「集中力あるね」「工夫してるね」などです。「勉強にも生かしてよ」のような嫌味は封印しましょう。
時には一緒にやってみるとよいでしょう。「難しい」とわかると、さらに褒めやすく、関係も温まりやすくなります。

関係が温まった後、「共感的で民主的な対話」でルール作り。
関係ができたところで、「じゃあ一緒に(ゲーム、YouTube、スマホの)ルールを作ろうか?」と投げかけましょう。理解してくれる親から言われると、「内心、やりすぎかも…」と思ってることもある子どもも乗りやすいはずです。
〇ルール作りの基本は「共感的で民主的な対話」です。まずは子どもの言い分を聞いて、共感しつつ、親の心配も“横目線”で伝えることです。命令口調・上から目線は避けましょう。
〇心配の伝え方は、具体な例が効くことがあります。“脅し”ではなく情報共有として「〇〇の小学生が課金トラブルで揉めたみたいだよ」というように伝えましょう。
〇「外交交渉」のように。譲れるところは譲って、言うべきことは言って、無理のない妥協点・着地点を探しましょう。
〇決まったルールはホワイトボード等に書くこと。書かないと忘れます。ルールを運用して現実とズレたら、また話し合って書き換えます。
〇この「共感的で民主的な対話」のプロセスは手間だけど効果は大きいです。子どもを守れる確率が上がるし、「話を聞いてくれる・一緒に解決してくれる」という信頼感が上がります。信頼感が上がると、いじめ・不登校・万引きなど、他の大事な問題も早い段階で相談されやすくなります。
〇長い目で見ると、家庭で民主的に話し合う経験は、将来職場等での問題解決にもつながります。独裁型が当たり前だと、会社で上司になったときに強権的になりやすくなります。

代わりに夢中になれるものを見つける。
〇もう一つのコツは「代替」を用意すること。他に楽しいものがないと、ゲーム、YouTube、スマホへの一辺倒になります。他に好きなもの、楽しいことを、いろいろ試して見つけましょう。

ある親子の話
YouTubeばっか見てる子だったので、親御さんがいろいろお試しでやらせたそうです。金魚の飼育とか、釣りとか、プラモデルとか、プラレールとか…。色々その子が好きそうなことをやったら、プラモデルとプラレールが好きになって、それをやる時間が増えたのでYouTubeを見る時間が減ったということです

   

特別セミナー●食で自己肯定感を育む! 子どもの可能性を伸ばす3つのポイント

第1部の後半、ママノユメキッズアスリート部の代表・井上智美さんが講師を務め、「子どもと食に関するセミナー」をお届けしました。

井上智美さん~ママノユメ キッズアスリート部代表
管理栄養士として、また実際にキッズアスリートの子どもを育てている母親として、栄養講座や食育講座などに携わり、<メンタルと食>の関係性に注目した、実践的な食と向き合うプログラムやサポート活動を行っている。

特別セミナー 再生時間:17分11秒

≪食で自己肯定感を育む! 子どもの可能性を伸ばす3つのポイント≫

私も現在高校1年生の息子が小さいときは、細かいことをすごく気にしていて、食事に関しても「好き嫌いなく食べられるには?」と少しきつく当たっていたかもしれません。
事前アンケートで「子どもにもっと野菜を積極的に食べてほしい。どうしたらいい?」という質問をもらって、そこにあるお母さんの思いはすごく温かいな、と感じました。
子どもには好きな野菜もあれば、苦手な野菜もある——そこをどう向き合うかがポイントです。
苦手克服だけじゃなく、野菜や食材と向き合う時間そのものを「親子で楽しむ時間」につなげてほしい、という思いをこめて、3つのポイントをご紹介します。

1.「食べられない」より「あれも食べられる」に目を向ける。
〇熱心に子どもと関わっている親ほど、「嫌いなもの(できないところ)」に意識が向きがちです。
〇例えば、野菜が10種類ある。2〜3種類食べられなくても、残り7〜8種類は食べられている。そこをちゃんと見てあげたい。でも、実際は食べられない2〜3種類に目がいってしまいます。
できる(食べられる)方に目を向けると、お母さん自身も、親子関係も楽になるはずです。
〇「もっと気をつけた方がいい」観点で言うなら、人工甘味料や添加物などが入ったジュースの飲みすぎは一度チェックして、変えた方がいいかもしれません。苦手なものが野菜ではなく肉や魚の場合もありますが、マイナスだけを見るのではなく、取りすぎているものを減らす工夫も必要です。

