【子どもの食べ物の好き嫌い】について松丸 奨先生が回答! おすすめレシピ「焼きカレーパン」

【子どもの食べ物の好き嫌い】について松丸 奨先生が回答! おすすめレシピ「焼きカレーパン」

松丸 奨先生に聞く! 子育て家庭のごはん相談室

小学校管理栄養士の松丸 奨先生に、子どもの食についてのお悩みと解決レシピをご紹介いただきます。

 親にとって、子どもと食卓を囲むひと時は幸せな瞬間のはず。でも、現実は「好き嫌いが多い」「食べるのが遅い」など、子どもの食べ方に不満やイライラを抱えがちな時間でもあります。

 この連載では、現役の栄養教諭・管理栄養士として、小学校で給食の献立づくりや食育を担当されている松丸 奨先生に、子どものごはんに関する疑問にお答えいただくとともに、そのお悩みを解決するレシピをご紹介いただきます。

 第1回目は、松丸先生へのインタビューと、「食べ物の好き嫌いは、なくしたほうが良いのでしょうか」というお悩みに答えていただきました。

 今回のレシピは「焼きカレーパン」です。

松丸 奨(まつまる・すすむ)先生:文京区立柳町小学校 栄養士(栄養教諭・管理栄養士)

松丸 奨(まつまる・すすむ)先生:文京区立柳町小学校 栄養士(栄養教諭・管理栄養士)

専門学校卒業後、栄養士として千葉県内の市立病院に勤務した後、2008年より栄養士として複数の小学校で給食の献立作成や調理、食育の授業などを担当。2013年「全国学校給食甲子園」で、2,266校の中から激戦を勝ち抜き初の男性栄養士による優勝を果たしたほか、農林水産省の和食給食有識者委員を務めるなど、「食事は子どもたちの夢や未来をつくる」をモットーに、子どもの食や栄養に関する啓蒙・啓発活動にも注力している。メディア出演や、給食に関する著書も多数。

Interview~親と子のこころと体が育つ笑顔ごはん~

 まずは、松丸先生にご自身のことや、食に悩む親御さんに対するメッセージなどを伺いました。

 まず、今まさに、子どもの食事について悩まれているお母さん・お父さんにお伝えしたいことがあります。それは「悩んでいる時点で素晴らしい」ということです。子どもの健康を真剣に考えているからこそ悩んでいるわけですし、悩むからこそ前にも進めます。決して自分を責めたり、思い詰めすぎたりしないでください。

 そして、すぐに何とかしようと焦らないでほしいと思います。きっかけはそれぞれですが、成長する過程で食べられるものは自ずと増えていきます。厳しく叱ったところで子どもは食べません。むしろ、食事の時間が苦痛になり、さらに食べなくなるだけです。実は私自身、幼少期は大の偏食家で、野菜はもちろん、肉も魚も食べられず、居残りで給食を食べていました。しかし、ある栄養士さんの優しいひと言がきっかけで、偏食が軽減したのです。

 ある時「ひと口でいいから食べてごらん。給食には君の体のためになるものしか入っていないから」と言われたのです。試しに、苦手な魚をひと口だけ食べたところ、その日の体育の授業で初めて逆上がりに成功したからびっくり。もちろん偶然でしょうが、小学1年生の私には効果てきめんでした。そこから徐々に、ひと口ずつですが食べられるようになっていったのです。

 子どもの食の問題が改善されるきっかけは、どこに潜んでいるかわからないものです。焦らず、怒らず、「子どものペース」に合わせて、根気よく取り組みましょう。食べられるものを食べて、ほめ、それを伸ばしていくことも重要です。

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「給食には君の体のためになるものしか入っていないから」小学生のとき、ある栄養士さんの言葉に助けられました。今はこの言葉を多くの子どもたちに伝えたいんです。と、松丸先生。

 今、小学校で給食を作っている私が心がけているのは、子どもたちに「顔を見せる」ことです。給食の時間には校内を巡回し、配膳も手伝っています。今うちの学校で、私の顔を知らない児童はほぼいないでしょう。どのクラスも私が覗けば、たくさんの子が「おいしかった」「全部食べたよ」などと報告してくれます。そうした交流やおいしそうに食べている様子は、私にとって「ごほうび」であり、この仕事の醍醐味でもあります。

 同時にこの習慣が、子どもたちを給食好きにさせる一因にもなっていると感じます。作り手の顔が見え、親近感もわけば「食べよう」という気持ちが生まれるものです。また、栄養素のことや調理の工夫点なども積極的に伝えているので、「給食は食べるもの」という雰囲気ができあがっているのです。

松丸奨 レシピ インタビュー 給食 好き嫌い 献立づくり
献立作りは、いろいろとルールがあり大変なのですが、子どもたちの顔を思い浮かべながら考えるのがもっとも楽しい時間です。

 ここ数年、「◯◯は体に悪いってネットに出てたよ」「甘いデザートは砂糖のとりすぎじゃない?」などと、ネットの情報をもとに質問してくる子どもが増えています。もちろん、給食に体に悪影響を与える食品は入れていないことや、砂糖の量も計算していることを説明しますが、その度に「難しい時代になった」と感じます。

 これは保護者の方も同様で、真面目に子どもの食について考えている人ほど、さまざまな情報に振り回されがちなようです。親の食生活は子どもに影響を及ぼします。ネットやSNSから食の知識を得る場合は、できる限り極端な意見は避け、厚生労働省などの信頼できる公的機関が発信している情報を受け取ってほしいと思います。

 食育とは、まず「食を楽しむ」ことであり、そこから興味がわいて栄養や健康に関する知識を学ぶことだと、私はとらえています。そこで、家庭で取り組める方法としておすすめしているものがあります。それは、家族みんなで「平日夜ごはんのメインだけ献立」を作ることです。まずは月〜金曜日の夜ごはんに食べたいメニューを紙やホワイトボードなどに書き出します。そして、メニューを見ながら「魚が1回も出ていないね。魚を入れよう」「この日はカレーだから、サラダをつけよう」などと献立を整えていくのです。子どもは自分が献立作りに関わることで食に興味を持ち、食べたいという気持ちになります。さらに、バランスが良い食事ってなんだろう? バランスが悪いとどうなるの? などと考えるきっかけにもなります。

 ぜひ、やってみてください。まずは「楽しく食に向かう」それが子どもの食事の悩みを解消する第一歩なのです。

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私の勤務する小学校では7人の調理員と協力して約600人分の給食を作っています。
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