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POPY Novels 2
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ソラシ(女王の悲しみ)
第7話女王の悲しみ

作: たかはしみか

絵: 井上恵美

前号までのあらすじ

春日部かすかべの空想の世界へ入りんでしまった空志そらし。不思議な世界で楽しく過ごすうち、城にいる女王の話を耳にする。女王に会ってみたい空志は、城へとやってきたのだった。

女王は、上品なドレスに身を包んで、上品な椅子いすこしかけていた。

女王は、春日部によく似ているけれど、彼女かのじょよりちょっと背が高く、ちょっとやせていた。

顔立ちも――こんなことを言ったら春日部に失礼かもしれないけれど――女王のほうがどこか洗練されていて美しい。

とはいえ、この人が春日部だと言われても、春日部ではないと言われても、どちらでも納得なっとくできるような、そんな気がした。
「どんなご用ですか?」

春日部よりもちょっときとおった声で、女王が言った。
「ええと、その、歌をお聞かせしたくて」

ぼくは緊張きんちょうしていた。
「そうですか。ぜひ、かせてください」

女王は、「ぜひ」と言いながらも、うれしくもなんともなさそうな様子だった。その態度は、ぼくをますます緊張させた。

しかし、ここまで来て歌わないわけにはいかない。大丈夫だいじょうぶだ。歌屋で直してもらったあの歌を歌えばいいのだ。何もおくすることはない。

ぼくは、さっき番兵たちの前で歌ったのと同じように歌い始めた。

ところが……。

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