2.「なぜ嫌なのか」を知るだけで、関わりは変えられる。
〇最も避けたいのは、親の言い方ややり取りのせいで、その食べ物自体がもっと嫌いになることです。
「栄養あるから食べようね」を言い続けると、子どもは「食べ物」より「その時間」が嫌いになって、結果もっと苦手になりやすくなります。
〇味・香り・見た目・色・食感など、苦手ポイントは子どもによって違います。色や見た目が理由だと、「わかめはOKでもひじきはNG」と分かれる子もいます。噛むのが面倒、硬いのが嫌、魚の骨が怖い…のように、「食べにくさ」が理由のこともあります。
大変なところを無理して乗り越えるより、手間を減らして「食べられる形」で食卓を作るのが現実的です。
〇骨がネックなら、白身魚に替えるのも手です。「青魚の栄養(EPA・DHA)」を摂らせたいなら、骨まで食べられる缶詰を使うのもありです。
〇ハンバーグ等に刻んで混ぜるのも方法だけど、具をほじくって確認するタイプの子には、頑張りすぎなくていいでしょう。そこまで苦手なら、いったん“お休み期間”を作るのも一つ。親も子も気がラクになります。
〇「食べさせなきゃ」より、「少し休む」「形を変える」—この選択肢を持っておくとよいでしょう。

3.食べなくても育てられる自己肯定感。
〇細かく食材チェックをするくらいなら、「食べさせない」という選択肢もあります。食べさせずに、まずは関わる経験を優先してみましょう。
〇サラダみたいに野菜が多いものは、「準備のお手伝いだけ」してもらうのがやりやすいです。レタスは1枚ずつはがして洗う、食べやすい大きさにちぎる…というように、やり方を一緒にやって見せる。
〇「これははパパとママが食べるために準備してね」という前提を伝えると、子どもも安心して取り組みやすいでしょう。
苦手なものと向き合うステップは、「食べる」より先に「手伝う」「関わる」からで十分です。
〇食卓では「○○くんが準備してくれたサラダ、盛り付けきれいだね」「おいしいね」って、具体的に褒めて「ありがとう」を伝えましょう。
〇「ちょっと食べてみようかな」が出てきたらラッキーです。味を知って、少しずつ近づければ良いのですが、あまり期待しすぎずに待つのがポイントです。
いちばん大事なのは、楽しい食卓の時間。「食べなさい」「栄養あるよ」だけにならないようにしましょう。
〇イライラしながらの食事は交感神経が優位になって、消化が進みにくいと言われています。逆にリラックスして楽しく食べると、副交感神経が優位になって消化・吸収が促されやすいのです。
〇子どもが小さいほど取り入れやすい方法ですが、中高生でも「ちょっと手伝って」は十分できます。それぞれの家庭の“できる範囲”から試して、親子のコミュニケーションや自己肯定感につなげていきましょう。

   

第2部 子育て相談おはなし会~後半

会場限定のプログラム「第2部 子育て相談おはなし会~後半」でも、おうちの方からのさまざまなお悩みを取り上げました。
第2部では親野智可等先生に加え、全家研ポピー教育対話主事・村松守夫先生もお悩み、質問にお答えしています。

村松守夫先生~全家研ポピー教育対話主事
東京都の小学校校長をつとめられた経験豊富な先生。現在は全家研ポピーの教育対話主事として、ポピー会員への教育相談や情報サイトポピフルでの教育情報記事発信に携わっている。

相談9●集団生活・学校になじめない、ギフテッドの子との関わり方は?

