

前号までのあらすじ
未来からきた石に空想を搾取されている空志。ひょんなことから春日部のノートを見ているうちに、空志は春日部の空想の世界へ入り込んでしまった。
ぼくは、ふらふらした足どりで門の中へと入っていった。
これが、春日部の世界。
なんだか見てはいけないものを見るような気がして、最初はびくびくしていたが、そのうち興味のほうが勝ってきた。何しろ、おもしろそうなものであふれている。気になってしかたがない。
遠くに城が見えるから、ここは城下町のようだ。さまざまな店が軒を連ねているが、看板をよく見るとなんだか変わった店ばかりだ。
「歌屋」「意味屋」「しっぽ屋」「なぞ屋」などなど……。
中へ入ってみたい。でも、ぼくはお金を持っていない。何か買わなければ出てこられないような店だったらどうしよう。
勇気を出して、道を歩く人に声をかけた。
「すみません」
ぼくの声に振り向いた紳士の顔を見て、ぎょっとした。人間の顔ではなかった。ちゃんと服を着て二本足で歩いているのに、犬のような、猫のような顔をしていた。しかし、この世界ではこれが常識なのかもしれない。ぼくはなるべく顔をじろじろ見ないようにしてたずねた。
「このあたりのお店は、買い物をしないで、中を見るだけでもいいのでしょうか?」
「そりゃ、構わないとは思いますが、あなた、たいていは買ってしまいますよ」
紳士は上品に笑って答えた。
「でも、ぼくはお金を持っていないんです」
「そうでしたか。この世界は初めてで? じゃあ、この商店街のはじにある、とんがり屋根の小さな建物にいってごらんなさい。あなたがいらないものを買い取ってくれますから」
ぼくは戸惑いながらも、紳士の言うとおりにすることにした。
商店街のはじには、たしかにとんがり屋根の小さな建物があった。小さいだけでなく細長くて、まるで鉛筆みたいだ。ほかの店と違い、特に看板も出ていない。小さな扉を、ぼくはおそるおそる押した。
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