

前号までのあらすじ
春日部の空想の世界へ入り込んでしまった空志。不思議な世界で楽しく過ごすうち、城にいる女王の話を耳にする。女王に会ってみたい空志は、城へとやってきたのだった。
女王は、上品なドレスに身を包んで、上品な椅子に腰かけていた。
女王は、春日部によく似ているけれど、彼女よりちょっと背が高く、ちょっとやせていた。
顔立ちも――こんなことを言ったら春日部に失礼かもしれないけれど――女王のほうがどこか洗練されていて美しい。
とはいえ、この人が春日部だと言われても、春日部ではないと言われても、どちらでも納得できるような、そんな気がした。
「どんなご用ですか?」
春日部よりもちょっと透きとおった声で、女王が言った。
「ええと、その、歌をお聞かせしたくて」
ぼくは緊張していた。
「そうですか。ぜひ、聴かせてください」
女王は、「ぜひ」と言いながらも、うれしくもなんともなさそうな様子だった。その態度は、ぼくをますます緊張させた。
しかし、ここまで来て歌わないわけにはいかない。大丈夫だ。歌屋で直してもらったあの歌を歌えばいいのだ。何も臆することはない。
ぼくは、さっき番兵たちの前で歌ったのと同じように歌い始めた。
ところが……。
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