小5の長男は、学校の集団生活で求められる規律・切替・今何をするべきかの判断・自制心が十分に育っていません。遅刻、課題の未提出、移動教室での遅れ、授業中の読書などで度々叱られています。
その結果、「叱られるだけだから」と行き渋り、遅刻がちです。 朝日を浴びるよう起こしていますが、常に疲れていて「起きられないと」言います。周囲に合わせることに多大なエネルギーを使うため疲れやすいのではと感じています。
また高IQで、全体を見て素早く理解し、作業や処理スピードも速い一方、授業がつまらないと感じると板書をせず、本を読むために、授業態度を注意されます。やりたくない学校の課題は後回し、親は間に合わせようと躍起になり、「やりたいことをするために、早く〇〇しなさい」という声掛けが多くなります。
学校から求められる姿との板挟みで、学校でも家庭でも息子を追い込んでしまっているのではないかと苦しく感じています。
就学以降、注意を受け続けてきたことで、「自分はダメな子だ」という自己認識が強まり、自信を失ってもいます。知能の高さに反比例するように、レジリエンス(精神的回復力・弾力性の)面では2〜3歳児のような幼さも感じられます。子どもが本来持っている可能性を存分に開花させるため、親の関わり方や学校環境の改善策を模索しています。

~小学5年生のおうちの方から

相談9への先生の回答 再生時間:6分21秒

村松先生回答からのひとこと

学校は敵という考え方がありますけど、そうではなくて、学校を巻き込んでいく、巻き込んで進んでいくことがお子さんにとって一番いいこと。

親野先生回答からのひとこと

その子に合った環境を求めて移動する方が早いかも。

≪村松先生回答のポイント≫

学校に事情、状況を伝え、理解してもらい、学校を巻き込んで
〇お子さんはIQが高く、いわゆる「ギフテッド」にあたる可能性があります。文科省は「ギフテッド」という言葉は避けていて、得意な才能を持つ児童生徒」という言い方をしていますが、改訂中の学習指導要領では「ギフテッド、不登校、障害のある子」などを含む「多様な子どもを包摂(ほうせつ)する柔軟な教育課程」がテーマになっています。
〇ただ学校側の現状では、ギフテッドの子への関わり方が分かっていないことが多いので、家庭としてはまず学校に事情、状況を伝え、理解してもらうところから始めるとよいでしょう。
〇担任だけでなく、必要に応じて校長や副校長、教頭など学校全体にも共有して、家庭と学校で一緒に考える形が望ましいです。
〇「学校は敵」と捉えるより、学校を巻き込んで一緒に進めるほうが子どもにとってプラスになりやすいです。
それでもうまくいかない場合は、親野先生も話した通り(※相談6参照)、別の行き先・学ぶ場を検討してみるべきです。
〇5歳以上ならMensa※を受験して入れば 同じような高IQの人と交流できます。※Mensaは全人口の上位2%のIQを持つ人だけが入会できる国際的なグループ。
子どもも親も、横のつながりを持ち、自己肯定感が下がらないようにすることが大事です。

≪親野先生回答のポイント≫

学校の先生から言われることを真に受けず、聞き流すことも必要
〇学校と話し合うこと、先生とコミュニケーションを取っていくことはやはり大事です。学校の先生はギフテッドをあまり知りません。
〇直接会って「性格や能力面も含めて感じていること」を率直に話すと、理解してもらえ、過ごしやすくなる可能性はあります。
〇ただ、高IQギフテッドは発達障害を併せ持つ例も多く、グレーゾーンなども含め、学校側の理解が追いついていないことがあります。
〇だからこそ、対話しながら啓発していくのも一つの手段ですが、対話だけでは環境を変えることが難しい場合もあり、その子に合った環境へ移動する方が早いこともあります。
〇選択肢として、ホームスクーリング、フリースクールなどがあります。子どもに合う環境を選べば、子どもの貴重な時間を大事にできます。
学校の先生から言われる「これこれこれで困ってるから、こうしてください」という話を全部真に受けて、家で子どもに「こうしなさい、ああしなさい」と言うのはやめたほうがよいです。「はい、わかりました」って言いつつ、実際は聞き流すくらいでよいです。
〇さかなクンのお母さんもそうしていたらしいです。先生から言われても、聞き流して子ども本人には一切言わず、本人が好きでやりたいこと(魚)を応援していたそうです。

   

相談10 ●親友のような親子関係や、子どもに甘えるのはやめるべき?

