
算数3年生 これで完ペキ!「時刻と時間の計算」の教え方 〜理論編〜
おうちでできる!!小学算数つまずき対策
小学校3年生で習う「時刻と時間」。なぜ難しいのか、どこでつまずくのかを解説します。
目次
小学校で習う算数は「積み上げ型教科」と言われています。前の学年で習ったことを土台に、新しい内容を積み重ねて学習していきます。次の学年での学習をスムーズにするためにも、お子さんが難しそうにしているところがあれば、サポートしてあげましょう。
時刻と時間の計算を学習する時期
「時こくと時間の計算」は、小学3年生の5~7月頃に学習します。小学3年生の1学期と2学期に分けて学習する場合もあります。
時間についての単元は、1・2年生でも少しずつ学習しています。
- 1年生 時計の読み方(何時・何時半など)
- 2年生 時計の読み方(何時何分、24時間制、時刻と時間のちがいなど)
- 2年生 時計の計算(時計盤を見ながら簡単に)
- 3年生 時刻と時間の計算(文章題として出題、秒が登場)
このため、前学年までの学習内容をなかなか思い出せずにいると、つまずいてしまうことがあります。
・大人でも混同する、時刻と時間のちがい
時刻…「12時40分」「3時」のように、ある1点の時刻を表します。
「3時に家を出た」のときの「3時」は時刻を表しています。
時間…「30分間」「4時から5時まで」「10時の30分後」のように、時間の長さを表します。
「家から30分歩いて、…」のときの「30分」は歩いていた時間を表しています。
お子さん自身がはっきりと「これは時刻」「これは時間」と言えるようになる必要性は低いですが、大人がお子さんに説明するときは、この2つを意識的に言い分けるようにしましょう。
時刻と時間の計算に強くなるために家庭でできること
時刻と時間の計算は学校の授業でも年に数回ずつしか扱われず、習得が難しい単元です。
なぜ時間の計算は子どもにとって難しいの?
何時何分、何分後、何分前……時間の計算は日常のあらゆるところで使用します。大人からすれば慣れた計算ですが、お子さんにはまだ時間の計算をする経験がほとんどありません。大人は難しさをとうの昔に克服していますが、実はかなり複合難易度の高い単元なのです。
理由① 時間は60進法のため、計算に慣れていないから
「1時40分の30分後は?」「5時10分の45分前は?」このような計算問題になると、大人も一瞬詰まりますね。
これは、1時間が100分ではなく、60分(60進法)だから。2時40分の30分後は2時70分ではなく、3時10分になる……この計算に時間を要してしまい、なかなか解けないお子さんが多くいます。
【ちなみに】時間が60進法になったわけ
なぜ時間が60進法なのかというと、紀元前の数学・天文学までさかのぼります。メソポタミア文明時代の数学や天文学は、60進法を採用していました。そして、その天文学者たちが、60進法をもとに1時間の割り方を提案したのだそうです。なぜ1日を24等分し、1時間を60等分したのか……については諸説あるそうなので、気になる方は調べてみてください。
ただし、小学生が天体を本格的に学習するのは4・6年生の理科ですし、角度もまだ3年生の算数で習いたてです。「なんで1時間は60分なの?」の問いには、「世界でそうルールを決めたから」という答えのほうが理解しやすいかもしれません。

天体望遠鏡が登場する1600年頃までは、天文学者たちは肉眼で星を観測していました。
理由② 計算のパターンが4通りくらいあってどうしたらいいか判断できないから
小3の「時刻と時間」では、大まかに分けても4つの計算パターンがあります。
単純に出てきた数字を式に当てはめるのではなく、「聞かれていることが何か」「わかっていることが何か」を整理して式を組み立てる必要があります。
理由③ 時間の流れという抽象的なことを問われているから
時刻や時間の問題では、時系列をさかのぼるのか/追っていくのかといった抽象的で具体化しにくいことを頭の中で考える必要があります。お子さんは、今までは実在のものの個数を分けたり足したりして計算していましたが、それに比べて時間の経過を足したり引いたりするのは抽象度が高いといえます。数直線図やイメージ図、または時計盤などを頭の中に浮かべながら考えられるようになっていきましょう。(実践編でもご紹介しています)
ふだんから時刻や時間の計算をさせましょう
日常の場面で、○分前の時刻や○分後の時刻を考える機会は多くありますね。そんなときに「○分後に家に着きたいから、何分になったら出たらいいかな?」などと、一緒に考える機会を持つことが大切です。何度も日々の生活の中で計算を繰り返すことで、自然と慣れていきます。しっかり練習させてあげましょう。

数直線で時刻と時間の計算を考えるのが近道
小学3年生で出題される時刻の計算の出題は、大抵、少し長い文章題になります。
「ゆうたさんは、電車に50分乗って、11時40分にもみじ山駅に着きました。電車に乗った時こくは何時何分ですか。」
「ゆかさんは、遊園地を1時30分に出て、40分歩いて映画館に着きました。着いた時こくは何時何分ですか。」
ぱっと見て、足し算か引き算かがわかりにくいですよね。子どもも出題されている文章を読むのに時間がかかります。文章から問われていることを探すのが難しい場合は、数直線図などを書きながら一緒に問題の意味を考えてあげることをおすすめします。
数直線の書き方や具体的な教え方は、こちらの記事も参考にしてください。
【朗報】出題される分・秒は、5分単位
小学3年生の単元テストで出題されるのは、「○時50分」「○時15分」など、基本的に5分単位です。「13分から27分までの時間をもとめましょう」というような複雑な計算は、通常は出題されません。時刻の計算の難易度は、下記のように上げていくといいでしょう。
① 1時間単位 …3時の1時間後 など
② 30分単位 …3時の30分後 など
③ 10分単位 …3時20分の10分後 など
④ 5分単位 …3時25分の35分後 など
②の30分単位までは小学2年生まででさわりを学習していますので、ここまでが難しい場合は、1つ下の学年にさかのぼって2年生の内容から復習することをおすすめします。
秒の計算でつまずくときは
時刻や時間の計算で秒が入ってくるとつまずくときは、まずは秒数の感覚を持たせてあげましょう。30秒たったと思ったら手をあげる「30秒あてゲーム」がおすすめです。
また、公園1周を走るタイムを計るなど、「1分30~40秒」くらいの時間を計ってみるのもおすすめです。1分が60秒であることを実生活に結びつけて体感することで、問題も見慣れたものになっていきます。
時刻の計算が高学年の単位の学習につながる
時刻の計算の分野は3年生でひと区切りとなりますが、時間の計算は大人になっても日常的に使うスキルです。ぜひ積極的に生活にとり入れて使いこなせるようになってほしいと思います。
また、単位を変換して考える力は、今後も3年生で「重さ」、4年生で「広さ(面積)」、5年生では「体積」など、ほかの単位でも同様に必要になります。
時間⇔分、分⇔秒で言いかえる力を養っておくと、今後の学習にも大いに役立ちますよ。
具体的な問題の教え方が知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください↓
算数3年生 これで完ペキ!「時刻と時間の計算」の教え方 〜実践編〜
イラスト:しもむらやえみ
編集協力:ホープ編集室
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