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POPY Novels 魔法使いのステージ
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魔法使いのステージ(始動)
第9話始動

作: たかはしみか

絵: 井上恵美

前号までのあらすじ

緒方おがたくんが加わり、バンドを結成できたかなたち。しかし、当初の目標だった学校祭ライブは絶望的な状況じょうきょうに。そこへ、池野いけのさんからライブに出る方法があるということで……。

池野さんの声を受話器ごしに聞くのは初めてだったから、ちょっと不思議な感じがする。でも、今はそんなことはどうでもいい。

わたしたちが出られるライブがある?

本当に?
「それ、いつ、どこであるんですか?」
「うん、くわしいことは会って話そう。近々、メンバーも連れてうちの店に来ることはできるかな?」
「はいっ!」

どきどきしてきた。

奏太そうたも緒方くんも、きっと喜ぶだろうな。

次の休みに、わたしたち三人は池野さんの店を訪ねた。
「やあ、いらっしゃい。えっと……」
かれがギターボーカルの奏太で、彼がドラムの緒方くんです」

わたしが紹介しょうかいすると、二人はぺこりと頭を下げた。池野さんは相変わらずの笑顔えがお
「よろしく」
と言いながら、二人と握手あくしゅわした。

うながされて店のおくへ行くと、いつものように奥さんがお茶とお菓子かしを出してくれた。
「それで、ぼくたちが出られるライブって……」

奏太が口火を切った。
「うん、ライブハウスじゃなくたって、しようと思えばいくらでもライブはできる」

池野さんはそう言いながら、わたしたちひとりひとりの顔を見つめた。わたしたちも池野さんの顔を穴があきそうなほどに見ていた。
「夏祭りだよ」
「夏祭り?」

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