今、小学校4年生の娘と親友というか友人のような関係性でのコミュニケーションが取れているという自覚があります。結構何でも娘に相談したり、娘からも相談をしてもらったりしています。
私がちょっとメンタル的に落ちたとき、慰めてほしいとか、甘えたいっていう感情があったときは、いいよと言って受けとめてもくれます。
ただ、これを友人に話したら「それはやめた方がいいんじゃないか」と言われたのですが、そうでしょうか?

~会場参加の方から

相談10への先生の回答 再生時間:5分12秒

村松先生回答からのひとこと

子どもとの関わりの中で叱る場面がきっとあると思うので、そこだけはきちっと押さえて。

親野先生回答からのひとこと

親友としてリスペクトしながら接する。でも親友ではない。親友ではなくて親友親子です

≪村松先生回答のポイント≫

叱るポイントを明確にした上で、普段は「親友みたいに」進めていけるのがいい親子関係
〇親の弱みを見せるっていうのは、なかなか親は難しい。でも弱みを見せることによって、親子関係が上手に作れていかれているので、自信を持って進まれてよいと思います。
子どもとの関わりの中で叱る場面はある。そこだけはきちっと押さえていくことが大事。私の場合、基本以下の3つは叱るように決めています。
・命に関わるような危ないことをしたとき
・同じ注意を3回されても改めないとき
・他人の不幸の上に自分の幸せを築いたとき(高学年くらいから)

≪親野先生回答のポイント≫

共感は徹底的に、ダメなときはきちんと「NO」。「Yes.Yes.But」を!
〇まず、「親友親子」を目指すのはすごく良い方向だと思っています。「友達親子」だと、言いたいことを言えなくなったり、ダメなことをダメと言いづらくなったりして、関係が崩れていくイメージもあるので、“親友”のほうがしっくりきます。
親友のようにリスペクトして接する。ただし、 “親友そのもの”じゃなくて “親友親子”です。共感は徹底的にするうえで、ダメなときはきちんとNOと言うことも必要です。
例えば、中学生だけで「海に行きたい」と言われたら、気持ちは「わかるよ」と受け止めつつ、「命の危険やリスクがあるなら、親として許可できない」と伝える。
「Yes.Yes.But」、たくさん“Yes”で受け止めて、でも“そこはダメ”は言うことが重要です。
〇とにかく今は、親子関係を良くしていくことが一番大事ですが、すでにとても良い関係を作れていると感じます。

   

相談11 ●小学校の先生になります。今の教育現場で意識すべきことは?

1〜2歳の娘がいます。今は民間勤務ですが来年4月から小学校の教員になります。そこで、保護者が学校現場に何を期待しているのか、教師はどういう意識を持っておくべかを聞きたいです。
~会場参加の方から

相談11への先生の回答 再生時間:5分30秒

村松先生回答からのひとこと

その場はなかなか大変で苦しかったけれど、後でご褒美をもらう。そういう仕事ってなかなかない。

親野先生回答からのひとこと

子どもとの人間関係を良くする。保護者とも人間関係を良くする。同僚とかとも人間関係を良くする。

≪村松先生回答のポイント≫

やりがいはありますが、「やることが多すぎる」という現実あり一人で抱え込まないように。
〇まずは教員になっていただいたことにお礼を言いたいです。
〇学校現場を離れて感じたのは「やることが多すぎる」という現実です。
〇管理職(校長)として約13年、先生たちが笑顔で働ける環境づくりを大事にしてきました。やりがいは、子どもがその場で変わっていく瞬間を見られること。
〇さらに嬉しいのは、卒業生が大人になっても交流が続き、子育て相談に来てくれること。現場は大変でも、後から「ご褒美」のように実感が返ってくる仕事です。
保護者対応はしんどい時もあるので、一人で抱え込まないことが重要。保護者対応は管理職の役割なので、精神衛生のためにも無理せず任せてよいでしょう。
職員室で共有・相談し、管理職(校長・副校長)も味方につけて情報共有することが大事です

