
算数3年生 これで完ペキ!「時刻と時間の計算」の教え方 〜実践編〜
おうちでできる!!小学算数つまずき対策
小学校3年生で習う「時刻と時間」。教え方の例と図の書き方を解説します。
小学校で習う算数は「積み上げ型教科」と言われています。前の学年で習ったことを土台に、新しい内容を積み重ねて学習していきます。次の学年での学習をスムーズにするためにも、お子さんが難しそうにしているところがあれば、サポートしてあげましょう。
時間と時刻の4つの計算パターン
小学3年生で習う時刻と時間の計算には大きく4つのパターンがあります。
① 単位換算
② 何分後の計算
③ 何分前の計算
④ 何分間の計算
それぞれについて、解説していきます。
時間の計算パターン① 単位換算
シンプルに単位を換算する問題です。
例題1 「70分=□時間□分」
例題2 「1時間30分=□分」
メモしながら解くのがコツです。具体的には、例題1では、70分の下に、1時間のまとまりの60分とそれ以外の10分に分けることをメモしておきましょう。
また、60分、120分、180分、240分 のような、60の倍数を頭に入れておくと、区切りに気が付きやすいです。問題のヒントを出すときには「180分は何時間だっけ?」「2時間は何分だっけ?」と近い固まりを質問して気づかせるのもよいでしょう。

例題2の場合は、1時間の下に“60分”と換算後の量をメモしてから60分と30分を足させると、計算ミスを減らすことができます。
これは、秒を分に直すときも同じです。
パターン①の時間の単位換算は、そこまで難易度は高くありません。ケアレスミスをしないで早く解けるようになると、この後のパターン②以降の文章題の問題を計算するハードルが低くなります。
時間の計算パターン② 何分後の計算
解き方のコツは、ちょうどの時刻(00分)より前と後で分けて考えることです。
実際に時計を見て考えるのもよいですが、時計盤で考えるのが苦手なお子さん向けに、数直線で考える考え方をご紹介します。
例題3 ゆかさんは、遊園地を1時30分に出て、40分歩いて映画館に着きました。着いた時こくは何時何分ですか。
何分後の計算の教え方例
状況を数直線図に表します。

①1時30分の、次のちょうどの時刻は何時かな?
――2時

②1時30分から2時までは、何分かな?
――30分
(青字は、前のお子さんの答えを受けているところです。)

③40分後の時刻を聞かれていたね。40分は、30分とあと何分かな?
――10分

④2時から10分後の時刻は、何時何分かな?
――2時10分


答えは、2時10分だね。
ポイント① 数直線はあくまで考える補助に過ぎない
数直線は、最終的にお子さんが自力で書ける状態になる(=考え方を自分で図に表せる状態になる)ことが望ましいです。自力で書けるようになれば、次のステップでは数直線を書くこと自体を省略して頭の中で計算を進めていけるようになります。
正確で丁寧な数直線をお子さんが書けるようになることをゴールにせず、数直線で関係を理解して、頭の中で計算を早く進められる状態を目指しましょう。
ポイント② 最初は別紙に大きく書く
図は、書かれている情報の位置関係が重要です。小さく書いたためにごちゃごちゃして読みにくいと、余計な負荷がかかります。裏紙などでよいので、最初は1枚に1つの図を書くくらい、大きく書くようにしましょう。
ポイント③ 時・分をいちいち書かない
毎度「1時30分」などと書くのは大変です。「1:30」にしましょう。午前・午後が出てきたときだけ、時刻の上に付け加えます。
ポイント④ 目盛りの位置や長さにこだわらない
数え方例のステップ②で、40分を30分と10分に分けますが、正確に3:1の地点で分ける必要はありません。あくまで考える補助の数直線ですので、常に真ん中で分けても計算できる子にはよいと思います。どうしても気になる子は、後から線をのばすなどして修正しながら書いてもよいです。気になるのは、時間の量感覚が適切に身についてきた証拠です。
ポイント⑤ 途中で計算につまずいたときの対処法
数え方例のステップ②で、「1時30分から2時までは、何分かな?」を考えるのが難しいときには、いくつかのアプローチ方法があります。お子さんが考えやすい方法であれば、どれを使ってもかまいません。
アプローチ① 時計の実物を見せて数えさせる
学校のテスト中は時計が隠されてしまう場合がありますので、紙の上に時計盤を書いてかぞえさせるのもおすすめです。
アプローチ② 計算させる
30分から00分までなら、「60-30=30」で求めることができます。ただし、機械的に計算させるだけでなく、「60-30」が何の計算をしているのか、意味も理解させるようにしましょう。意味を理解させる際には、アプローチ①の時計盤を見ながら「60-30」の意味を説明するとよいです。
アプローチ③ 数直線に10分ごとの目盛りをつける
数直線の上で数えさせる方法です。時計盤より数直線のほうがかぞえやすい場合はこちらがおすすめです。ただし、この方法は目盛りの数が増えてくるとかぞえるのがしんどくなったり、読み間違いが発生したりしがちです。数直線を大きめに書いてください。
時間の計算パターン③ 何分前の計算
まず、問題文を読んで、時計を前に進めるのか、戻すのかを考えましょう。
(パターン②か③かの見分けが、1つ目のつまずくポイントです)
こちらの解き方のコツも、ちょうどの時刻(00分)より前と後で分けて考えることです。
例題4 ゆうたさんは、電車に50分乗って、11時40分にもみじ山駅に着きました。電車に乗った時こくは何時何分ですか。

