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POPY Novels 魔法使いのステージ
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魔法使いのステージ(出会い)
第1話出会い

作: たかはしみか

絵: 井上恵美

「音楽」って何だろう?

わたしはいつも疑問に思う。

もちろん、国語とか数学みたいな、教科としての音楽なら知っている。でも、それとはちがう意味を持つ「音楽」が、あちこちにあふれている。

テレビから流れてきたり、カラオケで歌われていたり。ああいうのも「音楽」?

クリスマスに、そこかしこで流れるジングルベル。あれだって「音楽」?

アイドルグループが歌う歌。

海外のロックバンドの演奏えんそう

クラシックのコンサート。こういうのこそが「音楽」?
「音楽を趣味しゅみとしている」とか、「音楽がないと生きていけない」とかって、いったいどういうことなんだろう。

きっと、「音楽」の定義は人によって違うのだと思う。そうなると、わたしにとっての「音楽」って、やっぱり教科の音楽でしかなかった。

去年の十二月までは。


クリスマス間近のあの日、わたしはおじさんとおばさんと、地域の小さなホールへ出かけた。いとこで高校生のサナちゃんが、軽音部の仲間と、クリスマスソングを演奏するというのだった。

そもそも、そういうことには一切興味きょうみがない。正直、めんどくさいなあって思ったけど、サナちゃんがどうしてもって言うから、行くことにした。

サナちゃんは、ほかの三人の女の子と一緒いっしょにバンドを組んでいた。四人とも、この時期にあちこちでよく売っている、サンタの服をワンピースにアレンジした衣装いしょうを着て、はじけるような笑顔えがおで演奏していた。曲は、去年とか一昨年流行したクリスマスソングだった。楽器のことはよくわからないけど、ボーカルの女の子は結構うまいのかなと思った。

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