≪親野先生回答のポイント≫

「人間関係を良くすること」を優先し、断捨離、事務仕事の力の抜きも!
〇大変と言われる今の状況で先生になってくれるのが本当にありがたい。
〇理想の教育はあっても、時間・能力の限界や多様な価値観の中で現実は厳しい。同僚とチームで動く必要があり、足並みを揃える調整力も求められ、保護者との人間関係づくりも大きな負担になりやすいです。
〇それでも「自分の教育観(何を大切にしたいか)」は持ち続けてほしい。
〇結論として最優先は「先生と子どもの人間関係を良くすること」。勉強やしつけは後回しでも、人間関係が良いと自己肯定感・他者信頼感が育ちます。逆に関係が悪いと「他人は信じない方がいい」という感覚につながります。
子ども・保護者・同僚とも、共感的に聴くことで関係が良くなり、トラブル予防になります。
〇仕事は山盛りなので、断捨離、事務仕事の力の抜きどころ、優先順位付けが重要です。

   

相談12 ●部活顧問の先生が暴言。子どもの不満にどう対応する?

中1の一人娘がいて、家では普段からよく話して、つまずいたら一緒に考えられる関係です。部活で顧問の先生(教員)が感情的で暴言があったり、聞き返すと怒られたりして、子どもはかなりフラストレーションを感じています。同学年の子同士でも建設的な話し合いがしづらいみたいで…。試合後は家で先生への不満が多く出るんですが、私が共感しすぎると“親も同じ考え”になって先生を軽んじてしまわないか不安です。話は聞きつつ、どんな声かけ、対応をしたらいいのか悩んでいます。
~会場参加の方から

相談12への先生の回答 再生時間:3分51秒

村松先生回答からのひとこと

保護者同士で相談して言っていく、管理職やってきた立場からだと大変ありがたいなと思います。

親野先生回答からのひとこと

子どもとの人間関係を良くする。保護者とも人間関係を良くする。同僚とかとも人間関係を良くする。

≪村松先生回答のポイント≫

保護者同士で連携し、学校に働きかけることが大事。
〇娘さんとお母様の間で、しっかり話し合える関係が築けているのはとても良い。小学校の頃から、共感しながら関係を作ってきた成果が今出ているので、そのやり方に自信を持って続けてほしいです。
〇顧問の先生の暴言は、令和の時代では許されない深刻な問題。他の保護者も状況を聞いている可能性が高い。
保護者同士で相談し、事実を整理・記録したうえで、校長・副校長・教頭など管理職にもきちんと伝えることが大切です。
〇管理職の立場からは、具体的に共有してもらえると対応しやすくありがたい。
〇保護者同士の連携を活かして動くことで、子どもも含め皆が笑顔になれる方向につながります。

≪親野先生回答のポイント≫

「共感」と「安易な同調」は区別し、共感にとどめることが大事。
〇放置せず、学校の管理職(校長・教頭など)へ状況を伝えることは必要です。
PTA役員などに間に入ってもらい「ワンクッション置いて」伝えると伝えやすい。PTA役員→管理職の流れにすると、管理職が指導・対応する可能性が高まります。
〇子どもが先生のことを悪く言ってきたときは、まずは共感的に聞く(「嫌だよね」「困るよね」など)ことが大切です。
〇ただし、親が余計な情報を足して炎上をあおるのは避けましょう。共感を超えた“安易な同調”になります。

   

相談13 ●子どもとの良い関わりづくりを、保護者にうまく伝えるには?