11時40分の50分前の時刻を聞かれているね。

文章題から数直線図を書くことで情報を整理する
時計を前に進めるか戻すのかを考える際には、文章題中の情報が数直線上でどのような位置関係になるのかを考えさせます。
まず、問題の文章から、時系列に沿って、「まず何をして」と「次に何をした」のかを並べさせます。
その後、数直線で「電車に乗った時刻」「電車に50分乗る」「もみじ山に着く」をどこに書くか考えさせましょう。穴埋めでよいです。

問題に書いてあることを順番に言ってみよう。まず何をしたのかな? そして、何を聞かれているのかな?
11:40にもみじ山駅に着いたんだね。「電車に50分乗って」は、数直線のどこに書けるかな。

聞かれているのは「電車に乗った時刻」だね。数直線のどこに書けるかな。

何分前の計算の教え方例
状況を数直線図に表します。

数直線が書けたら、以下の通りに問題を解いていきます。
①11時40分の、その前のちょうどの時刻は何時かな?
――11時

②11時40分から11時までは、何分かな?
――40分
(青字は、前のお子さんの答えを受けているところです。)

③50分前の時刻を聞かれていたね。50分は、40分とあと何分かな?
――10分

④11時の10分前の時刻は、何時何分かな?
――10時50分


答えは、10時50分だね。
ポイント① 「何分前」は難しい問題です
「何分前の計算」は、「何分後の計算」よりも難しいです。問題文に書かれている数字や出来事をそのままの順に書いていくと、数直線がうまく書けないからです。
数直線の構成要素には以下の3つがあります。
・時刻A
・時刻B
・時刻A-B間の所要時間
文章題のそれぞれの要素に下線を引き、図の3か所のどこに当てはまるか、パズルのように考えていくとよいです。
ポイント② 時間をさかのぼるということ
教え方例のステップ①~④では、起点となる11時40分から、追って時間をさかのぼっていきます。時間の流れと逆なのですが、「11時40分から11時までは」「11時の10分前は」と、語順に気を付けて意識的にさかのぼらせていくと、計算の流れが理解しやすくなります。
時間の計算パターン④ 何分間の計算
所要時間を計算する問題です。こちらの解き方のコツも、ちょうどの時刻(00分)より前と後で分けて考えることです。
例題5 さくらさんは2時30分から3時10分まで公園で遊んでいました。公園で遊んでいた時間は何分ですか。

2時30分から3時10分までの時間を聞かれているね。
何分間の計算の教え方例
状況を数直線図に表します。

①2時30分の、次のちょうどの時刻は何時かな?
――3時

②2時30分から3時までは、何分かな?
――30分
(青字は、前のお子さんの答えを受けているところです。)

③3時から3時10分までは、何分かな?
――10分

④30分と10分を合わせると?
――40分


答えは、40分だね。
ポイント 午前・午後をまたいだ計算のしかた
問題文に午前・午後が入ってくることもあります。
例)午前9時から午後2時20分までの時間は?

この場合は、午前9時から12時まで、12時から午後2時20分まで、のように2段階に分けます。
ちなみに、正午=午前12時=午後0時です。ややこしいので、午前・午後を書かせる問題では「午前12時30分」や「午後0時10分」などが答えになることは少ないです。数直線上では12と0を縦に併記するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
「算数つまずき対策」では、お子さんがつまずきやすい小学校算数の単元の保護者向けの教え方を発信しています。
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そもそも「時刻と時間の計算」はなぜつまずきやすいのか? が知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください↓
イラスト:しもむらやえみ
編集協力:ホープ編集室
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1時30分の40分後の時刻を聞かれているね。