これで泳げるように!プロ直伝・子どもの水泳デビュー応援ガイド!

これで泳げるように!プロ直伝・子どもの水泳デビュー応援ガイド!

親子で挑戦!〇〇デビュー!

これから夏休みを迎えるお子さんに、水泳の基礎を教える際のポイントを、水泳教育者の菅原優さんに教えていただきました。

水泳の上達には、「スモールステップ」による指導が効果的だといわれています。特に初心者のお子さんにとっては、小さな成功体験の積み重ねが大きな自信につながります。
これから夏休みを迎える時期に向けて、おうちのかたがお子さんに水泳の基礎を教える際のポイントを、水泳個人レッスン「Swimmy」代表で水泳教育者の菅原優さんに教えていただきました。

菅原優(すがはらゆう)

菅原優(すがはらゆう)

水泳教育者。Swimmy(株)代表取締役。東京学芸大学教育学部卒業。中・高等学校保健体育教員免許取得。幼少期から水泳を始め、国民体育大会出場、インターハイ出場など競技者として活躍。20年間で延べ5,000レッスン以上を指導し、現在は全国100名以上のコーチネットワークを構築。NHK大河ドラマ『いだてん』に出演するなど俳優としても活躍。NPO法人スーパーダディ協会に所属する、2児のパパでもある。著書に『子どもに必要な能力はすべて水泳で身につく』(かんき出版)がある。

1:顔を水につけられるようになろう

水泳における最初の関門は「水に顔をつけること」です。顔つけの練習では、水につける範囲を少しずつ増やしていくスモールステップで取り組みましょう。
例えば、下くちびる→上くちびる→ほっぺと片耳→鼻の下→鼻をつまんで鼻全体→目元というように段階を分けて練習を進めます。

水泳 教え方 泳げるように

そして、1つのステップをクリアするごとにしっかりほめましょう。「できた!」という経験が増えることで自信が芽生え、水への恐怖心も少しずつ薄れていきます。
自宅で練習する場合は、お子さんの顔が十分入る大きさの洗面器やボウルを用意し、プールと同じくらいの水温(約30℃)の水を入れて試してみましょう。ゴーグルを着用すると、目を開けたまま水中を見る感覚に慣れやすく、プールでの水泳へスムーズに移行できます。

ワンポイントアドバイス

顔つけは無理に進める必要はありません。お子さんが「もう一回やってみたい」と思えるペースで、楽しい雰囲気を作ることが大切です。

2:浮く練習をしよう

水に慣れてきたら、次は「浮く感覚」を身につけましょう。水に浮くという動きは子どもにとって、とても不思議な体験で、最初はうまくできないこともあります。しかし、体の力を抜くコツをつかめば、水が体を支えてくれる感覚を自然と実感できるようになります。
ここでは、4つの浮き方のステップを紹介します。

水泳 教え方 泳げるように

くらげ浮き

まずは、全身の力を抜いた「くらげ浮き」です。水中では息をたくさん吸って止めると浮力が大きくなり、浮きやすくなります。まずは5秒浮くことを目標にしてみましょう。

だるま浮き

次に、両ひざを抱えた「だるま浮き」に挑戦します。この姿勢でも5秒浮けるように練習してみましょう。
体の形を変えると重心の位置も変わるため、水中で体をコントロールする力が身につきます。

大の字浮き

さらに、両腕と両足を広げて浮く「大の字浮き」に挑戦します。このとき、体を水面と平行に保つことが大切です。

1の字浮き

続いて、両腕と両脚を開いて浮く「1の字浮き」に挑戦します。このときも体と水面が平行になるよう意識しましょう。この姿勢が「けのび」につながります。

ワンポイントアドバイス

浮く練習は、「力を抜く感覚」を覚えることが目的です。うまく浮けないときは、深呼吸をして体をリラックスさせることを意識してみましょう。

3:水の中での呼吸に慣れよう

水泳では、「鼻から吐いて、口から吸う」のが基本です。普段の呼吸とは違うため、最初は難しく感じるお子さんも多いですが、スモールステップで練習することで、少しずつ自然にできるようになります。
まずは、呼吸のタイミングを体で覚えることから始めましょう。

