
小学生の行き渋りは珍しくない?親ができる対応と体験談
小学校生活・学習情報
朝、登校の時間になると急に元気がなくなる。身支度がなかなか進まない。いつまでも甘えたり、泣き出したり。そんな「行き渋り」を見せる子どもの様子に戸惑った経験のある方も多いのではないでしょうか?
その背景や、どう受け止めればよいかについて考えてみました。
行き渋りは、誰にでも起こりうるもの
子どもが何らかの原因で学校に行くことをためらったり、登校を渋ったりすることを、「行き渋り(登校渋り)」と呼ぶことがあります。まず押さえておきたいのは、行き渋りは特別なものではなく、どの子どもにも起こりうる反応だということです。ある調査では、保護者の6割近くが、子どもの行き渋りを経験しているというデータもあります。
行き渋りの原因はひとつではない?
では、行き渋りの原因はいったい何なのでしょうか。理由には、友達との関係や、先生との相性、授業についていけない不安など、比較的はっきりしているものもあれば、本人にも理由がよくわからないケースも少なくありません。また、環境の変化や、疲れの積み重ね、気分の落ち込みなど、学校生活以外の要因が複数重なっていることもあります。
さらに睡眠不足や生活リズムの乱れが影響していることもあり、必ずしも「これが原因」とひとつに特定できるとは限らないようです。
行き渋り体験談①~きっかけ~
★子どもが「お腹が痛い」と言って学校を休みたがるようになったとき、最初は「仮病かな?」と思いました。でも、話を聞くと、席替えをきっかけにお友だちとの関係が変わり、教室にいるのがつらくなったとわかりました。(群馬県:プップのママさん/お子さんは小学3年生)
★どうして学校に行きたくないのか、言葉でうまく言えなかったうちの子。朝になると、うつむいたまま涙が出てしまうという状態が続きました。(東京都:いい論マスクさん/お子さんは小学2年生)
★朝になると、ランドセルを背負ったまま動かなくなり、「あと5分だけ」と何度も言うようになりました。理由を聞いても「う〜ん?わからない」としか言わず戸惑いましたが、週末になると普段通りに。学校に行くこと自体に負担がかかっているのかもしれないと感じました。(大阪府:みかんの木さん/お子さんは小学1年生)

★入学直後は元気に学校に通っていましたが、ゴールデンウィーク明けごろから行き渋るようになりました。学校が楽しくない、嫌だと言って泣き、一人では登校できなくなったので、毎朝付き添っていました。(徳島県:中大兄皇子さん/お子さんは小学2年生)
親ができる対応とは?
子どもの行き渋りに直面したとき、親は何ができるのでしょうか。大切なのは、親自身が焦ったり、慌てたりしないことです。子どもがどんな状態なのか、冷静に受け止めます。
原因を探すよりも、まずは受け止めて、あたたかい声かけを
文部科学省の調査でも、不登校や行き渋りの要因は「人間関係」「学業不安」「生活リズム」など複数のカテゴリーに分かれていて、ひとつの理由に収まらないケースが多いとされています。
こうした状況を踏まえると、「どうして行きたくないのか」を突き止めるよりも、まずは子どもの状態をそのまま受け止めることが最初の対応になりそうです。
「なぜ?」「どうして?」と原因を急いで突き止めようとすると、問い詰める形になりやすく、かえって子どもが言いにくくなってしまうこともあります。
声かけのNG例
- 人と比べる→「みんな行ってるでしょ!」
- おどし→「行かないと後で困るよ」
- 非難→「お母さん(お父さん)は忙しいんだから!」
- 放任→「もう、知らないよ!」
受け止める声かけの例
- そのまま受け取る→「行きたくない感じなんだね」
- 一緒に考える→「今日はどうする?少し休む?それとも時間をずらして行ってみる?」
- 安心できる前提を伝える→「無理しなくても大丈夫だよ」
- 先の見通しを共有する→「途中で行きたくなったら、どうするか考えておこうか」
たとえば「どうして行きたくないの?」と理由を求めると、子どもは自分が悪いことをして怒られていると感じてしまうことがあります。それよりも、「そうか、行きたくない感じなんだね」と状態をそのまま言葉にすると「わかってもらえた」という感覚につながるかもしれません。
いったん子どもの状態を受け止め、そのうえで、「今日はどうする?」と一緒に考える姿勢を取ってみるのもひとつの方法です。

子どもの様子や背景に応じて、柔軟な対応を
では、実際に「行きたくない」と言われたとき、どのような対応が考えられるでしょうか。例としては、次のような方法があります。
対応の例
- 保護者が付き添って登校する
- 時間をずらして登校する
- 担任の先生と情報を共有して、教室での過ごし方を調整する
- 保健室や図書室など、教室以外で過ごせる場所を用意してもらう
- 思い切って休ませる
いずれの場合も、その日の子どもの様子や背景に応じて、柔軟に対応していくことが大切です。
行き渋り体験談②~対応~
★「無理して行かなくても大丈夫だよ」と伝えたあとで、「もし途中でつらくなったらどうする?」と一緒に考えるようにしました。あらかじめ選択肢があることで安心するのか、子どもなりに「ここまでやってみる」と決めて動けるようになりました。(兵庫県/はるまきさん:お子さんは小学4年生)
★担任の先生に相談して、学校の中で安心して過ごせる場所を作ってもらうようにしました。そのうち、徐々に登校できるようになりました。(京都府/飛石蓮求さん:お子さんは小学1先生)
★「週末の疲れが月曜に出てしまうのかも」と思ったので、週末は予定を詰めず、家でゆっくり過ごす時間をつくりました。抱っこしたり、一緒に遊んだりと、できるだけ子どものペースに合わせて過ごすようにしたところ、週明けの朝の不安が少しやわらいだように感じました。(千葉県/なずなさん:お子さんは小学1年生)
★休み時間に何をしていいのか分からないと言っていたので、自由帳にいろんな質問を書いて答えてもらいました。「いま聞こえる音3つ書いて」「見えるものを5つ書いて」「ともだちの名前を3人書いて」のように、少し周りを見わたせるようなものにしました。学校にいても母親と繋がれる気持ちになるのは安心するようでした。(神奈川県/肉球BBQさん:お子さんは小学2年生)
★もやもやした気持ちを言語化してもらうのは難しいと感じたので、嫌な気持ちがしたら(わが家では「不安虫」と呼んでいました)絵に描いて気持ちを外に出してもらいました。時にはそれをびりっと破いて、不安虫をやっつけていました。(愛知県/はちみつ熊さん:お子さんは小学3年生)

小学生の行き渋りは珍しいものではなく、実は多くの保護者が経験しています。しかし、実際に直面してみるとどうしたらいいのか分からず、焦ってしまいがちですよね。
まずは子どもの気持ちを受け止め、優しく声かけを。そしていくつかの対応策にトライしてみましょう。低学年のうちは「自立」と「サポート」のバランスが難しいかもしれません。子どもの様子を見ながら、うまくバランスを取れるといいですね。
行き渋りは、いつの間にかなくなっていた、というケースも少なくありません。保護者の過度な不安が子どもに影響する場合もありますので、普段どおりに過ごすことも大切です。
また、子どもがとても辛そうな場合は無理して登校させず、ゆっくり休ませてあげてください。行き渋りが長引くと子どもだけでなく保護者の負担も大きくなります。周りの人や先生、スクールカウンセラーなど、相談できる人に話を聞いてもらうなどして、周囲の力も借りていきましょう。
(イラスト:吉田朋子 文:サード・アイ)
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