

前号までのあらすじ
未来から空想を採取しにやってきた石の質問に答えることになった空志。たまたま自力で空想の世界へ入り込む方法を見つけてしまったが、石が言うには危険な方法らしい。
今日の最後の授業が、突然自習になった。課題としてプリントが配られたが、二十分とかからないもので、「あとは各自時間を有意義に使うこと」という指示があった。
一瞬教室は沸いたが、代理できた松崎の
「おまえらは、受験生なんだぞ」の声に、萎えた空気が充満した。
それでも松崎が去ってからは、教室はいささか活気を取り戻し、近くの席どうししゃべる者、単語帳やワークを取り出して始める者、本を読むものなど様々だった。
ぼくは、ぼんやりと窓の外を見ていた。教室の大きな窓は、上から三分の二が空で占められていた。あとの三分の一はグラウンドで、その奥には道路が見える。
今日の空は、雲が多いな。
雲はどうやってできたことにしよう。
空の色のように、絵の具で塗れないこともないが、ああしてふわふわとただよっている感じは、ただ空の青地に白を塗ったというだけでは、おもしろくない。
白くて、ふわふわしてるもの……。
「空志!」
ハッとして我に返ると、山ちゃんとマサルがこっちを見ていた。
「もう、授業終わったぜ」
「おまえ、寝てたの? まさか、徹夜で受験勉強してるとか?」
二人がかわるがわる話しかけてくる。今、何かいいアイディアが浮かびそうだったのにな。
「そんなわけないだろ。第一、受験受験って、来年の話だろ」
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