
「丸つけ」で、親子の会話が増える!
新1年生の小学校入学準備
もうすぐやってくる、小学校入学。
必要な道具は準備したし、入学前健診もバッチリ。
となると、次に気になるのは
「学校で、ちゃんと勉強できるかな?」「しっかりついていける?」
そんなことではないでしょうか?
そこで、いちばん気になる「勉強」について、
事前に知っておきたいことをご紹介!
教師経験40年超のベテラン先生からの「使える!」アドバイスがいっぱいです。
ベテラン先生が解説!! 新1年生の小学校入学準備
第3回
「丸つけ」で、親子の会話が増える!
アドバイスをくださる先生はこちら!

村松 守夫 先生
大阪府出身。42年間の教員時代は、都立立川ろう学校を最初に小学校10校での勤務を経験。13年間、校長として3校の学校経営を行う。専門は社会科教育と特別支援教育。日本教育技術学会会員。
親子のコミュニケーションの時間、どれくらいある?
小学校にあがると、子どもは学校で長い時間を過ごすことになります。
また、行き帰りの送迎もなくなるので、親子一緒に過ごせるチャンスは、今までよりもだいぶ減ってしまいます。
できる限り、触れあいの場をもちたいものですが、何かよい方法はないでしょうか?
たしかにそうかも!
なんとなく、自分の子ども時代よりもコミュニケーションの時間が少ないのかも……と感じていました。

それに、「コミュニケーションが取れている」と感じる時間の長さには、
親子でかなりギャップがあるのです。
ある調査では、1日のコミュニケーション時間について、
親は「30〜40分」と答えたのに対して、子どもは「5分」だと回答しました。
エーッ!! 親子でそんなに差があるんですか!?
親のほうが勝手に「コミュニケーションは十分にとれている」と思い込んでいる可能性がありそうですね……。

そうかもしれません。
ひと昔前は、家族でテレビを見ながら食事をし、同じ話題で盛り上がる、というのがだんらんの時間でした。
しかし今は、子どもはテレビ、お母さんはスマホでSNS、お父さんはタブレットでネット動画、という光景がふつうになってきました。
つまり、家族がそろっていても、個人個人で過ごす時間が増えたのです。
.png)
(イラスト:松井晴美)
たしかに! 一緒にいるけれど、コミュニケーションが不足しているのですね……。
丸つけで、コミュニケーション不足を解消できる!
でも、毎日やることも多くて、改めてコミュニケーションの時間をつくるのは難しそうです。

そこで効果的なのが、「丸つけ」の時間です。たとえばこんな風に、自然と会話が生まれます。
子ども:今日の宿題(ポピー)できたよ。見て。
親:どれどれ。わあ、たくさん文字を書いたね。大きくてはっきり書けているから、花まるも大きくかいちゃおう!
子ども:えへへ、こっちも、がんばって書いてみたよ!
親:ほんとだ〜! 何回も書き直したんだね。ちょっと難しかったんじゃない?
子ども:でもね、学校で習ったから、思い出して書いたよ。
親:うんうん、よくわかるよ。ここも花まるにしよう!
子ども:いっぱい花まるになったね。
親:なったね〜。よかったね〜。じゃ、明日の準備もしちゃおうか。
子ども:うん。あのね……(続く)
なるほど!その日の学習の様子もわかるし、会話も弾みますね。
特別なことをしなくても、丸つけをするだけで、こんな効果があるんですね。
ベテラン先生おすすめ!丸つけの仕方
*丸つけをするときのコツは、次の2つです。
①×を書かないようにする
②赤鉛筆を使う
子どものやる気やがんばりを保つために、間違いに気付いても、×を入れるのはなるべく避けて。子どもが書いた横に、正しい答えを書くことをおすすめします。
赤鉛筆を使うと、薄く書いたところは消すこともできるし、その上をなぞらせることもできます。
学校の先生が見たとき、子どもがなぞった跡があると、「この保護者はすごい!」と絶賛されること間違いなしです。
この記事のまとめ
特別なことをしなくても「丸つけ」をすれば
親子のコミュニケーションが自然と増える!
いかがでしたか?
「丸つけ」をすれば、子どもの学習の様子が確かめられ、日々のコミュニケーションもしっかりできることがわかりましたね。
次回は、1年生の家庭学習の仕方について、目からウロコの事実をお知らせします。
お楽しみに!
この記事が含まれる連載はこちら
不安に思うのも無理はありません。
なぜなら、以前に比べて、親子で一緒に過ごせる機会がグッと減っているからです。