
オススメ! 最新図鑑と、図鑑の上手な活用法
実は、図鑑を上手に使うと、学力アップにもつながるんです。
「好奇心いっぱいの子どもと図鑑は、相性がばっちり!」と語る、脳医学者の瀧 靖之先生に、最新のオススメ図鑑と、図鑑の魅力についてうかがいました。
最新! オススメ図鑑
■『めくって学べる きかいのしくみ図鑑』


監修/小峯龍男
Gakken 2,178円(税込)
身近なものから町の自動販売機や電車・ロケットまで、ふだん目にすることのない“機械の内部の仕組み”を見ることができます。厚紙をめくると内部構造が表れる仕掛けで、触りながら確かめるおもしろさがあります。ものの作りを知ることは、「ある動きの組み立てに必要な動作」を論理的に考える、プログラミング的思考も育てます。
■『大ピンチずかん』


作/鈴木のりたけ
小学館 1,650円(税込)
「ガムを飲んだ」「牛乳がこぼれた」など、子どもたちが日常で出合う“あるある大ピンチ”を、大ピンチレベルと5段階のなりやすさで分類しています。対処法まで載っているピンチも! 子どもにとって、親近感のわく図鑑です。この著者ならではのユーモアに満ちた視点と、男の子の表情にも惹かれます。
■『図解 はじめての絵画』


監修/青柳正規
小学館 2,970円(税込)
世界の名画を約360点取り上げ、子どもたちの興味を喚起するユニークなテーマで詳細に図解。鑑賞ポイントが丁寧に説明されていたり、絵画の素材や技法、サイズ感などもわかりやすく紹介されたりしているなど、子どもの感性を刺激する内容です。図鑑を携えて美術館に足を運びたくなるかも!
■『さわって学べる 算数図鑑』


監修/朝倉 仁
Gakken 2,420円(税込)
“算数をさわって学ぶ”という独自の視点で展開。足し算・かけ算から図形や立体まで、仕掛けを通して体感することができます。立体図形や展開図を動かす・開ける・組み立てるなど、実感しながら算数を楽しめます。小学生以上のお子さんにはもちろん、幼児期は親子で一緒に仕掛けを楽しめるオススメの1冊です。
■『虫のしわざ図鑑』

写真・文/新開 孝
少年写真新聞社 2,200円(税込)
虫が好きな子にはたまらない1冊! 葉脈だけになった葉っぱや、木の実の穴、木の幹にできた盛り上がりなど、自然界で目にする、へんてこで不思議な“虫のしわざ”を写真でたっぷり紹介しています。どんな虫が、どんな風に、何のために? も合わせて解説。虫が生み出す芸術作品を探しに、外へ出かけたくなる図鑑です。
図鑑はなぜ学力アップにつながるの?

図鑑を上手に活用すると、学力アップにつながるといわれています。
理由として、この2つが挙げられます。
(1)好奇心で脳が育つから (2)文字や自然科学の情報などが、学習との親和性があるから |
(1)好奇心で脳が育つ
脳は、興味関心があるものごとに対してどんどん意識が向き、周辺の力も含めて伸びていくという特性をもっています。そんな「興味関心=好奇心」に応える内容がぎっしり詰まっているのが、図鑑です。つまり、図鑑を読んだり上手に活用したりすることが刺激になり、脳の育ちが期待できるのです。
(2)文字や自然科学の情報などが、学習との親和性がある
図鑑には、生き物や植物、天体、鉱物など、自然科学の内容を扱うものがたくさんあります。小学校で本格的に学習に入る時に、「まったく知らない」のと「なんだか見たことある」のとでは、大きな違いがあります。また、最初は図鑑の写真や絵をながめて楽しんでいるだけだとしても、「これは何だろう」「何が書いてあるのかな」と好奇心がふくらんでいくため、「気がついたら、文字を読めるようになっていた・覚えていた」という状況になりやすいのです。
図鑑の上手な活用方法

図鑑が学力アップにつながることがわかったところで、より楽しみながら効果的に図鑑を活用する方法を紹介します。
(1)親子で一緒に読む (2)クイズを出し合う (3)オリジナル図鑑を作る (4)同じテーマの図鑑を見比べる |
(1)親子で一緒に読む
1日5分でもかまいません。親子でぜひ一緒に読み、楽しんでください。おうちのかたがおもしろがっている姿を見た子どもは「自分も見たい!」と興味をもちます。
(2)クイズを出し合う
図鑑に載っている情報や、写真の見た目をヒントにして、親子でクイズを出し合ってみましょう。図鑑から派生したクイズ本も多く出ているため、そちらを活用するのもよいでしょう。意外と子どもの方が細かいところまで覚えていて、おうちのかたが「あっ!」と驚く結果になることも!
(3)オリジナル図鑑を作る
図鑑を見て絵を描いたり、切り貼りしたりして、オリジナル図鑑を作るのもおもしろいでしょう。子どもならではの視点で、大きさ順や色ごとに並べたりするなど、こだわりが見つかるかもしれませんよ。
(4)同じテーマの図鑑を見比べる
「恐竜」「昆虫」など、同じテーマで各社から出ています。それぞれの力の入れどころが違うので、比べてみるのは新たな発見にもつながりそうですね。
【ポイント】
■親子で一緒に楽しみましょう
子どもの興味をかきたてるに留まらず、親子でながめれば共通の話題で盛り上がれる大切な時間に。子どもが「自分一人で楽しみたい!」と言うまでは、会話しながら一緒に楽しんでくださいね。
■図鑑を見たら、実物も見ましょう
図鑑だけで完結せずに、水族館や博物館、昆虫採集や科学館に行くなど、図鑑で見たものを実際に確かめることで、理解やワクワク感がさらにアップ! ポケット図鑑をお出かけのおともにするのもオススメです。
知れば知るほど、詳しく新たな情報を得ることができる図鑑は、子どもの知的好奇心を育むのに最適なアイテムです。「知的好奇心」は子どもの行動力や探求心を高め、「困難に立ち向かっても達成したい!」という気持ちをもつことにもつながります。ぜひ、図鑑を上手に活用してください。