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POPY Novels ちび恐竜と絵留の日々
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ちび恐竜と絵留の日々(信じる心)
10信じる心

作: たかはしみか

絵: 井上恵美

前号までのあらすじ

ダイくんをぬすもうとしたサムさんだったが、おじいちゃんの遺影いえいの前で反省したようだった。その夜、おじいちゃんにもらった懐中かいちゅう時計を見ていた絵留える偶然ぐうぜんあるものを発見し…。

懐中時計のふたの裏に、写真でかくすようにしてってあったもの。それは、人差し指のつめほどの大きさで、厚さ一ミリ程度の黒いカードのようなものだった。

あわてて、おばあちゃんに見せる。
「おじいちゃんの懐中時計から出てきたの! 何だと思う?」

わたしが差し出したそれをまじまじと見ながら、おばあちゃんはこう言った。
「ああ、あれに似ているね。デジカメに入れる……」
「メモリーカード?」
「そうそう!」

家にあったデジカメから、メモリーカードを取り出す。比べてみると、デジカメのカードのほうが大きいけど、形状はよく似ている。
「もしかして、これって……」

この中に、ダイくんに関するデータが入っているんじゃないか。

おじいちゃんは、研究所に出入りする人からダイくんを守るために、ここへデータをかくしたのかもしれない。

おばあちゃんは、すぐにお父さんへ連絡れんらくした。テレビ電話モードにして、例の小さなカードを見せる。
「おそらく、データの入ったカードだ。専用のアダプターを使って接続すれば、内容が確認かくにんできると思う」

ついに、ダイくんのなぞが解けるかもしれない。ゲージを見ると、サムさんとたくさん話してつかれたのか、ダイくんはすやすやとねむっていた。
「内容を確認しないとなんとも言えないけど、そのカードにダイくんに関するデータが入っていることは、間違まちがいないんじゃないかな。絵留のところに預けたら大丈夫だいじょうぶだっていう発想が、とてもおじいちゃんらしい気がするんだ」
と、お父さんは言った。

おじいちゃんが、わたしに……。

わたしは、おじいちゃんが懐中時計をくれたときのことを思い出した。
「絵留、これはおじいちゃんの一番の宝物なんだ。ずっとずっと大事にしてほしい」

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