①陸上で「吸う・吐く」を練習する
最初は陸上で、口から息を吸い、鼻から息を吐く練習をします。「吸う」「吐く」の動きを意識しながら、5回ほどくり返してみましょう。

②水の中で息を吐く「バブリング」
次は、口から息を吸ってから顔を水につけ、鼻から水中に向かって息を吐きます。水の中で「ブクブク」と泡を出す練習を「バブリング」といいます。最初は1回からでOK。慣れてきたら10回を目標にくり返しましょう。

③水面に顔を出して呼吸する「ボビング」
水中で息を吐きながら沈み、水面に顔を出して息を吸う練習を「ボビング」といいます。まずは足がつく浅い場所で行い、慣れてきたら少し深い場所でも挑戦してみましょう。こちらも、1回から少しずつ回数を増やしていきます。

これらのステップをゆっくりくり返すことで、水の中での呼吸に少しずつ慣れていきます。鼻から水を吸ってしまう「ツーン」とした不快感も、自然と起こりにくくなります。

ワンポイントアドバイス

「ブクブクパ」の「パ」のタイミングで息を吸うのが難しい場合は、実際に「パッ!」と声を出してみるのもおすすめです。自然と口で息を吸いやすくなります。

4:すべての泳ぎの基本となる「けのび」をマスターしよう

水泳の基本となる姿勢が「けのび」です。この姿勢は、すべての泳ぎにつながる重要なスキルです。
理想的なけのびの姿勢は、

  • 腕をそろえてまっすぐ伸ばす
  • あごを引いてプールの底を見る
  • 両脚はくっつけてまっすぐ伸ばす

という一直線の形です。

けのび 水泳 教え方

次のような手順でけのびの練習をしましょう。

けのび 水泳 教え方

この姿勢が身につくと、クロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライなど、どの泳ぎでもフォームが安定します。

ワンポイントアドバイス

けのびが上手にできると、水の抵抗が少なくなり楽に進めるようになります。泳ぎの上達には重要な姿勢です。

5:バタ足で前に進んでみよう

けのびの姿勢のまま、バタ足をしてみましょう。自分の力で前に進めるようになると、お子さんは「泳げた!」という大きな達成感を得ます。バタ足は、泳ぎながら前に進む最初のステップです。

バタ足 水泳 教え方

バタ足は、①けのびの姿勢、②キック(脚を上下に動かす)の2つの要素で成り立っていて、うまく進まない場合は、このどちらかに原因があります。多くの場合は、けのびの姿勢が崩れています。キックをしようとすると、けのびの姿勢への意識がなくなり、体が沈んでしまうのです。

ワンポイントアドバイス

キックを強くするよりも、まずは姿勢を安定させることが大切です。体がまっすぐ浮いていれば、軽いキックでも前に進めるようになります。

背泳ぎのバタ足にも挑戦してみましょう。

6:クロールの腕の動きを覚えよう

バタ足に慣れてきたら、次は腕の動き(ストローク)に取り組みます。クロールでは、70〜80%の推進力が腕の動きから生まれるといわれています。そのため、正しい腕の動きを身につけることが大切です。最初は水の外で腕を大きく回す動きを練習してみましょう。

クロール 水泳 教え方

ワンポイントアドバイス

水の外で動きを覚えてから水中で試すと、子どもは理解しやすくなります。まずは大きくゆったり腕を回すイメージを持つとよいでしょう。

まとめ

水泳は、お子さんが少しずつ「できた!」を積み重ねていきやすい運動です。最初は顔に水がかかるのを嫌がっていた子も、浮く練習やけのびに挑戦するうちに、水の中が楽しい場所に変わっていきます。おうちのかたがそばで見守り、声をかけながら練習する時間は、親子にとって大切な思い出にもなります。
上手に泳げるようになることよりも、まずは「水が好き」と思える気持ちを育てることが大切です。あせらず、怒らず、笑顔でお子さんのペースに寄りそいながら、親子で楽しく水泳に挑戦しましょう。

菅原優さんの水泳教室のホームページ、Instagram、ご著書はこちら
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HP:https://www.swimmy-ss.com/
Instagram:@yu_sugahara

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取材・編集/東京通信社  イラスト/渡邉鈴子

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