幼稚園で20年勤務し、後半は園長として保護者相談も多く受けてきました。保護者の方からは「この行動をどう直せばいいか」「どう変えればいいか」と、目に見える行動面の改善を求められることが多いもですが、行動だけに働きかけても別の形で問題が置き換わったり、見えにくい形で深まったりすることがあるため、「なぜその行動が起きるのか」という根本原因を見て、時間をかけて親子の関係性をつくりながら対応したいと考えてきました。しかし、この少し深い、難しい領域の話は「そこまで関わるのは大変」と受け止められることも多く、伝え方に悩みます。保護者に根本原因や「親子の関係作り」の話をするとき、どんな言葉・表現を選び、どんな点に気をつけて伝えていますか。
~会場参加の方から

相談13への先生の回答 再生時間:2分49秒

村松先生回答からのひとこと

「短期的にはこれをやって、中長期的にはこれをやった方がいいよ」というアドバイスの仕方を心がけていました。

親野先生回答からのひとこと

たくさん話をさせることで言語化できて、こっちもわかるし、親御さんもわかる。

≪村松先生回答のポイント≫

「短期的」と「中長期的」な視点、具体的な方法と方向性を伝える。
〇親御さんの要望として「問題行動」などへの対処療法(短期対応)の話が出てくることは多いです。
最初に、「短期的な対応の仕方」をきちっと伝える。その上で、将棋でいう「大局観」のように、全体的な関わり方(中長期の視点)も話すことです。
〇たとえば、「共感的な関係を作っていきましょう」という方向性を示し、「そのためにはこういうことをする」と具体的なやり方も添えましょう。
〇対処療法(短期)+俯瞰したもの(中長期)の二本立てで話すのを心がけていました。「短期的にはこれ」「中長期的にはこれ」と整理して伝えると、聞いてもらえる感触があります。

≪親野先生回答のポイント≫

共感的にたくさん話を聞くことで、親御さんにも気づきが生まれます。
〇親御さんは「困っている」けれど、悩みの本質までは整理できていないことが多いです。
〇まずは共感的に聞く(「そうなんですね」「困りますよね」「そういうこともありますよね」)ことを優先しましょう。
たくさん話すことで親御さんの中で言語化が進み、頭と気持ちが整理されていきます。話が進むと、最初は表面的だった内容が、過去の出来事や関わり(「あの時こう言ったのが尾を引いてるかも」など)まで遡って見えててきます。
根っこにある要因(背景・積み重なり・資質的なもの等)が少しずつ見えてきて、こちらも状況把握しやすくなります。
〇親御さんは「話しているうちに自分で気づく」ことが結構あります。気づきが生まれる場が作られます。
〇聞きながら、こちらの経験や情報を必要に応じて返すと、それを受けて親御さんがさらに考えを深める、という循環が作れます。

   

会の残り時間が少ない中で、事前アンケートで寄せられていた3つのお悩みに親野先生が簡潔に回答されました。その内容もお届けします。

相談14 ●どうしたら自分で丸つけできるようになりますか?

子どもが通っている小学校では、宿題は丸つけまで家庭ですることになっています。宿題の丸つけを今でも親がやっていますが、もうそろそろ自分でしてほしいし、できると思います。ただ、「自分でやってみたら」と言っても、「やってくれないなら宿題しない」と返されます。どうしたら自分で丸つけするようにできるのでしょうか。
~小学5年生のおうちの方から

相談14への先生の回答 再生時間:37秒

≪親野先生回答のポイント≫

声がけをし、最初は少しの丸つけから任せましょう。
〇いきなり全部やらせるのは難しいと思うので、「一緒に丸つけしよう」と声をかけながら進めてみましょう。
最初は親が9割くらいやってあげて、子どもには1割だけ任せてみる。 慣れてきたら、9割→8割→5割…みたいに、少しずつ手を離していくとよいでしょう。
〇子どもは宿題をやった時点で「もう仕事終わり」でシャットダウンしがちなので、丸付けは親がしてあげてもいい場面もあります。

   

相談15 ●感情の起伏が激しい子との向き合い方は?

