【元体操日本代表 田中 理恵さん】体操して疲れない体になる!! 子どもと楽しくLet’s Taiso!

【元体操日本代表 田中 理恵さん】体操して疲れない体になる!! 子どもと楽しくLet’s Taiso!

体操して疲れない体になる!! 子どもと楽しくLet's Taiso!

2012年、体操日本代表としてロンドンオリンピックに出場された田中理恵さん。現在は、2児の母としての経験を生かし、「体を動かす楽しさ」を子どもたちに伝えています。
第3回目は、子どもたちの「やる気」を育む方法について。特に、運動が不得意だったり、体を動かすことが好きではなかったりする子どもへの効果的な声のかけ方を教えていただきました。

田中 理恵(たなか・りえ)さん/元体操日本代表

田中 理恵(たなか・りえ)さん/元体操日本代表

両親ともに体操指導者の家庭に育ち、兄の影響で6歳から体操競技を開始。2010年、最もエレガントでカリスマ性のある演技を披露した選手に贈られる「ロンジン・エレガンス賞」を、日本人女子選手として初めて受賞。2012年のロンドンオリンピックでは、兄・弟とともに三人きょうだいでの出場が話題に。引退後は体操指導のほか、テレビ出演や講演活動など幅広い分野で活動中。

田中 理恵さん流 子どものやる気の高め方:「共感」と「未来をイメージさせること」

体操 田中理恵 子育て 子ども 
小学生の頃の運動会。「母の背中から落ちないように必死でした」

 今もイベントや体操教室などで、体操指導に関わることがあります。そうした際、やる気の出ない子の背中を押したり、失敗した子を励ますための声かけはとても重要です。心がけているのは「いったん、子どもの気持ちを受け止める」こと。そして、そのうえで「未来に目を向けさせる」ことです。

母が教えてくれた「共感」という「安堵感」

 実は先日、長女が体操教室でケガをして、「もう練習に行きたくない」と言い出す出来事がありました。私は「行きたくないのね、わかったよ。まずはリハビリをがんばろうか。治ったらケガをする前より強くなってるかもしれないから、その時にやめるかやめないか考えよう」と答えました。
 これは第1回目にお話ししたように、私自身が「体操をやめたい」と母に伝えたとき、「不安ならやめてもいいよ」と、私の気持ちを尊重してくれたことが影響しています。あのときの安堵感が今も心に残っているのです。

共感がポジティブな未来への道しるべ

 また、小学生の頃の私はアイドルにも憧れていたため「体操選手にもなりたいけど、アイドルにもなりたい」と母に伝えたことがあります。すると「体操で有名になればアイドルにもなれるよ。だから練習がんばろう!」と返ってきたのです。今思えば「うまいこと言われたな」とも感じますが(笑)、アイドルを否定はされなかったし、その未来もイメージさせてくれました。だから私も、長女にポジティブな未来へ気持ちを向けさせ、そこから逆算して今やるべきことを示したのです。

田中 理恵さんの提案:簡単な運動でスキンシップ。一緒に体操を楽しみましょう

無理は禁物。運動は家の中でも楽しめます

 運動をしたがらない子どもへの声かけも、これと同じだと思います。まず大切なのは、怒ったり、無理にスイッチを押そうとしないこと。「さあ、サッカーしに行くよ!」とか「ダラダラしてないでこれをしなさい!」といった一方的な指示はNGです。無理にやらされても楽しくないので、運動嫌いが加速してしまいます。確かに、天気の良い休日に朝から動画やゲーム三昧だと、「外に遊びに行きなさい!」と言いたくなりますよね。でも、第1回目からご紹介している『おすすめTaiso!』のように、家の中でも楽しめる運動はあります。「体を動かす」=「外で遊ぶ」という先入観を取り払って、運動が苦手だったり、体を動かしたがらなっかたりするお子さんでもできる、簡単な運動を伝えてあげてください。

子どもより少し下手な見本で子どものやる気アップ

 ポイントは、子どもの興味をうまく誘うことです。親自身がスマホなどを見て「お、こんな運動があるんだ」などと言いながら率先してトライしてみてください。そのうえで、子どもに「こんなことできる?」と振るのです。このとき、もうひとつコツが必要です。あまり親がうまくやりすぎないことです。少々、下手なくらいの運動を見せると子どものモチベーションは上がります。なぜなら、子どもは親より何かが上手にできると非常に喜ぶからです。その感情をうまく刺激するのです。そして、子どもができたときにはしっかりとほめ、「どうすればいいの?」と聞いてあげてもいいと思います。きっと、自信満々で教えてくれるはずですよ。

親子で体を動かした経験は楽しい記憶に

 親子で体操をすると、体の成長や変化などに気づきやすくなるというメリットもあります。意外と筋力がついてきたなとか、体が歪んでいるかもとか、普段見えにくかったことが体操の中で見えてきます。そして、目を合わせながら同じポーズをとることや、手をつないだり、体を密着させたりする運動はスキンシップにもなり、楽しい記憶として残ると思います。私も、母が指導していた親子体操に参加して、母と手をつないで歩いたときの幸せな気持ちはいまだに覚えています。「子どもに運動をさせる」というスタンスではなく、「一緒に体操で楽しもう」くらいの感覚で、体を動かす時間を共有してみてください。

体操 田中理恵 子育て 子ども 
一緒に体を動かしていると、息子の楽しんでいる思いが伝わってきます

りえ先生おすすめTaiso!⑤

バランスチャレンジ

今回も、親子で手軽にできる体操を紹介します。
第3回目は、体のバランスや体幹を高めます。どちらも相手が見えないドキドキ感やワクワク感を楽しみながら、信頼関係やコミュニケーションも深まります。ぜひ、お子さんと楽しくLet’ Taiso!

体操 田中理恵 子育て 子ども 

・子どもは体をまっすぐにして立ち、体を後ろへ傾けます。おうちの人が足で受け止め、そのまま後ろへ倒します。元の姿勢に戻しましょう。
・倒れるときには、姿勢を崩さないように全身に力を。

上を向いて倒れているので、周囲が見渡せ、自分の体がどの位置にあり、どのように動いているのかが把握できます。バランスを崩したときに瞬時に姿勢を立て直す「身体感覚」が養われます。おうちの人が見えないので、しっかりと息を合わせて取り組みましょう。

りえ先生おすすめTaiso!⑥

背中合わせボール渡し

体操 田中理恵 子育て 子ども 

・親子で背中合わせになり、足を肩幅程度に開いて立ちます。
・ボールを持った人が上半身を後ろに反らし、後ろにいる相手へボールを渡しましょう。

足を動かさず、体が左右に傾かないようにボールを渡すことで、おなかや下半身にも力が入り全身を使った運動になります。無理に腰を反らさず、ゆっくりとした動きで行うことがポイントです。慣れてきたら少しずつ距離を離し、難易度UPに挑戦しましょう。

文:シガマサヒコ
イラスト:渡邉 美里
編集協力:ホープ編集室

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