子育てに効く!脳コラム10選 ~ ❶子どもに必要な力
篠原菊紀先生の脳コラム
子どもに必要な力
たとえば年の始めなどには、1年間の目標を家族で話し合ったり、あらためて子どもの将来を考えたりする方も多いでしょう。
今回は、そんなときに柱とすべき考え方についてお話しします。
子どもに必要な力とは?
子どもを育てるとき、どんな力を伸ばそうと考えるべきなのでしょうか?
何が子どもにとって必須な力なのでしょうか? 学力でしょうか? 運動能力でしょうか? 音楽能力でしょうか?……
それとも?
生きる力を具体的に考えると
この問題を考えるために、筑波大学の橘教授らが作った「生きる力」調査用紙の短縮版を、少し長いですが紹介します。
自分のお子さんはどうか、考えながら読んでいってください。(あるいは、ご自身も???)
● いやなことは、いやとはっきり言える
● 人のために何かをしてあげるのが好きだ
● 先を見通して、自分で計画が立てられる
● 暑さや寒さに、まけない
● だれにでも話しかけることができる
● 花や風景などの美しいものに、感動できる
● 多くの人に好かれている
● 人の話をきちんと聞くことができる
● 自分のことが大好きである
● ナイフ・包丁などの刃物を、上手に使える
● 自分からすすんで何でもやる
● いやがらずに、よく働く
● 早寝早起きである
● 自分勝手なわがままを言わない
● 小さな失敗をおそれない
● 人の心の痛みがわかる
● 自分で問題点や課題を見つけることができる
● とても痛いケガをしても、がまんできる
● 失敗しても、立ち直るのがはやい
● 季節の変化を感じることができる
● だれとでも仲良くできる
● その場にふさわしい行動ができる
● だれにでも、あいさつができる
● 洗濯機がなくても手で洗濯できる
● 前むきに、物事を考えられる
● 自分に割り当てられた仕事は、しっかりとやる
● からだを動かしても、疲れにくい
● お金やモノのムダ使いをしない
教育目標、教育指針
「生きる力を育てよう」などと大げさに言うと、子どもたちにどうあってほしいのかがわかりにくくなります。しかし、こういう項目の一つ一つを読むとなるほどと思いますし、項目の一つ一つが教育目標であり、教育指針でありえることがわかります。
「前むきに、物事を考えられる」「自分に割り当てられた仕事は、しっかりとやる」「からだを動かしても、疲れにくい」「お金やモノのむだ使いをしない」————親御さんが、そういう子に育ってほしいと願うのは当たり前だと思うのです。そんなの偽善だ、うそくさい、と言う人もいるかもしれません。
それでも、あなたのお子さんが、前むきに物事を考えられず、自分に割り当てられた仕事をいいかげんにして、からだを動かすとすぐに疲れ、お金やモノのむだ使いをする、そういう子どもに育ってほしいと思うか、と問われて「YES」と答える人はそうはいないと思います。
勉強ができるようになること、運動がうまくなること、音楽がうまくなること、それぞれ重要です。しかし、その基礎にここで挙げたような項目がなければ、相当空しい話です。
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❷子どもの性格を育てる
❸思いやりを育てるには
❹写真で自己肯定感を育てる
❺ネットやゲームとつき合う
❻お母さんの声は魔法の声
❼努力をほめる
❽“たまの手抜き”で報酬効果アップ
❾二度目をしなかったことをほめる!
❿「ほめる」と「やる気」
篠原 菊紀(しのはら きくのり)先生
公立諏訪東京理科大学 情報応用工学科教授(脳科学、健康科学)。東京大学、同大学院教育学研究科修了。『頭がいい子を育てる8つのあそびと5つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。『子どもが勉強にハマる脳の作り方』(フォレスト出版)など著書多数。NHK夏休みこども科学電話相談など、TV、ラジオ、雑誌でもご活躍。
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