感情の起伏が激しく、すぐ怒ったり泣いたりする小1の子。「この声かけで、自信は育っているのかな? 」と厳しくするべきか、褒めるべきか、毎日迷っています。
~小学1年生のおうちの方から

相談15への先生の回答 再生時間:1分09秒

≪親野先生回答のポイント≫

静かにさせようとするより、たくさん発散させ自然に落ちつかせましょう。
〇甘やかしすぎ・厳しすぎの問題というよりも、「生まれつきパワーがある子」はこうなりやすいのです。
〇扁桃体が活性化しやすくて、そこにブレーキをかける前頭前野が未発達だと感情がワッと出やすいのです。
〇でも、前頭前野は成長とともに発達して、だんだんブレーキをかけられるようになってきます。
家では、静かにさせようとするより、親子でふざけ合う、じゃれつく、笑い合う、はしゃぐ時間を意識的に増やすことです。
たくさん発散して疲れて静かになる、その「自然に落ちつく」流れの中でブレーキがかかる練習になります。
〇大騒ぎ→大笑い→自然に静かに、という経験を重ねると、感情の出方が少しずつ落ちついてきます。

   

相談16 ●好奇心旺盛だが落ちつきがなく、周りが見えなくなる子が心配

活発で好奇心旺盛なのは良いのですが、落ちつきがないのが心配です。興味ができるとそちらに集中して回りが見えなくなります。外出中、気になるものを見つけると、それに向かって駆け出したりします。
小学校入学後の通学や授業が心配です。

~年長児のおうちの方から

相談1への先生の回答 再生時間:59秒

≪親野先生回答のポイント≫

こういう子は多いので心配せず、信じて待って、長所を伸ばしてあげんましょう。
〇こういう子は、もうたくさんいます。すごく熱中力があったり、アイデアが豊富で独創性があったりしまので、そういう良い面をちゃんと捉えて伸ばしてあげるといいと思います。
〇入学後の通学や授業が心配とのことですが、同じような子は多いので、そんなに心配しすぎなくても大丈夫です。基本は「信じて待つ」でいいと思います。
どうしても心配で、発達障害の傾向があるのかなと思ったら、早めに専門家に診てもらって、療育を受けるのも一つです。
〇食べ物に気をつける・運動・睡眠など、生活面を整えるのも大事です。
日頃から親子で深呼吸するのもいいですし、療育や整体・マッサージみたいなものでかなり落ち着く、というエビデンスもあります。
〇そういういろんな工夫で、出てくる困りごとを軽減できることもあると思います。

  

●おはなし会を終えてのメッセージ

井上智美さん
私自身、母としてというところで参加させていただいた部分もあります。改めて子どもと向き合うとき、ちょっと意識的に変化していけたらなと思っています。何か温かい言葉に触れた時間だったなと感じています。

村松守夫先生
とにかく親子関係、 難しいところがあります。私自身も反省も含めて、指示役だったなと思います。親子関係を、親の立場を、指示役ではなくて応援団にということを意識していけば、声がけも変わってくるのではないかなと感じました。

親野智可等先生
勉強しない、片付けない…子どもの「しょうもないところ」って、ありますよね。 でも、それって多くは“しつけのせい”というより、かなり“生まれつき”なんです。証拠に、兄弟でも「片付けが得意な子/苦手な子」って分かれますよね。育て方だけで決まるなら、だいたい同じ結果になりがちです。
大事なのは、親が「自分のせいでこうなった」と思い詰めすぎないこと。そうしないとストレスで、余計に叱りが強くなってしまいます。とはいえ「何もしなくていい」わけじゃありません。できる工夫はちゃんとやってあげてください。 やってみて改善する部分もある。でも、どうしても変わらない部分もあるだからこそ、できることはやりつつ、最後は「待つ」ことも大事です。
親子関係を良くして待つと、子どもの自己肯定感が上がりやすい。親子関係が悪いと下がりやすい、ここはかなり大きいです。
自己肯定感の高さ自体にも、生まれつきの要素はあります。それでも、親子関係を整えていけば、だんだん自己肯定感は上がっていきます。
•そして大人になってから、夢や目的ができて「直したい」「変えたい」のスイッチが入った時、自己肯定感がある子はそのスイッチを押しやすいんです。 逆に叱りすぎると、「直したいけど無理だろうな…」となりやすい。
だから、工夫→必要なら手伝う→親子関係を良くする、の順で支えるのがポイントです。

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この講演会は、全国のママをつなぐネットワーク、ママノユメ(キッズアスリート部、エコ片づけ部)と共同開催いたしました。また開催にあたり、花とき、ママファースト、FEA・女性起業家支援協会にご協力をいただました。

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